「ヒードラン!!!最初っから全開で行くぞ!!素早く―――鉄壁!!力強く―――噴火ぁ!!!」
「ごぼぼぼぼっぼごごぼぼぼっゴボボボゴボボボボボドオラァアアアアッ!!!!」
「ホントどっから見つけて来たんだか……素早く―――高速移動!!力強く―――地震!!」
「オオオオウゥッゥダアアアアイルッ!!!」
天から降り注いでくる無数の隕石染みた火球染みた噴石、それを高速移動で回避する。メガオーダイルは素早さの向上はしない、だがラビのオーダイルはその筋量活かす為の術を研究し尽くしている。例えば……ダッシュの際には尻尾で地面を殴った勢いを使うとか、地面を蹴るとか様々な工夫をしまくっているので龍の舞なども併用すれば更なる速度アップが期待出来る、そしてそのスピードで跳躍させて地震を起こさせる。噴火はその技の性質上、身動きが封じられるのでそこを突く。
「させねぇよ!!!素早く―――守る!!力強く―――鉄壁!!」
業も浸透してきているのでそのコンビネーションも徐々に発達し始めているこの頃、素早く守るを繰り出してガードを固めた直後に早業の初動の良さを利用しつつ変化技を力業で繰り出して自己強化する、これも何れ鉄板化すると思っている一つである。
「ちっ好い加減にそういう使い方してくる奴は増えて来るわな……素早く―――バークアウト!!力強く―――滝登り!!」
だったら別の手立てだとラビはバークアウトからの滝登り、それを受けたヒードランは不快そうな顔をしながらも特攻が下げられる。鉄壁で既にガチガチになっているヒードランには特殊攻撃が有効―――と言いたい所だが、ヒードランは防御と同じぐらいに特防も高い。だが特攻を削る意味はある。
「迎え撃て!!素早く―――金属音!!鋭利に力強く―――マグマ、ストオオオムッ」
「ごっぼぼぼぼぼっドゥゥウラアアアアアアッ!!!」
最早アクアブレイクのような勢いで迫ってくる滝登りの最中のオーダイル、それに浴びせ掛けられた金属音にオーダイルは思わず顔をしかめながらもワニノコマスクを下ろして少しでも音から逃れようとするが、それによって視界が塞がれて一時的に盲目状態になった。生憎とワニノコマスクに覗き穴なんて便利な物はない。そのまま真下から溢れ出した膨大なマグマの嵐がオーダイルへと襲い掛かった。
「ダアアアアアイルァ!!?」
「馬鹿が……耐え切れないからって自分から盲目になる馬鹿が何処にいる」
ラビは素直にオーダイルの選択を非難する、こればかりは明らかにオーダイルのミスだ。ヒードランの金属音は身体に響いてくるタイプ、寧ろワニノコマスクを被れば逆に反響して酷い事になるレベルのそれ、被る意味はないしそれだったらそのままで受けた方がまだマシだったのに……。
「こりゃ降格圏内かな」
「何の話だラビ!?」
「こっちの話―――どうする、オーダイルさんよ」
「―――ッ……ダアアアアイルァァアアアアアア!!!!!」
雄叫びを上げた直後、マグマストームが内部から爆ぜた。周囲に爆風の水蒸気が舞い上がるが……マグマストームが消えている事からオーバは理解した、オーダイルは内部からハイドロポンプを放って水蒸気爆発を意図的に引き起こしてマグマストームを吹き飛ばした。だがそれはオーダイルすらもダメージを受ける捨て身、だがそこには全身に傷を負いながらも立ち続ける暴龍の姿があった。
「なんつう無茶をしやがる……」
「もともとこういう事を平然とやる奴だからな、こういう戦術こそ本領よ。オーダイル、気合入れろ」
「ダイルゥッ……!!」
「よしいけぇ!!」
「鋭利に力強く―――マグマストーム!!」
