週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:決勝戦、レッド VS ラビ 3rd

「あのエーフィは……」

 

特設艦のVIPの一つ、最上級のグレードの席、席というよりも最早スイートルームのような様相をしている席に腰掛けながらも優雅にワインを嗜みながらもバトルを観戦する男、膝の上にはペルシアンが乗り、時折喉を撫でてやれば嬉しそうな声を上げる。

 

「……矢張りあの研究個体が進化したエーフィか……あれには随分と研究費を継ぎ込んだ……要となったミュウの細胞のデータが残っていれば、奴を大量に用意できたものを……忌々しい小僧だ」

 

イーブイの可能性の追求、その果てに形となった唯一の成功体であるレッドのエーフィ。あれが奴によって解き放たれなければ我々の飛躍は確実だった、それなのに……何故か笑みを止められない、忌々しいと思いながらも高揚感を止められずにいる自分がいる。

 

「あの小僧もだ……いや、若造というべきか……」

 

ガブリアスへの指示も的確であの変幻自在に姿を変えるエーフィ、いや今は抑えている為にエーフィのままで他の姿の技を繰り出しているが……威力と効果こそ落ちるが寧ろそちらの方が何が出て来るのかが読みにくい為に対処しづらい筈なのに平然と対処するラビ、それにも笑みが零れる。

 

「父さん、嬉しそうだな」

「ああ、嬉しいとも。標的は、強くなければ仕留め甲斐と達成感がない。易々と淡々にこなすのは唯のタスクだ、それはそれでいい。だが―――狩りはそれらが無ければ成立しない」

 

息子に言葉を掛けられた父親は言う、あれらとのバトルは狩りだ。自分の全てをベットして行う全霊の狩り、それはそれを行うだけの価値がある相手にしか行わない。

 

「お前の方は如何だ、今回は参加しなかったのだろう?」

「……せめて、父さんに勝てるようにならないと出ない」

「クククッイジらしい事を言ってくれるなぁ……楽しみにしているぞ、シルバー」

 

そう言いながらもワインをグラスに注ぎ、飲む。ワインの味は、ひょっとした事で化ける。息子の成長とその目標、それが自分だと分かれば尚の事……ポケモンマフィア ロケット団総帥サカキ、彼の瞳は、未だ炎が灯る。

 

「さて……どのタイミングで悪巧みをするかな」

 

 

「後ろに跳べ!!」

「遅いっムーンフォース!!」

 

後方に飛び退くが、それよりも早くムーンフォースが飛来する。本来は覚えられない技だが、レッドのエーフィの特異性が発揮され、イーブイの進化先が覚える技であれば使う事が出来る。流石にタイプ一致が乗らなかったり本来の威力よりやや低めになってしまうが十分すぎる効力を発揮する。

 

「ガアァバァァァ……!!」

 

膝を付きながらも必死に身体を支えるガブリアス、ピカチュウとのバトルで十分に疲弊している。今の所エーフィにダメージを与えられたのはまきびしとステルスロック分のみ、それでもかなり大きなダメージは与えられているとは思うが……これだけでは不十分。

 

「畳み掛けろ、ムーンフォース―――ニンフィア!!」

「フィイイイッ―――フィイイアァッ!!」

 

その言葉と共に、エーフィはまるで進化の光のような光を放ち始めた。そしてその光から抜け出した先に居たのはニンフィア、既に進化している筈のポケモンが別の進化形へと変化するという通常ではありえない筈のそれが巻き起こる。そしてそこから放たれるムーンフォースは先程のそれとは明確に違い、輝きと迫力が段違いとなっている。

 

素早く―――剣の舞!!!力強く―――アイアンテール!!!

ガアアバァアアッッガァァアッ!!!

 

だがそんな疲弊しきっている身体でもガブリアスの動きのキレは一切鈍らない、その理由は至極単純で愛しの人の前で無様な姿など見せたくはないという意地にのみ支えられている。剣の舞の回転を活かすようにブレイクダンスのように腕で身体を回転させ、その勢いで尻尾を叩きつけてムーンフォースを吹き飛ばすのだが―――直後に見えてきたのはムーンフォースを隠れ蓑にしながらも、電光石火で突撃してきたニンフィアだった。電光石火はガブリアスの顎を捉えて真上に頭が上がった時―――ニンフィアはニヤリと笑った。

 

素早く―――チャームボイス!!力強く―――ムーンフォース!!!

フィィィイアアアアアアッ!!!!

 

避ける事が難しい声による攻撃の直後にムーンフォースが叩き込まれてガブリアスは吹き飛ばされる、そのままラビへと激突すると思えたが、一瞬、目を見開くと空中で身体を回転させながらも制動を掛けて着地する。そして顔を上げるとそこにはラビがいる。

 

「よくやってくれたよガブリアス、ゆっくり休め、今はそれが、お前の仕事だ」

「ガ、ブァ……」

 

ああ、貴方はいつも私を……フカマルの時からずっと……手を伸ばすと優しく撫でてくれた、その温かさに心地よさを覚えながらもガブリアスは大きな音を立てながら崩れ落ちた。ピカチュウとの戦いで既に辛かった筈なのによく頑張ってくれたと感謝を送る。

 

『ガブリアス、戦闘不能!!ニンフィ―――じゃなくてエーフィの勝ち!!』

「フィィィィッ!!」

『これがレッド選手のエーフィッ!!!自在に姿を変え、ある時はニンフィア、ある時はブースター、ある時はシャワーズ!!ある時はサンダース!!変幻自在にイーブイの進化先へと変身する摩訶不思議なイーブイ!!レッド選手のみが持つ事を許された超特異点!!』

 

ミュウの細胞が入っているが故の奇跡なのか、矢張りこのエーフィは厄介が過ぎる……ダメージが入っているガブリアスでは此処までが限界……ある意味でカビゴンの次に面倒なのがこのエーフィだ。幅広い対応力を強いて来る、だったら此方が取るべき手段が唯一つ―――

 

「さあ待ち望んだ舞台だぞ、テメェの望みを存分に叶えちまえ、GO!!アーマーガア!!!」

ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!

 

To Be Continued……!!

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