週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:オーバ VS ラビ 5th

「ゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウッ!!!!」

「改めて見ると、オーバだってチャンピオンになった時があっても可笑しくないのよね……」

 

審判を務めていたシロナが思わずそんな風に呟いた。オーバの相棒たるゴウカザルは四天王の相棒に相応しい実力を有している。ラビはオーバを軽く扱いがちだがシンオウ地方のチャンピオンズリーグではオーバをどう攻略するかで皆頭を悩ませる事が多い。その最たるものがこのゴウカザルなのだ。

 

「ゼルゼルゼルゼルゼルゼルッ……!?ゼルルルルルァア、ンンラァ!!?」

「ゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウッ!!!」

 

真っ向からの殴り合い、と言えば聞こえはいいかもしれないが実際は極めて一方的なラッシュだった。インファイトではない、唯のマッハパンチだ。だがそのスピードは異様の一言であり、素で早業込みの初速を叩き出している。最初こそフローゼルも対抗出来ていたが、徐々にスピードの差が露になって対抗しきれずに弾かれるように本格的に攻撃を諸に受けて防戦一方になる、オーバもオーバで先程の心配は杞憂だったなと思いながらも相棒のラッシュを見る。

 

「雷鳴パンチぃ!!!」

「ゴゥウウウウウウウキャアアアア!!!」

 

マッハパンチに上乗せさせれた雷パンチの一撃がフローゼルの頬を捉えて吹き飛ばした、フローゼルはラビの手持ちの中で決して弱い訳ではない、強い部類にはあるが種族値的な弱点を克服しきれていない。故に自分の頭を抑えられての超高速での殴り合いには弱いという弱点がある。高い優先度を持つ技を覚える相手には滅法弱い。

 

「ゼ、ゼルッルルアァ……」

「お疲れさん、もう良いぞアクアファイター」

「ゼルル、ロォォ……」

「フローゼル戦闘不能!!ゴウカザルの勝利!!」

「おっしゃぁ!!」

 

やっぱりこうなったかぁ……タイプ相性だけを見たら此方の有利ではあるのだが、生憎フローゼルは自分より速い相手に弱い、唯のマッハパンチのラッシュで落ちなかっただけ褒めてやるべきだろう……こう思うとサトシのブイゼルの異常性が本当に浮き彫りになる。

 

「さあラビ、次でお前もラストだぞ」

「ハイハイソウデスネー」

「ホント冷めてる奴だ……」

 

余計なお世話だ、さてラストは誰にするか……やっぱりダイケンキか?と思って視線を向けるダイケンキはヒノアラシとミジュマルを身体に乗せながら此方を観戦という名の子供の面倒見中、バクフーンが代わりますよ、と近づくがダイケンキは俺より適任がいるぞ呟いた。すると突然目の前に影が現れた、ダークライを思うが影の色が薄いので違うので上を見てみると―――空からルカリオが降って来た。

 

「クオン!!」

「お前、ダメだお前まだ傷が―――」

「クオオオオオオッ……ゥゥゥラアアンッ!!!」

 

ビルドアップ気味にポーズを取ってみせると包帯が爆ぜて隠されていた肉体があらわとなった。そこにはあった筈の傷が全くない健康体の身体があった。しかも演武としてインファイトを披露して身体のキレも問題ない!!とアピールしてきた。

 

「(こいつ、絶対安静を予定より早く完治させやがった……)どうなってんだよお前……」

「ルルオオン」

「何やってんのアンタ?」

 

懐をまさぐると何やら出して来たルカリオ、出して来たのは煎餅だった。確かマリナードタウンで売られているカルシウムが豊富に含まれている煎餅の筈……いやお前の怪我は骨折ではなかった筈なのだが……カルシウムにそういう効果ってあったっけ?

 

「取り敢えず、お前が出るって言いたい訳?」

「クオン」

「んじゃ君に決めた」

「クオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンンヌヌ!!!!」

 

いよっしゃあああああああ!!!!と言わんばかりに歓喜する三馬鹿の一柱。バトルが出来るぞぉぉぉ!!!と喚いているのだが、実際はオーバとの再びのバトルに歓喜している。かつてバトルした時もミミロップの戦術にキレ散れかした後に倒されてしまったのを不甲斐無く思っているので、その汚名返上の機会が来たと解釈している模様。

 

「ルカリオ……はん、昔のリベンジってか?」

「なんかやる気出しちゃってるし、ダイケンキは子育て中だからな。夫婦の共同作業を邪魔する野暮天になっちまったらバクフーンに呪い殺されるわ」

「お前のポケモンだったら平然とやりそうだから怖いな」

 

