週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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PWCS:決勝戦、レッド VS ラビ 14th

『遂に来た、此処は期待を裏切らずに大将はラビ選手の相棒たるダイケンキです!!!!ミュウツーとダイケンキの何方が勝者となり、世界最強のトレーナーが決定する瞬間となります!!』

 

ミュウツーは冷静にダイケンキを見た、ミュウツーがラビと出会った時からダイケンキはラビの相棒としてその辣腕っぷりを発揮していた。その実力も中々な物だった。

 

「相棒、俺は世界一のトレーナーなんて称号に興味はない。此処に立ってるのも気紛れの果てみたいなもんだった……バトルの楽しさを思い出してもそんな物に興味はない」

「ケン」

 

俺もんなもんに興味なんて欠片もねぇよ、と言わんばかりに鼻を鳴らす。

 

「俺の興味はレッドとのバトル、そして―――お前が世界最強のダイケンキだと証明する事」

「……ケェンキ」

 

そんなに証明したいもんか?それ、とダイケンキは笑った。そう思いながらもダイケンキが思うのは自身のトレーナーこそが自分を操る上で最強のトレーナーだと叫ぶことにある。両者が思う事はお互いが最強であると世界へ叫ぶこと。

 

「さあやろうじゃねぇか相棒……相手は原点にして頂点とも言われるレッドとミュウツー、何ともご機嫌な最強決定戦だ―――さあ、行こうか相棒!!」

「ケエンキ!!」

 

『……澄んだ闘気だ、何処まで澄んだ清流のような……』

「水タイプだからな」

『成程、納得だ』

 

再度、その手に得物を握り込む。二刀流ではなく、一刀流の構えを取る。

 

『THE FINAL BATTLE ミュウツー VS ダイケンキ!!3、2、1……BATTLE START!!』

 

 

迅く―――剣の舞!!猛々しく―――秘剣・千重波!!!

ケエンンンンッ――――ケヤァァァアアア!!!

 

スタートと同時に剣の舞で自らを高めるとダイケンキは瞳を閉じた、自ら行う視覚情報の遮断という愚行も精神統一の為だと言えば納得は起こるだろう。言うなれば瞑想に近い物だ、そしてそれは体色に現れるのだ、ダイケンキの殻が黒ずみ、その中を血流のような真紅の線が駆け抜けていく。

 

『ッ!!』

 

刹那、ミュウツーが感じ取ったのはダイケンキという存在の回帰、今ある存在が過去へと逆行し、そこにあった力を手にして現代へと再び回帰した。黒く染まったダイケンキがアシガタナに手を掛けて抜刀した時、ミュウツーが取った行動は迎撃ではなく―――

 

『……ッ』

「防御を取らせる……やっぱりあのダイケンキは凄い」

 

自らを包み込む球状のバリア(バリアボール)の展開、放たれた斬撃によってまき散らされた破片がバリアの表面に無数に突き刺さっており、それらを起点にしてバリアそのものに罅を僅かにだが入れている。ミュウツーのバリアに罅を入れる事自体が困難であるにもかかわらず。

 

「随分と悠長だな!!様子見か、それとも、俺達を舐めてんのかぁ!!?」

「ケエエエエエエエエエンッキイイアアアア!!!」

『な、何だと!?』

 

ダイケンキはバリアのうちに潜んだミュウツーへと向けて連続で秘剣・千重波を放ち続けていた。千重波の名の如く、幾重にも波が打ち据えるように無数の斬撃がバリアボールへと襲い掛かる様は凶暴な牙と顎を持つポケモンが食い破らんとする光景にも見える

 

『別に舐めている訳ではない、お前達の強さに―――私が押された、唯、それだけの事……!!』

「ケエエエエンンッ……!!!」

 

振り下ろされようとしていた二太刀、それによってバリアボールが粉砕される所だったのを意図的に、自らの意志で消し去ってスプーンで斬撃を受け止める。あのまま割られていたら受け止めていた破片とバリアの破片が自分に降り注いでいた事だろう。

 

『レッド、ダイケンキ……!!』

「ああ、悪タイプになってる……これがシロナの言ってたヒスイカイキ……素早く―――瞑想、力強く―――放電!!

「させるな、迅く―――挑発!!!猛々しく―――ドリルライナー!!

