「絶対に手を緩めるな!!」
「ゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウゴウッ!!」
マッハパンチに炎のパンチを乗せたオーバ曰く焔のパンチで迫りくる攻撃を迎撃するゴウカザル。メガルカリオは真空波を放ってゴウカザルへと攻撃をしているのだが……極限にまで波動の制御を身に着けた現在のメガルカリオは真空波に波動を乗せて撃ち放つ事で威力を飛躍的に向上させているのか、ゴウカザルは焔のパンチのラッシュを研ぎらせる事が一切できないという状況に陥っていた。
「なんつう威力だ……!!」
真空波を波動と共に打ち出す、ルカリオならばそれはやっても可笑しくない。寧ろ全てを波動で代用したとしても可笑しくはないのだが……このメガルカリオは特攻の上昇率が凄いことになっているのか、真空波が通常時の波動弾に匹敵するような破壊力になっている。
「ゴゥゥウキャッ……キィィィァァァ……!!!」
「ゴウカザル、大丈夫か!!?」
「……キイイアアアアッ!!!」
遂にその均衡が崩れた、ラッシュは無酸素運動、幾らオーバのゴウカザルと言えど無限にラッシュを続けられるという訳ではない。呼吸をしようとした時に手が止まり、そこへ攻撃が叩き込まれ、直後に後詰めの真空波がなだれ込んで来た。それでもゴウカザルはまだまだやれると言わんばかりだ。流石はピカ様のボルテッカーやら10万ボルトを何発も受けても平然としていたゴウカザル。
「素早く―――悪巧み!!力強く―――真空波!!」
「ルウゥゥゥゥ……ルンッ!!ルルルラァァ!!!」
「なろがぁやられっぱなしでいると思うな!!!素早く―――剣の舞!!力強く―――インファイト!!正面突破ぁぁ!!!」
「キイイイキャアアアアア!!!!」
再び連打される波動真空波の嵐、悪巧みも加わって威力は更に倍増する。それに対してゴウカザルは唯のインファイトではなく、片手に炎、片手に雷を纏わせてインファイトを行っている。
「サラッとやるけど、技に他の技を混ぜるなんて超高等テクよ?しかも一つならまだしも二つって……」
「そ、そんなに凄いのです?」
「片手で文字を描きながら片手でお絵描きして、更に頭で算数の問題を解いてるような物っていったら分かるかしら?」
「と、とんでもないのです……!!?」
ゴウカザルの所業に若干引いているカルネとその凄さを聞いて言葉を失うアンシャ、実際インファイトに二種類の技を混ぜているのはその位可笑しいのである。
「それじゃあバージョン2だ。波動の出力を上げて……素早く―――波動弾!!力強く―――サイコキネシス!!」
「ルゥウウウオオオオラァァ!!!」
波動を高められて放たれたそれは最早波動弾というよりも波動砲と言いたくなるようなビーム状のそれだった。そしてそこにサイコキネシスが加えられると……途中で波動弾は無数の枝分かれを起こして全方位からゴウカザルを飲み込もうと迫って来た。
「キイイキャアアアァァ!!!」
「おおおっ!!?おま、今回は何だお前ら俺が知らねぇ事ばっかりやるな!?」
驚いて当然、ゴウカザルはブレイズキックの応用だと言わんばかりに脚に炎を纏わせるとそれを合わせてボードのようにすると、波動弾の上を滑って回避し始めた。うねりを上げる波動弾の上で、プロサーファー顔負けのボード捌きを見せつけながらも遂に懐に飛び込んだゴウカザルはその拳に獄炎を纏わせた。
「叩き込め!!!素早く―――焔のパンチぃ!!!」
「キイイイキャアアアアアアアアアア!!!!」
それを回避する事も許さぬ神速の一撃、確かにルカリオの身体を捉えながらも吹き飛ばす。これは効果抜群だと確信が持てた、吹き飛ばされたルカリオはそのまま―――まるで重力を無視するかのようにカーブを描きながら地面をなぞりながらも浮き上がり、静かに着地する。そして片手でもっと打って来い、と示して来る。
「にゃろめぇ……だったらやってやろうじゃねぇかこの野郎!!素早く―――剣の舞!!力強く―――フレアドライブ!!!」
「ウゥゥゥゥウウウウウウッギッギャァアアアアアア!!!!」
此処で切り札とも言っても過言ではない大技を切って来た、蒼炎に身を包んで突撃するフレアドライブ、それに対してルカリオは面白いと言いたげに受けて立つと構えを取る、ゴウカザルは更に熱を滾らせながらも吶喊する。そして激突すると思った瞬間―――
「ギヤアアア!!!……キャキャアアッ!!?」
「おまっんなのありか!!?」
ルカリオは波動を放出しながら飛び上がり、空中に留まってみせた。それによってゴウカザルのフレアドライブを完全に躱して頭上を取る、ラビもまあ自分でもそうするか……と思いながらも、テレパシーで自分の心を読んだのだと理解した。タワータイクーンのリラ的な戦術が出来ると思うとこれは楽でいい。
「ルゥゥゥゥゥゥゥウウウウッ……!!!」
そして、ゴウカザルの頭上で手を合わせるとそこに波動を収束させていく。同時にメガシンカエネルギーも注ぎ込む事で威力と技の発生に大幅な補正を掛ける。そしてそれらを業で更に纏め上げていく……波動弾は青白い輝きへと変貌していき、唯の波動弾とは言えない。波動の嵐とも違うそれは―――
「ルウウウラアアアアアア!!!」
甲高い音を纏いながらも発射された、ゴウカザルはそれを見ながらも笑った。そして再びフレアドライブを発動させて突撃した。助走距離もチャージも十分ではない、だからこれは唯の意地っ張りでしかない。フレアドライブの炎を平然と貫通しながらも身体へと当たる波動に身を焼かれながらもゴウカザルは笑う。
―――次は俺が勝つ。そんな決意を固めながらもその一撃を受けてフィールドへと大の字に倒れ込んだ。相棒への申し訳なさもあるが……今度は俺の意地に付き合って貰う、あのルカリオに勝つ為に色々と付き合って貰おう。
「ゴウカザル、戦闘不能!!ルカリオの勝利!!よって勝者ラビ君!!」
「どうだオーバ、満足か」
「……フゥッ燃え尽きたぜ」
「何賢者モード入ってんの」
「誤解を招く言い方すんじゃねぇテメェ!!!」