気合入った!!と言わんばかりに突撃するオーダイル、それに対して連続したマグマストームを放つヒードラン。オーダイルは真っ直ぐに向かってきているのでその進行上に配置する形にしている、回避したとしても即座に対応出来るように―――だが、オーダイルはそれらを完全に無視、マグマストームを突っ切っている。
「おい、冗談だろ……!?」
オーダイルはアクアブレイクのように水を纏う事もせずにそのまま突撃して来る、それなのに全くスピードが落ちない。全身にダメージを負っても止まらない、決して足を止めない。マスクも下ろさない、真っ直ぐ、唯只管に瞳に捉えたヒードラン目掛けて突撃し続けている。
「ドゥゥウラアアアアアッ!!!!」
「ヒードラン!?いや良い判断だ!!」
ヒードランはマグマストームに重ねるように巧業で噴火を自己判断で繰り出した、あのスピードでは自分がどんなに回避行動をしたところで決して避けられない、それどころか必ず喰らい付いてくるという確信がある、ならばそれより前に叩き潰すしかない。頭上から降り注いでくる噴火、回避しようと思えばできるそれすらも無視する。今オーダイルの中にあるのはシンプルな思考、あいつを一発お見舞いする。ただそれだけだ。
「さあブチかませオーダイル、何のためのマスクか教えてやれ!!素早く―――アクアジェット!!力強く―――アクアブレイクゥゥッ!!!」
「オオオオオオオオダアアアアアアア!!!」
アクアジェットを発動し更に加速したオーダイルは巨大な水の龍となった、そしてそのままワニノコマスクを展開し、腕を前へと出して自らが巨大な顎となってそのままヒードランへと喰らい付いた。その瞬間にヒードランはその口の中へと噴火を叩き込むのだが……それごと噛み砕きながらもヒードランへと喰らい付いた。
「ドゥゥゥウッ!!?オゥゥウラアアアア!!!」
「ダイリィィィイルルアァアアアア!!!!」
完全に喰らい付いたオーダイルは全身全霊を込めてその身体に喰らい付いた、そのパワーは鉄壁を重ねた筈のヒードランの身体に食い込み、罅を入れていくような勢い。メガシンカし、ワニノコマスクを使用した際の噛みつきの威力は通常時の10倍。
「放すな!!そのままハイドロカノン!!」
「ダアアアアアアアアッ!!!」
「させるかぁ!!自分諸共マグマストーム!!!」
「ドオオオオオオラアアアアア!!!」
自分ごと巻き込んだマグマストーム、普通に考えればヒードランにもダメージはあるのだが……ヒードランの特性は夢特性でなければ貰い火、そうならば自分の炎技で自分も強化出来る。メガオーダイルの強みを生かそうと思ったが……これはミスったなとラビは思っていると、再びマグマストームが爆ぜた。本当にあいつは自分を傷つける事に一切に躊躇がない……と思っていると、ヒードランからずり落ちるようにオーダイルが倒れ込み、メガシンカが解除される。
「ダ、ダイルゥゥゥ……」
「オーダイル戦闘不能、ヒードランの勝利!!」
「っしゃあ一勝!!!」「ドゥゥラァアン!!!」
喜ぶオーバとヒードランを見ながらもラビは状況を冷静に分析していた。ヒードランは水蒸気爆発のダメージは入っている、だが半分は削れていない……甘く見積もって残り6割という所か……色々言われたりしているがなんだかんだでヒードランも伝説のポケモンという事か……。
「伝説相手によくやった、お疲れ。ゆっくり休め」
甘く見ていたつもりはない、だが矢張りオーバは四天王という事だ。四天王とチャンピオン、何方が強いかと言われたらそれはチャンピオンだが、四天王とは試合の展開、追加効果の発動の有無、急所の発動、それらによってはチャンピオンにもなり得ていたトレーナー達。言い換えれば彼らがチャンピオンとなり得ていた事も当然の如く有り得たのだ。
「んじゃまあ、行くか……GO!!フローゼル!!!」
「ゼエエエッルルルルロッ!!!」