週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイキタカミ:キンバトル

「ラ、ラビさんはやすぎっじゃあああああ!!!?」

「この位アーマーガアにとってはまだまだですから抑えてくれてる部類です、それでオーガポンの住処というのは?」

「こ、この辺りぃぃぃぃ!!?」

 

空を飛ぶアーマーガアの背中の上に必死にラビにしがみ付いて落ちないように努力するスグリとなれているのか平然としているラビ、なんだかんだでラビもスーパーイッシュ人になりつつあるのかなぁ……と内心と少しだけ思ってたりしている。そんな事を思っていると真下の山肌にともっこの姿を見つけた。

 

「あそこだ!!スグリさん確り掴まっていてください!!」

「とっくに対ショックゥ!!!?」

「アーマーガア、突撃ぃぃぃっ!!!」

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「わやじゃあああああああああああ!!!!???」

 

目標を定めると一気に翼を折り畳むようにしてまるで投擲された槍のように一直線へと急降下していくアーマーガアにスグリは自分も出せるなんて知らなかったと思う位には大声で叫んでいた。

 

「ガアアアアアアアアアアア!!!!」

「マシャ⁉」「ヌンダッ⁉」「キチチッ!!?キッチィィィッ!!?」

 

アーマーガアの奇声というべきか、雄叫びのような威嚇が届いたのかともっこ達は困惑するかのように周囲を見回していた。そして空から来ている事に気づいたかキチキギスが他二匹へと警告を飛ばした。空から一直線へと向かってくる巨大な燻銀のアーマーガアに驚愕して慌てて回避行動を取ったが、アーマーガアが急制動を掛けながらも旋回、そしてその旋回に合わせてラビは飛び降りて三匹が囲んで攻撃をしていたオーガポンを庇うかのように着地した。

 

「が、がおっ……?」

 

三匹から包囲、攻撃を受け続けていたオーガポンの身体は多くの傷がついているだけではない。身体には毒が付着している、オーガポンは草タイプ、弱点技を喰らい続けていたという良い証拠だ。強かなやり口だ……。

 

「先程はどうも私の友人がお世話になりましたねともっこの御三方、そして今は新しい友人に酷い事をしていたようで……生憎私は友達を傷つけられて平然と出来る程、人間が出来ていないので―――暴力には相応しい振舞でお相手させて貰いますよ!!」

「わ、わやじゃぁぁ……お、鬼様に酷い事は、させないぃぃぃ……」

 

としがみついていたスグリが限界を迎えたのか地面に落ちそうになったのでオーガポンの隣に下ろしてあげる。オーガポンはスグリの様子を見て心配そうな声を上げるが、ラビが頭を撫でた。

 

「ぽ、ぽにっ!!?ぽにぽににぽに!!」」

 

困惑と心配な声、当然だ。オーガポンの身体にはまだ毒が付いているまま、毒に侵される危険がある、それなのにラビは笑顔を崩さない。

 

「大丈夫です、私達が来ましたから。スグリさん、彼女の身体についている毒をこの水とタオルで拭いてあげてください」

「はっはい……!!ラ、ラビさん手ぇ大丈夫!?」

「大丈夫ですよ」

 

毒には触れないようにした、モモワロウの影響を考えればオーガポンには触れないのが一番だが、今はこうしてあげるのが彼女の心を支えるには一番の行動だと思った。

 

「い、今さ毒洗い流すからねっ!?み、水、掛けるべ……?」

「ぽに……」

 

オーガポンはスグリの行為を恐れることなく受け取った、スグリが自分を恐れていない事が分かるし寧ろ自分を心配してくれている優しい気持ちが沢山伝わってくる。

 

「ヌンンダフルゥ!!!」

「貴方が相手ですか」

 

背中の二人を守る為にラビがボールを取ると向かって来たのはイイネイヌ、マシマシラが出ようとしたのを止めて前に出てきた。自分でないとダメだと言いたげな行動だ。お前が来るならば自分は―――こいつだ。

 

「見せ付けろウーラオス!!!」

 

飛びだしたのは白と黒の鎧を着込み、長い鉢巻を巻いているように見える熊のポケモン。両腕を絶えず動かして備えているかのようにも見える、拳法ポケモンのウーラオス、連撃の型。

 

「ベェエエエアクルゥゥゥァアアア!!!」

 

周囲が震える程の叫び声を上げながら登場したウーラオス、その迫力にイイネイヌも圧されたが直後の行動にイイネイヌは混乱している様子だった。

 