やりませんよ私を何だと思ってるんですかぁ!!?と抗議の声を上げているバクフーンをダイケンキが抱きしめて宥める。尚やれるかと言われたらやれてしまうバクフーンであった。

 

「さてと―――最初っから全開で行こうか」

「ルオオオン!!!」

 

メガリングを装着するラビ、相手はオーバのゴウカザル、相性だけでいったら此方が最悪の状況。ならばこれをはじめから切る以外の選択肢何て存在しない訳だ。

 

「さあ来るぜゴウカザル、覚悟を決めろよ!!」

「ゴウゥ!!」

 

応よ!!とやる気満々のゴウカザルにそれはこっちの台詞なんだよな……と言いたくなる。炎格闘のゴウカザルにルカリオで挑もうなんて普通に考えたら愚の骨頂だ。だけどまあルカリオの立っての希望な訳だし……叶えてやる以外の選択肢なんてない。

 

「あらゆる波動を凌駕する力を今此処に、超克せよメガシンカ!!」

 

キーストーンとメガストーンが共鳴し、新たな進化の次元を開くメガシンカが発動する。見知った筈の光景だが―――それを訝しげに見つめていた者がいた。カルネである。

 

「何かしら、違うわ」

「違う、のです?」

「なんて言えばいいのかしら、これ……」

「確かに、全然違う!!これはメガルカリオの波動じゃない!!!」

 

カルネの呟きに続くようにサトシも声を上げた。サトシはルカリオと同じ波動を宿している為にそれを敏感に感じ取ったのだろう。その波動が告げている、これは自分の知っているメガルカリオの物なんではないと。

 

「―――……ルウウウウオオオオオオオオオオオンッ!!!」

「えっ?」「ハッ?」

 

思わずラビとオーバの困惑の声が響いた。メガシンカの繭が破れ、そこから姿を見せたのは―――メガルカリオではなかった。メガルカリオが基本的にルカリオの色を受け継いでいるが、今のルカリオは灰色と青緑を基調にツインテール状の房、縮れた毛など全く異なる姿をしている。波動の力が限界にまで高まっている為に好戦的になっているメガルカリオとも異なり、穏やかな瞳に何処か色気も思わせる妖しい雰囲気を纏っている。

 

「お、お前なんだそのルカリオ!?シロナのガブリアスみたいな隠し玉か!!?」

「わしゃ知らんぞこんなの!!?」

 

冗談抜きで知らんのだからしょうがない、本当に何なんだと思っていたらルカリオは何処か優雅さも感じさせる動きでラビの前に跪いて頭を下げ、騎士の忠誠の儀のようなポーズを取る。

 

「お前、ルカリオどうしてそんな姿に……」

「ルゥゥウオオンッ……」

 

波動を使ったテレパシーに近い会話を用いてルカリオは直接意思を伝えて来るが、自分でも分からないと答えながらもカルネとのバトルを経てメガストーンの色が変わっていたような気はしていたとの事、いやそれはもっと早く言わんかい……と思わなくもないが、そうなるとこれはあのガブリアスと同じく新しいメガシンカの可能性なのだろうか……。

 

「やれるか?」

「ルオン」

「よし、んじゃお前のやりたいようにやらせる」

 

ルカリオがそう思うならそれを尊重する、それがトレーナーだとラビが認めるとルカリオは少々涙を流しながらも更に深く頭を下げると軽くラビに抱き着いた。

 

「お、おいおいなんだ如何した。ちょっとセンチメンタルにでもなったか?」

「ル、ルオオンッ……」

 

ハッとしながらもルカリオは即座に離れたが、自分でもどうして抱き着いたのか分からないと首を傾げつつもテレパシーで謝って来た。通常のメガルカリオは波動の制御に全神経を集中しているというが、この姿だとそういう事をせずに扱えるという事なのだろうか……その結果、感情に波が起きるのか?と思いながらもルカリオはバトルフィールドに改めて入る。

 

「さあ兎も角ある種のデビュー戦だ、飛ばしていくぞ!!」

「ルオン!!」

 

「ちょっとビビったが兎に角やるぜ相棒!!」

「ゴウゥッ!!」

 

 

To Be Continued……!!




「……グギュグゥ……」「パルルルラァァ……」「ビシャァァァ……」
『そんな目で見なくてもいいではないか……私なりの謝罪の気持ちだぞ』
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