「……あのメガリザードン、相当のレベルだ……」
誰かがそう言った、それは当然だと切り捨てるのは容易い。何故ならばレッドのリザードンなのだ、それがメガシンカしたならばこの程度当たり前―――なんて言葉を口にする方が未熟者だと、切り捨てられる。
「鬼火で火傷、それによって攻撃は半減されているとはいえ、それでも腹太鼓で得られたパワーは半分は発揮出来るんだぞ。それでも一切の油断なく、メガスターミーの一撃を的確に受け流している……」
リザードンは一切慢心していない、相手の攻撃を下げた所で元々の攻撃力が高い上に腹太鼓の効果がまだ消えた訳ではない。故に受け流し中心の立ち回りをし続けている。決して油断していない。それが正しいと言わんばかりに、アクアジェットで加速したアクアブレイクをまるでバク転のような動きで後方へと飛び退いた直後にフィールドにクレーターを生み出したメガスターミー。例え、火傷だろうとも力持ちのメガスターミーに腹太鼓の力があれば一撃でメガリザードンをも葬る事も出来てしまうのである。
「ヘアアアアアアアアッ!!!」
「龍の舞!!」
再びの急降下攻撃、それを龍の舞をしながらも突撃するリザードン。直撃の瞬間に回転しながらアクアブレイクの軌道を変えながらも無理矢理回転させてメガスターミーを地面へと叩き落す。それを身体を捻りながらも着地したスターミーは地面を蹴って駆け出して跳躍、リザードンへと蹴りかかり、リザードンもそれに雷パンチで応じる。
「ヘアアアアアアアアアアアアッ!!!」「バキュアアアアアアアアアアアアッ!!!」
互いの技のエネルギーに引火したのか、空中で大爆発を起こし互いに着地するが、即座に次の技の体勢に入った。
「素早く―――腹太鼓!!力強く―――フレアドライブ!!」
「やっぱり覚えてやがったか!!素早く―――高速スピン!!力強く―――渦潮ぉ!!!」
そう、腹太鼓を使えるのはカビゴンだけではないと言わんばかりにリザードンも腹太鼓を発動し、一気にパワー全開へと持って行った。力持ちを踏まえても覆せるか分からない展開になって来た事にラビは危機感を覚えるが、想定はしていた。だが鬼火を使った上で使って来るとは……爆炎を纏い、飛翔するリザードン。その通り道に残された炎は余りの高温故か地面を溶かしてる、二回目の腹太鼓との対面にラビはすぐさまメガスターミーに高速スピンに渦潮を合わせる事を指示した。渦潮は水の竜巻となって真っ直ぐにリザードンと激突する。
「ヘアアアアアアアアアアアアッ……!!!!」「バキュオオオオオオンッ……!!!!」
メガスターミーとメガリザードンXのパワーは完全な互角となって拮抗状態、炎と水のそれぞれが維持出来なくなり、真反対に同時に弾けれるように飛び退く両者、遂にリザードンが膝を付くが、それはスターミーも同じ事。
「ダァァァッ……!!」
「流石に限界が近いか……」
幾らメガスターミーと言えど、全ての技を高出力でぶっ放せば疲労も溜まる。最近分かった事だがメガシンカポケモンはメガシンカのエネルギーをワザに上乗せして強化出来る事が分かった。仮名ではあるが、ワザプラスとしている。これを使う前提になるとメガシンカが時間制限付きの物へと変化するがその分技の威力や効果が強化される。正直早業力業があるので使うか?とも思ったが、メガスターミーは周辺からエネルギーを取り込んでメガシンカを自力で維持出来るので使用している、が、それでもレッドのメガリザードン相手だと全くそれが追い付かない。
「決めるか、スターミー全てを込めろ!!次で決めるぞ!!!」
「ッ!!!ヘアアアアアッ!!!」
「リザードン、こっちも全開だ―――お前の獄炎を見せてやれ!!」
「バキュオオオオオオオオオン!!!」