「ベアアアアア!!!クゥゥゥゥゥ……ァァァアアアアア!!!ベアアアウゥアアア!!」

 

両腕で渦巻を模ったような動きを作りながらそのまま胸の前で合掌、地面へと深く身を沈めるようにしながら腕を前へと突き出した。それらが終わると更に巨大な声を出して瞳を爛々と輝かせた。もう何がしたいのか理解できないイイネイヌは両腕に毒を滴らせながら突撃して来た。

 

「アクロバット!!」

「クゥゥアアアアア!!」

 

迫ってきたイイネイヌ、それへと自らも迫りながらも激突する一歩前で身を屈めて毒突きを回避しながらもその場で後方へと飛び退いた、膝でイイネイヌの顎を正確に打ち据えながら。

 

「ヌンダァァッ……!!?フラァァァァ!!!」

「ドレインパンチか、受け流して水流連打!!」

「ベアアアアアアクゥア!!」

 

イイネイヌの一撃をその場で渦潮のような腕の動きで受け流しつつもイイネイヌを懐へと誘い込むとそのまま爪で抉る様な一撃を入れながら回し蹴り、そしてパンチの連打を浴びせかけた後に渾身の蹴りをイイネイヌへと炸裂させた。

 

「ンダフルゥゥゥゥ……!?」

 

イイネイヌはウーラオスの強さに驚愕しているかのように此方を見ている、マシマシラとキチキギスも同様。だが直後にマシマシラとキチキギスがクリアスモッグと毒ガスを展開し始めた。

 

「アーマーガア!!!」

「ガアアアアア!!!」

 

毒を吸い込むよりも早くアーマーガアが強く羽ばたいて毒を吹き飛ばす、がその際の強風を使ってキチキギスがイイネイヌを掴み、それにマシマシラが捕まる形でともっこ達が逃げて行った。状況的に厳しいと察して、相手の力を使って逃げに転じてみせた、なんと鮮やかな逃げ方だろうか……

 

「ベエアアアアアア!!?アアアアアアアアア!!!」

「ガアアア!!?ガアアアアアアアアアア!!!!」

「相変わらずうるさい……」

 

アーマーガアは折角戦えると思っていたのに相手が逃げた事にキレている、ウーラオスは決着がついても居ないのに相手が逃走した事にキレている。二匹をボールに戻そうとするが、ウーラオスは待ったと言わんばかりに制止して来た。先程と同じ流れを再び行うと今度はいいよ、とボールへと戻っていった。

 

「全く……お二人共大丈夫でした?」

「だ、大丈夫……で、でもラビさん今のポケモンって……?」

「ああ……ウーラオスというポケモンさんです、実力は折り紙付きなんですけど……兎に角気性が荒い上に独自の美学があるんですよ。同時期にリオルと一緒だったせいかなぁ……」

 

ラビのウーラオスは進化前のダクマからして酷い暴れん坊で気性が荒かった。その為にラビはライバルとしてリオルを当てがって競争心を芽生える事で修行させたのだが……当時のリオルはオノノクスに憧れていた事もあって騎士の真似事をしていた、それが悪影響を与えたのかダクマもそれっぽい事をしはじめた。最初は微笑ましいなぁと師匠と言っていたが現在ではルカリオ同様、バトル前の儀式としてやらないとモチベーションが上がらないし邪魔されたら激昂するようになってしまった。

 

「わやじゃぁ……ラビさんのポケモンにもそう言うの、いるんだね」

「寧ろそう言うの方が多いですよ……まあ兎に角、オーガポンさん大丈夫ですか?」

「ぽ、ぽに」

 

オーガポンは改めてラビとスグリに頭を下げつつも笑顔でお礼を言ってきた。

 

「大丈夫ですよ、一先ずはモモンの実をどうぞ。まだ毒が残ってるかもしれませんし念のために」

「ぽに!!……ぽに!!」

「えっお、俺にも?」

「おやこれは有難う御座います」

 

オーガポンは貰ったモモンの実を三つに分けてスグリとラビにも渡してきた。毒対策なのかもしれないし、ラビが林檎飴をくれた時の真似かも知れないが……その時のオーガポンは可愛かったと二人は素直に思ったのであった。




ウーラオスが連撃な理由。一撃の型は情け容赦のない戦いを好むが、連撃は沈着冷静な戦い方をするので気性も良くなるのでは……という期待があったから。尚、意味はなく、的確に相手の急所を狙うようなスタイルになった。
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