一先ず、オモダカへの根回しはしておいた。向こう側としてもそういう事は既に想定しているらしいので既に対応策を取っていると言われて素直に有り難かった。
『PWCSチャンピオンに雑な対応などしたら世間から大バッシングを喰らう上に、他の地方に行きますなんて言われた日にはパルデアの評判はがた落ちですからね。こういう時ばっかりは行政も極めて協力的なのが正直呆れてしまいますけどね』
これだからお役所仕事は……と一緒になって溜息を吐いてしまった。ついでにオレンジアカデミーのバトル部に顔を出して来たのだが……流石にブルーベリー学園と比べると規模はまだまだな印象が拭えない、まあブルーベリー学園に比べて放任的ではないのでこれぐらいが普通にちょうどいいと思えるレベルだったのではあるが……。
「というか、あいつらブルーベリー学園に戻らなくていいのかな……」
ごく普通のように馴染んでいたのは良いのだが、一応交換留学生という体裁は取っていた筈だが……向こうに留学した生徒は大丈夫なのだろうか、主に栄養バランス的な意味合いで……
「という訳で、改めて現状のミアレシティの事を調べてみたが……」
MSBCつながりでミアレシティの事が気になったので調べてみたが……ワイルドゾーンは現在の所三か所に設けられているとの事。公園だったりとポケモンが生息しやすい部分が多いと思ったら、見事に住宅地にも発生していて、これミアレ市民大丈夫かと本気で心配になって来た。
「早急に原因究明しねぇと本格的にミアレシティを放棄しないといけなくなるぞこれ……外来種が在来種を追いやってるような状態だぞ」
以前オーバから簡単に話を聞いていたが、此処までの事だとは思わなかった。ワイルドゾーン設置時はそこまでの反対意見が出なかった、仕事の都合やらで街の外に出る時間が作れなかったからという声もあり好意的な意見が多かったのも驚きだ。サファリゾーンか何かと勘違いしてるのか……?
「ラビさんはワイルドゾーンの事、どう思うのです?」
「短期的な隔離策としてはあり、一応住宅地の所は確りとした保証とかその辺りもしてる」
ワイルドゾーンを推し進めているのはミアレの再開発事業を手掛けているクェーサー社、ポケモンと人の共存を掲げ、相互理解と新たなライフスタイルとしてのワイルドゾーンの設置に踏み切っているが……原因の究明についてはそこまで分かっていないとの事。
「だけどワイルドゾーンが拡張傾向にあるのはマズい……せめて原因が分かればな……」
分かればいいのだが、生憎このミアレシティの事に関しては見当がつかない。自分が未プレイの作品の事件なら分からない上にこの世界ではアニポケの事件も絡んできているので冗談抜きで何が原因になっても可笑しくはない。
「確かに、これはカルネさんの心配も分かるな……」
こんな状況のミアレに可愛い盛りの娘を置いていくのは不安が募ってしまうのも当然の事。自分の娘を預けていた場所がワイルドゾーンになりましたなんて言われたら母親からしたら卒倒物だろう……だからと言って自分に預けるのは良いのかとも思わなくはないが、そこは信頼して貰えているという解釈にしておこう。
「こんなミアレに行く人なんて……いや観光客自体は増加傾向なのか……」
ミアレの行政はこのワイルドゾーンを上手い事利用して観光客を増やしているとの事、逞しい事ではあるのだが……安全性とかばかりに気が行ってしまうのは心配し過ぎだろうか。
「アランに話を振って現地調査とか依頼してみるか……?ああいや、フレア団の事を踏まえるとやめた方が良いのかな……」
アニポケでもあれだったのだから、アランは色んな意味で辛い可能性がある。その辺りも確りと考えなければ……。
「アンシャちゃんはミアレシティに行ってみたいか?」
「う~ん……お母様がやめておいた方が良いって言ってたです。だから良いって言われてから行くのです」
「そっか~」
母の言う事をしっかり守るいい子だなぁ……と思いつつ頭を撫でているとインターホンが鳴らされた。出迎えをしようと思ったのだが、アンシャが見て来るのです~と先にパタパタと駆け出して行った。
「コンコンブルさんに話を聞いてみて欲しいから行ってみたくはあるが……カロスに行きたくはないなぁ……如何するか」
「ラビさ~ん、サトシさん達なのです~」
「えっもう帰って来たの?」
キタカミの里に言ってたんじゃなかったっけ?と思いながらも迎賓館から此方へと招くのだが、そこにはサトシだけではなくコルニの姿もあった。
「あれ、タケシさんとかは?」
「タケシはポケモンドクターの仕事、カスミはハナダジムでのショーを入れられたとかで文句を言いに、デントはお店の方に、アイリスは竜の里に用事があって、キバナさんはシンプルにそろそろ戻らないとマズいとかで」
「私はシンプルに会いたかったので付いてきました!!」
「あ~成程……っていうかシンプルな疑問、なんで家に来るんですか」
そんなこんな言いつつももてなすラビもラビであるが……お茶をだしながらもキタカミの里でのあれこれを尋ねてみる事にした。
「ンで如何でした、プラズマ団とギンガ団の残党と出くわしたらしいですけど」
「ええ、全員確保してアジトから他のアジトのデータも手に入れたので近々ワタルさんが指揮を取って一斉摘発に動くとか」
「これで少しは平和になればいいですけどね……ンで何かゲットしました?」
「へへ、まあ色々と」
こりゃ本当に色々ゲットしたな?と察しながらもラビはサトシの旅の話を聞いているとコルニが何やら背筋を伸ばして此方を見ている事に気づいた。
「あ、あのラビさん、ラビさんってメガルカリオを持ってますよね?」
「ああまあ、うちの三馬鹿の一人としてルカリオいますけど」
「そのメガルカリオと是非バトルさせて貰えませんか!!?」
「……あ~……」
こりゃまた、面倒な事になりそうだ……いや、カロス地方でメガシンカに深く関わる人間に変異したメガストーンについての意見を求められると思うと悪くないか……?と思いながらラビはそのバトルの申し出を受け入れるのであった。