週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:オーバ VS ラビ 6th

「さて、こいつはどういうバトルをするのかな」

 

オーバの頭の中にあるルカリオは波動の烈士、演武を邪魔すれば激昂し、そうでなくてもテンションが上がり続ければ何れ激昂するというとんでもない問題児。だがそれに見合うだけの戦闘力と異常なまでの波動を有している。そして文字通りの狂戦士化するのがラビのメガルカリオ……なのだが、今のメガルカリオからはそんな雰囲気が感じられない。寧ろ凶暴性の対極に位置すると言っても過言ではない程に穏やかな空気を纏っている。

 

「ルゥゥゥッ……」

 

此方を静かに見つめ続けているのも普段ならば有り得ない、何時でも突撃可能なように体勢を作るか波動を練っている筈が、片足立ちをしながらも此方を観察するような動きをしている。と、言っても相手も相手で未体験のメガシンカ、今までXに進化させていたリザードンを突然Yにメガシンカさせるようなものだ。

 

「マッハパンチだ!!」

 

手始めの一撃は―――素で早業をも取り込んだようなスピード、神速の速度で打ちこまれるマッハパンチ。マッハの名に恥じぬように打ち込むたびにソニックブームを巻き起こして凄まじい音を巻き起こす拳、それを打ち込むのだが―――ルカリオに確かに撃ち込んだそれは自ら方向を変えて、逸れてしまった。

 

「なにっいや連続で行け!!」

 

此処で思考停止する事こそがルカリオに時間を与える事になると連続でマッハパンチを放たせる、インファイト染みた連続のパンチの嵐にルカリオは直撃しそうになる部位をそっと引く、拳、肘で受け流す、それらを一歩一歩静かに引きながらもこなしていく。傍からすれば未来でも見えているかのような動きの鋭さにルカリオを持つトレーナーのシロナも舌を巻いた。

 

「成程、回転しながら波動を放射!!」

「ルゥウウウオンッ……!!!」

 

舞うような動きから波動を放出、振るわれた腕と共に爆風のような波動が舞いゴウカザルは後方へと弾き飛ばされてしまうが、空中で回転する事で制動を掛けて地面へと着地する。

 

「波動の強さはメガルカリオらしいものだが……なんだこの全く別の印象は……!?」

 

 

 

「……成程、確かにこりゃ異質だな」

 

短いやり取りでラビは僅かにだが今のメガルカリオの波動の本質を掴んだ気がする。今までのメガルカリオのそれが全てを破壊に集中させる剛の波動だったとすれば、今の波動は柔の波動。余すことなく全身に波動を纏う事で俊敏性や柔軟性などを向上させ、相手の拳が身体に触れる前に波動に触れるので、そこから逆算して相手が何処に攻撃を打ち込もうとするかを理解して行動する事が出来る。

 

「だったらこれで如何だぁ!!!素早く―――マッハパンチ!!力強く―――インファイトぉ!!!

ゴウゥウウウウウウキャアアアアア!!!

「来るぞルカリオ!!」

「ルウオオンッ♪」

 

任せて♪と温和で優し気な声を出すルカリオにラビは調子を崩される、というかなんでそんなに声も高くなって中性的な感じになってんだ、あのバトルバカで超絶短気なルカリオは何処に行ったんだよと言いたくなる。なんだトレーナーに引かれたって言いたいのか喧嘩売ってんのかこの野郎。と喉元まで出掛かったが、迫ってくる神速の拳をルカリオはその手に波動弾を生成すると、それを加工するようにナックルガードへと形を変えるとゴウカザルの猛攻に合わせて拳を放ち、全てを受け止めきってみせる。

 

「ゴゥゥゥゥッ!!!!」

「ルウウウオオンッ……ルウオオオッ!!!」

 

だったらもっと速度を上げてやらぁ!!とインファイトそのものをマッハパンチの速度で放ち始めるゴウカザル。波動弾の防御にも綻びが出始めて来た時、ルカリオはそっと攻撃をいなしてワザとゴウカザルを懐へと誘い込んだ、その際にゴウカザルはそれを利用して更に深く踏み込んで渾身の一撃を放とうと放とうとした時にそれを見た。

 

「ルゥゥゥ……ルウウウッ!!!」

 

瞬間、ルカリオの片腕が鞭のように歪んで撓んだように見えた。そしてそれは一瞬で見えなくなったと思ったら自らの腹を捉えていた。奇しくも、それはこれまで散々ゴウカザルが放っていたマッハパンチと同じく音速の壁を超えた速度の一撃であった。

 

「ゴゥゥゥッ……ゴッゥゥウッキャアアガアアア……!!?」

「ッッ―――この音はっ……!!」

 

通常のマッハパンチに早業を組み込んだ速度に到達した時に出せた音と同じもの……今のメガルカリオはスピードの面でゴウカザルの上を行くと言わんばかりの一撃だった。腹部を抑えながらも後方へと飛び退いたゴウカザルは荒い息を吐き切ってまだまだ行けるぜ相棒と笑いかけて来る。その笑顔に頼もしさを感じるが……同時にあのルカリオの本質も見えてきた。

 

「……スピードの著しい強化、この波動の感覚……まさかと思っちまうが随分とピーキーな強化だな……」

 

メガルカリオのパワーを全身で感じてその種族値を割り出すラビ、と言ってもその精度は目安でしかないのだが……自身の最強のメガシンカポケモンのルカリオの波動ならば浴び慣れているので、計算自体は出来る……が、これはスピードと攻撃、如何に全振りしている感覚がする。物理的な攻撃力は上昇していない、寧ろ下がっているとすら思えるほどの波動の強さ。

 

「ルカリオ、まだ上げられるか」

「ルオン♪」

「可愛い声上げるなよ」

 

通常のメガルカリオが波動に出力を極大化したならば、この姿は波動を限界にまで制御する事を可能にしたというべきだろうか……。

 

「ルカリオ、こっからは攻めるぞ」

「ルオッ」

「よしいい子だ、なんかリオルに戻ったみたいだな」

「ルォォォンッ……」

 

恥ずかしいからやめてよ、言いたげなルカリオだが即座にハッ何言ってんだ!?と反応する。新しいメガシンカに馴れていないのかどうにも性格が変化しているように感じられる。バトル後に色々と調べてみる必要があるな。

 

「まあ兎も角、波動弾!!」

「ルオオオオオッ……ルオッ!!!」

 

「火炎放射ぁ!!」

「ギイイイキャアアアアア!!!」

 

To Be Continued……!!

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