「お前、何があったん?」
「クオオオオンヌ……」
「分からねぇか……分かるのは、メガストーンが明らかな変質を起こしてるって事位か……」
オーバとのバトル後、回復マシンにオーダイルとフローゼルをセットした後にルカリオに簡易的な健康チェックを行ったが異常はない、バトルによるダメージと疲労がある程度。分かるのはメガストーンが明確に変化しているという事位。
「聞いた事もないぞ……メガストーンが変化するなんて……」
カロス地方でメガシンカ親父とも言われるコルニの祖父にして師匠のコンコンブル。彼曰く、世界で初めてメガシンカを行ったのはメガルカリオだという。そしてコンコンブルも相棒としてメガシンカを可能とするルカリオと共にメガシンカを極めるべく修行を続けている。そんな彼に聞いた事がある。
『メガリザードンのメガストーンは元々一種類とかだったりしたんですかね、そこから使うリザードンによって変質して変化するとか』
『面白い考えだな、メガストーンが最初は一種類……ふむ、仮説の域を出ないが実にユニークな発想だ、つまり君はメガストーンを使い続けると変化を起こすか否かを問いたいと?』
『まあ新しいメガシンカはそういう風に生まれたら面白いなぁ程度には……』
『少なくとも、私のルカリオは長年メガストーンを装着し続けているが、変化した事は一度もないな……あると仮定したとしても可能性としては低いしか言いようがないな』
「……って言われたしな……」
メガリザX、メガリザYのように別のメガシンカ形態が生まれたらカッコいいなぁ……程度には思っていた。本当に軽く思っていた……強いて言えばカイリキーがメガシンカしたら阿修羅みたいになるのかな……本当にその位しか考えていなかった事だが、それに近いことが起きてしまった……。
「しっかしこのメガストーン……なんだろうな、触れてて妙な感覚がする……何処でこの感覚を感じた?」
「クルルル?」
奇妙な違和感というよりも感覚がある、しかも何やら感じた事のある感覚。だが言語化が出来ない、そんな事を思いながら首を傾げていると隣にサザレが座る。
「お疲れ様ラビ、如何だったオーバさんとのバトル?」
「ルカリオの変化がそれ以上に気になる、オーバとかどうでもいい」
「泣くよ?」
「知らん」
現在フィールドではカルネ対レッドというカードでバトルが行われているが、ラビ的には来客と友人がバトルしてるだけなのでそこまで興味はない。尚、カルネがアンシャからの応援パワーで大ハッスルして、ミュウツーまで引きずり出している事実からは目を背けておくものとする。
「あっ……」
「どったの?」
「いやな、なんか感じたの分かった、このメガストーン……なんかショウと会った時と似た空気を感じたんだ」
「それって……どういう事?」
「私にもわからん」
「ダメじゃん」
ショウと似た空気を感じた、だから何だと言われてしまえばその通り。ギラティナかディアルガがこのメガストーンにどう干渉するというのだろうか……これ以上は考えても無駄かと思っているとシルヴァディがメガストーンをジッと見つめ始め、何やら伏せだした。
「……ルカリオ、取り敢えずこれはあんまり使わない様にしよう」
「ク、クオンヌ」
ルカリオも何かを察したのかメガストーンを素直に自分に預ける、当人もメガシンカした際の性格的な変化にかなり戸惑っているらしく、戦闘狂のルカリオとしては珍しくメガストーンを遠ざけるような行動を取っている。シルヴァディの態度で察した、恐らく……邪神の影響だ。
「流石に干渉しすぎたか……」
「えっ何の話?」
「人のポケモンに干渉する神は邪神って話」
「またアルセウスの事悪く言う……」
だって邪神でいいじゃんと言おうとしたら、ナンジャモがとある提案をして来た。
「ね~ね~ラビ氏、一回やってみたかった事あるんだけどいい?」
「何ぞ」
「ラビ氏のポケモンっていっぱいいるじゃん?だからさ、此処の皆がラビ氏のポケモンを使ってバトル!!とかしちゃダメかな?」
「俺のポケモンでレンタルバトルをするって事か?」
「そうそう!!」
それはそれで中々に面白そうな発想だ……基本的に勝手にバトルするか、自分が指揮を執るか、自分が指揮するポケモンに挑むかの三択程度しかないのでそれは提案としては中々に良い、それなりに良いインスピレーションを得られるかもしれない。
「ガバァ」
「こういう風に俺の指示しか聞かない奴もいるから選ぶ場合は慎重にやるならまあ俺は良いよ」
「許可得られた……でいいのかな、これ」
結果的にではあるが、大半のポケモンがこれに賛同したので二次会はレンタルバトル大会に移行。と言っても中にはラビの言葉通りに指示を聞かないポケモンもいるのでそれらは除かれる事になる、主に気性難四天王などが筆頭である。
「でも、意外だね……ドラピオンとかは割と乗り気なのって」
「やっぱりトレーナーとして認められてないって証拠かなぁ……」
実際はそんな事はなく、自分がラビ以外のトレーナーの指示を聞いて動くところを敢えて見せる事で嫉妬させようとしているだけであった。尚、アブソルは意地でもラビ以外のトレーナーの所に行こうとはしなかった。
「でもよくもまあこんなに濃いポケモン達をあそこまで従わせる事が出来るわね……」
「慣れと実力です」
尚、レンタルバトルで一番勝率を稼いだのはサトシだったりした。