限界も近い、最悪の場合メガシンカが解除されかねない。だったらその前に全てを放出しきるしかないとラビは決断する、それに合わせるようにレッドもリザードンに指示を飛ばすと尻尾の炎が大火となって燃え盛る。蒼い炎が滾り姿を見ながらもスターミーは腰を落とし、両腕にエネルギーを集めながらも後ろへと突き出した。それと同時にコアがひときわ輝く。
「猛々しく―――ブラストバアアアアアアアアアアンッ!!!」
「バキュグオオオオオオオオオッ!!!!」
「猛々しく―――メテオ、ビイイイイイイイイイムッ!!!!」
「ヘァァァッ!!!ダアァァァァアッ!!!!」
燃え盛った炎の全てを、己の命にくべたかのような青白い炎がリザードンによって発射された、それを無理矢理言葉にするならば……真横に噴火する火山、蒼い炎の噴火がリザードンによって作り出された。それに対するは宇宙の力をその身に宿し、それを収束させて放つメテオビーム。腕を組んで放たれた一撃はメガスターミー自身も反動で後ろに下がってしまう程の大出力、両者の一撃は干渉しあうかのように捻り曲がりながらも双方へと向かう、二重螺旋のようにながらもリザードンを、スターミーを光と炎が飲み込んだ。
「リザードン!!」「スターミー!!」
空へと伸びていく炎と光の柱、その柱の奥にリザードンとスターミーがいる、柱の中で両者はまだ戦っている、そのようにラビとレッドには見えた。何方が先に倒れるかの勝負、その戦いの果ては……メガシンカが同時に解除され、倒れ込むという終着駅だった。
「ヘァァァ……」「グォォォッ……」
『リザードン、スターミー、共に戦闘不能!!!』
『引き分けですっ!!メガシンカ対決は相打ちとなりましたが、これでラビ選手、遂に王手を掛けました!!!レッド選手は残り一体、ラビ選手は二体、何方が有利など言うまでもありませんが……レッド選手のラストは何でしょうか!?矢張りシロナ選手との戦いを制したコライドンでしょうか!?』
『その可能性が極めて高いと私も思います、あのコライドンの強さは異常の一言だ』
「戻れスターミー、よくやってくれた。流石我らのメガスターミー様だ」
「よくやったリザードン、後は任せろ」
遂にここまで来た、ラスト一体……これが本当に意味でのラストバトルとなるのか、それともまだまだどんでん返しがあるのか……相手はレッド、どんなことになったとしても驚けないだろうが……それすらも楽しんでみせる。その自信が自分にはある。
「頼りにしてるぜ歌姫、剛毅なる貴婦人として華麗に大胆に行こうか―――GO!!アシレーヌ!!!」
「きゅううううんっ!!!」
ラビが繰り出すのはアシレーヌ、ラビのポケモンの中でも屈指のパワーを誇る。そしてレッドが繰り出してくるのは―――
「行くぞ、ラビッ!!!」
レッドがそう言いながらもベルトに付けていた最後のボールを手にした、それにラビは笑おうとしたのだが直後にその笑いが凍り付いた。何故ならば……それはモンスターボールではなかった。あのコライドンが収められているのはモンスターボールである筈、だが違う、そこにあるのは―――……マスターボールだったのだ。そのボールから飛び出して来たのは……
「これは……!!?」
「そうだラビ、これがお前を倒す為の俺の備えだ」
そこにいたのは、人と思うのも無理はない程のポケモン。だが薄い紫色の体色と独特な形状の指が生えた四肢、細長く太く長い尾がそれを否定する。それを見て言葉を詰まらせるラビのそれも致し方ない事だった……そしてそれはゆっくりと瞳を開けてラビを見た。
『久しいな、相変わらず若いな友よ』
「まさかお前とは……やれやれ読みが外れたな……息災で何よりだ―――ミュウツー」
レッド、最後のポケモン、それは―――ミュウツー。
現在の状況
レッド ラビ
×ピカチュウ ×ガブリアス
×エーフィ ×アーマーガア
×プテラ ×マッシブーン
×カビゴン ×スターミー
×リザードン アシレーヌ
ミュウツー ???