『ならば―――!!』

 

ミュウツーの初動を殺す挑発、それによって早業が不発になり、放電の発動が妨げられるが咄嗟に放電を早業に切り替えて放った。が、それすら呼んでいたと言わんばかりにラビはドリルライナーを指示。地面タイプの力で威力の落ちた放電を突破してミュウツーの懐へと入り込む事に成功する。が―――

 

『あまり私を舐めるなよ友よ、こういう事も、出来るのだよ!!!』

 

入り込んだと思った直後、ラビとダイケンキは全方位から感じるプレッシャーを感じ取った。そこにはミュウツーが持っていた筈のスプーンが消えうせて、その代わりに無数の小さなスプーンが此方を見つめていた。それはまるで―――一つ一つが意思を持っている、いやミュウツーの意志で動く砲塔のようだった。そしてそれは先端部からサイコパワーを光線(ビーム)のように照射してくる。

 

「喰らうなよ相棒!!」

「ケエエンッ!!!」

『させるかぁ!!!』

「雷パンチ!!」

 

此処でミュウツーは己の拳に雷を宿したまま殴り掛かって来た、その様はムーンインパクトを放つアシレーヌを想起させて来る。アシレーヌに敬意を評して倣いましたと言わんばかりのフォームにラビは苛立ちと興奮、そして危機感、楽しさという様々な感情が一緒くたになる。

 

「動き続けろダイケンキ!!それらを制御するのはミュウツーの思念、だったら、目を奪え!!釘付けにしろ!!!」

「ケエエエエンッ!!!」

「やっぱり揺るがない……!!」

 

全方位を包み込んで攻撃してくる砲台、普通ならばパニックになるだろうが……それら一つ一つが別々の存在が制御している訳でもないし源流は目の前のミュウツー。だったらその流れを変えてしまえばいいだけの事、それを教えてくれたのはレッド、お前だぞ。

 

『ラビ、敵の数多さに惑わされるな。結局の所あいつらは自分達で自分の手を縛っている、全開で来られるより、遥かにマシだ』

『簡単に言ってくれるよなぁテメェは!!』

 

ロケット団とのバトルで此方が2人で相手が30人というバトルも経験している。その時に理解したのは集団戦において重要なのは流れを変える事、そしてその流れというのはどんな状況でも流動させられるという事。この場合は司令塔を揺さぶればいい、そう、頭をくぎ付けにする。

 

「ケエエエエエンダアアアア!!!」

『何と激しい……!!それでいて、この切れ味……!!』

 

大きく揺さぶられるミュウツー、本気となったダイケンキの剣戟は片手間程度ではできない。思考の並列処理が出来なければ当然遠隔攻撃の精度は一気に落ちる。ダイケンキの身体を狙って来るそれらはエスパータイプのビーム、だが威力は皆無でメインはノックバック。ダイケンキが後右脚に受けたが、逆にそれを利用して回転切りを放った時にはびっくりした、お前そんな事出来たのかと我が相棒ながら驚いた。

 

「ばら撒け!!秘剣・千重波!!!

ケエエエエエエエエンダァァ!!!

 

ミュウツーの足取りのリズムも崩れてきた、流石のミュウツーとはいえ徒手でのバトルは慣れていないか、ならばそこに乗じる。回転しながら振り抜いた千重波は全方位へとまきびしをばら撒く、それらが取り囲んでいたそれらへと激突してパッと明るく周辺を明るい光の花で照らした。

 

『慣れんことはしない方がいいらしいぞレッド』

「だね、此処からは平常で行こう」

 

周辺のスプーンが消滅した事で滞留していたサイコパワーを再び集めてスプーンを形成して構えるミュウツー、それに対してアシガタナを構えるダイケンキ。それにラビはある光景を重ねた。一刀流と二刀流……

 

「重ねるねぇ……だとしたらどっちが勝つか見物だな。ダイケンキ、ギアを、アゲていくぞ……こっから、全力全開だ」

「―――ケン」

 

 

「それは此方も同じだ、ラビ」

『やってみろ、友よ』

 

 

世界最強の頂を巡る戦いはそこにはない、あるのは―――愉し気に戯れる友人同士の、姿だ。

 

 

To Be Continued……!!

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