「ケェエエンキッケエエエンッキヤアアアアア!!!」
『フッダッハァッ!!ウオオオオオッ!!!』
閃光は軌跡、衝撃は雄叫び、木霊し続ける剣戟の音は、激突する互いのプライドの証。
「廻せ!!跳ね上げろ!!」
『おおおおおおおっ!!!』
「ケエエエンキィィッッ!!!」
大上段からの振り下ろし、それを真っ向から受けながらも直後に身体を捻っての回転受け。拳を広げた時、ミュウツーは空中へと身体を放り投げられていた。だがエスパータイプは空中でも自在に動く事が出来る、が、そこへ自ら飛び上がってくるダイケンキ、逆手に持ってアシガタナ、まるで拳を振り上げるように放たれる切り上げが襲い来る、それをスプーンで角度を付けて受け流す。
「ケャアアアアア!!!」
『ぐっなんという執念……!!』
アクアジェットを発動させて無理矢理に方向を転換、そのまま体当たりでミュウツーごと地面へと墜落する。土煙が上がる中でミュウツーが立ち上がるとダイケンキの姿ががない、何処へ―――
「下だ!!」
『貴様っ……!!』
「ケエエンキッケエエエンッキヤアアアアア!!!」
『フッダッハァッ!!ウオオオオオッ!!!』
懐へと飛び込んで来たダイケンキに真っ先に気づいたレッドの言葉が無ければ対応出来なかった。辛うじて防御が間に合うが、更に畳み掛けて来る。
「秘剣・千重波!!!」
「ケエエエキャアアア!!!」
振るわれた一撃は確かにミュウツーの身体を捉えたが、咄嗟にバリアを局所的に展開、インパクトの瞬間をバリアで防御して致命的なダメージを抑えたが……それでもダメージは大きいのか膝を付いてしまった。
「まだまだァ!!迅く―――剣の舞!!猛々しく―――シェルブレード!!!」
「素早く―――瞑想!!鋭利に力強く―――サイコブレイク!!!」
挑発は既に解除されている、故に発動した瞑想によってサイコパワーを高めるが、即座に切り返して迫ってくるダイケンキ。それに対してミュウツーはサイコブレイクの放ち方を変えた。目の前に出現させたサイコパワーの集合体を目の前で爆裂させて全周囲へと向けてサイコパワーを四散させた。
「―――……ケエエエンッキャァァァ!!!」
振り被ろうとしたそれを咄嗟に、全体重を乗せた突きへと変更したダイケンキ。力業で規模を拡大させながらもそれを一点へと収束させた一撃、それはサイコパワーの放射を裂くように突き進んでいく。ミュウツーも本気で突破されるかと思ったが、流石に咄嗟に変えた事もあって吹き飛ばされてしまう。巧業で悪タイプを貫通して等倍でダメージを与える事に成功するが……全くダイケンキの闘志は挫けていない。
『これが、ダイケンキか……随分と鍛え上げたな友よ』
「当然。お前が知ってるダイケンキとあいつは最早別人だ」
驕りがあった訳ではない、今回のバトルに挑むに当たってレッドからサトシとのバトルを見せられているしそれでダイケンキが出会った時よりも遥かに強くなっている事は理解している、しかし、誤算があったとすればダイケンキはサトシとのバトルを経て強くなったという事だ。たった一戦と侮るなかれ、現にダイケンキは強くなっている。
「使うぞ、ミュウツー」
『ああ、私も此処からは―――全てをお前に委ねる』
そう言いながらもレッドは懐からテラスタルオーブを取り出した。ダイマックスは矢張り使えない、何でラビたちは使えたのかと思うが、無い物強請りをして勝てる道理何て存在しない。ある物で勝負する他無い。
「行くぞ―――勝て、ミュウツー!!」
『……!!これがテラスタル、成程、面白い』
発現したテラスタルはエスパー、悪タイプにもなっているダイケンキには意味がないと思う者もいるかもしれないが巧業の存在を考慮するとそんな事はない。ミュウツーの強みを最大限に生かす事が出来る選択肢だ。それを思いながらもラビもオーブを握る。
「こっからが本番だ。俺のダイケンキが、世界最強だと叫ぶ日だ。我らが真実は唯一つ、理想は果てしなく、未だ辿り着けぬ終着点、だからこそ面白い、例え理想と真実の果てが虚無であろうとも我らは行く―――相棒!!!」
「ケン!!」
「染め上げろ、自らを、世界を……星々の煌のように、輝きを以て変革を成せ!!テラスタル!!」
『ここでラビ選手もテラスタルだぁぁぁ!!ダイケンキのテラスタルは―――こ、これは!!?』
『これって確か、最近新発見されたテラスタル……!?』
頭部に輝くテラスタルはテラパゴスを模しているかのような結晶を持ち、その周囲を無数の輝きの結晶が浮遊していた。ステラテラスタル、テラパゴスが目覚めてから各地で僅かではあるがその出現が報告されているのだが、それはダイケンキにも現れていた。なんだかんだでテラパゴスはダイケンキに懐いており、一緒にいて見回りを真似る事もあった。その影響でダイケンキのテラスも、ステラへと変貌していた。
「ステラテラスタル……厄介だな」
『レッド、お前あれを知っているのか』
「ああ、厄介な事この上ないぞ」
エリアゼロの更に奥深く見つけたステラ、その特異性を見抜いたのがレッド、扱いは難しいが攻めに回られるとあれは極めて厄介な物だ……だからこそ此方も攻め続けなければならない。バトルは―――遂に最終局面、最終ラウンドへと踏み入れる。