週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイZA:いらっしゃいホテルZ。

「さて、お客様……此方がホテルZで御座います。当ホテルの自慢は喧噪だらけのミアレシティとしては極めて静かで落ち着けるところで御座います」

 

ベール大通りから路地裏を入った突き当たりという立地に立っている外見がツタに覆われたボロ屋といった雰囲気を纏っている建物がホテルZ、見るからに流行っていないという感じの雰囲気だが……そういう所を望んでいる所がある。

 

「つっても静かなのはお客がいないからなんだけどな……」

「秘密基地みたいカッコいいのです!!隠れ家なのです!!」

「前向きなご意見有難う御座います、ホテルとしては隠れてるのは良いのか悪いのか、考えもんだなぁ……まあ兎も角入ってくれ、いきなりな事で疲れてるだろうし」

「ああ」

 

兎も角ガイの案内の下でホテルZへと入っていく、外見こそ悪いが、内装は悪くはない。寧ろレトロでシックな雰囲気が中々にいい空気を生み出している。そんなホテルのカウンターには一人の少女が何やら作業をしつつもその後ろでは―――腰を曲げているのにも拘らず異様な背丈の男が、杖を突きながらも立っていた。それを見てラビは思わず吹き出しそうになった。

 

「わっおっきいのです!!」

「お客かな?」

「えっお客っ!?」

 

老人……と言っても差し支えない程に低くありながらも響くような声で此方を見据える男の言葉に少女は跳びはねるように此方を見てきた。それを見てガイは何やらドヤ顔をする。

 

「どうだよ俺だって客引き位出来るんだぜ?」

「いや侮ってた……ガイに客引きなんて絶対できないと思ってたのに……」

「お前、兄貴に対してその言い方は何なんだよ……」

 

溜息交じりにガイは振り返りながらも自分達に向けて紹介をし始めた。

 

「えっとこっちはこのホテルのオーナーのAZさんだ、俺達の雇い主だな。ンで、こっちの煩いのがタウニー、一応俺の妹」

「妹って言ったって7分違いな癖に……」

「それでも俺が兄貴な事に違いはない」

 

軽く言い合いをしている中でAZは僅かに鋭い瞳を作った、その先にいるのはレイブン……その影と彼自身が纏っている何かを見て、理解したように首を縦に振った。

 

「そうか、ようこそホテルZへ。今ご紹介に預かった当ホテルのオーナーのAZだ、君達を歓迎しよう。寛いでいってくれたまえ」

「ハイなのです!!あっ私はアン……なのです」

「レイブンだ、歳離れてるけど一応兄妹だ」

「チコ!!」

 

そんな挨拶をしているチコリータがアンシャへとすり寄っていった、その様子を見てタウニーが何処か悪戯っぽく笑いながらもガイを軽く肘で突いた。

 

「なんだなんだ、ガイよりも懐いてるんじゃないの~?」

「う、煩いな……だけど実際、チコリータはかなりアンが気に入ったみたいだな……よし決めた!!チコリータをアンのポケモンにしてあげてくれないか?」

「えっいいのです?」

「勿論!!だって初めてのバトルなのに息ピッタリだったんだろ、んじゃこれはもう運命だ!!チコリータもそれが良いだろ?」

「チコチコ!!」

 

チコリータは頭の葉っぱを揺らしてアンにすり寄る、その際に葉っぱから甘い匂いをさせているのでチコリータもそれを強く望んでいる事が分かる。

 

「ほら、チコリータのボールだ。仲良くしてやってくれな!!」

「勿論なのです!!チコリータだから、ちーちゃんなのです!!」

「チコ?チコ~!!」

 

更に嬉しそうにしながらもすり寄っていくチコリータに癒される一同だが、そんなアンにAZは静かに言った。老人の戯言だと思って聞き流しても良いと前置きをしながらも真剣な言葉にアンは確りと受け止めていた。

 

「良いかなお嬢さん、君はチコリータの親、チコリータのトレーナーとなった訳だ。ポケモンは不思議な生き物だ、それでいながらとても強い力を宿している。そんな彼らは信頼するトレーナーの為に力を発揮してくれる素晴らしい存在だ、そんなポケモンの、チコリータの事を裏切らず、お互いに助け合い、どんな人ともポケモンとも友達になろうとする優しい気持ちを持ち続けて欲しい。いつもいつでも、大切にしてあげて欲しい」

「……はいなのです、ちーちゃんはもう家族なのです」

「家族、美しい響きの言葉だ……無垢な君なら要らぬ心配だったかもしれぬな、年寄りの戯言だ忘れてくれ。さてと……改めて兄妹であるならば共の部屋が良いかな……タウニー」

「はい、それじゃあアンちゃんとレイブンさんで一緒のお部屋ね。はいこれ鍵」

 

鍵を受け取り、取り敢えず休む事にした二人。年季の入ったエレベーターを使って移動しているとAZは静かに呟いた。

 

「……久方振りに震えたな……ある意味で私の対極へと位置する者……」

「キュルルル……?」

 

AZの影から姿を見せたのは黒い花を手にしているフラエッテ、そんなフラエッテを肩に乗せながらもAZは心配する必要はないと笑う。

 

「彼は悪い人間などではない、私達にとっての天敵と言っても過言ではないが……何、問題になる事はあるまい……私達は彼らを客人としてもてなしてやればいいだけの事……ミアレは、彼を求めたのかもしれないな」

 

 

「やれやれ……初日から色々と面倒な事に巻き込まれちゃったなぁ……悪いなアンシャちゃん」

「楽しかったのです!!やっぱりバトルは見るのもいいですけど、やる物なのです!!」

「チコ!!」

「元気なこった……しかし、今のミアレについては本当に調べておかなきゃだめだな……」

 

ベッドに飛び乗りながらもアンシャは色んな意味で笑顔、現状のミアレにも問題なく適応できそうな事で何よりである。こっちはこっちでメンバーを厳選してきたが……いざという時は変更も考えて連絡をしなければいけない事を思う。

 

「取り敢えず……寝るか」「寝るのです」「チコ」

 

初日からの激動は終わりを告げ、また新しい激動へと身を投じる為に、身体を休める事にした。

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