週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイZA:ポケモン研究所所長代理モミジ。

「すっげぇ今更だけどそのメリープどうしたん?」

「おやつを落っことしたら食べに来たのです、そこで仲良くなりました」

「色違いだなぁ……」

「そうなのです!?」

「うん、間違いない」

 

改めてアンが仲間にしたポケモンを見せて貰った訳だが……ヤヤコマ、ホルビー、ピチュー、ビードル、メリープと見ていった所で今手持ちに入れているメリープとビードルを見せて貰う事にした。ビードルに関しては極一般的なビードル、ボールから出して直ぐに昼寝を始めた事以外は普通のビードル。だがメリープは明らかに通常のメリープとは思えなかった。何故ならば……身体を覆っているモコモコの毛の色が紫色だったからである。ペンキでも被って色がついてしまったのでもない限り、間違いなく色違い個体である。

 

「いきなりそんなのゲットするって……どういう運してんの?」

「褒められてるのです?」

「褒めてはいる」

「ムフ~」

 

取り敢えずドヤ顔をロトムで撮影してカルネに送信する、旅をする条件としてアンシャの旅の様子を写した写真か映像を送ってくれと言われたのでそうしている。多分、送ったらまた親馬鹿発動させるのだろうなぁ……と思いながらもポケモン研究所へと向かう、現在はプラターヌ研究所ではなく単純なポケモン研究所とされている。代理は中々に優秀だと聞くが……どういう人物なのだろうか。

 

「こういう研究所に来るのは初めてなのです」

「俺はよく来てるから新鮮味はねぇな……況して元々プラターヌ博士の所だし……」

 

そんなこんなでやって来た研究所、中では所員たちが慌ただしく動き回っているのだが、所長代理からキャンペーンを受け取ってくれと言われたので3階へと向かってみる。そこでは―――

 

あああんもうっ!!!

 

言っちゃ悪いだろうが、ヒステリックになっている女性の声が響いてきた。思わずアンも身体をビクつかせて抱き着いてきた。

 

「市長の奴都市開発に資金投じすぎ!!その半分でもいいからこっちに寄こせっての!!ワイルドゾーンの研究してんのこっちだって分かってんの!!?都市開発の方を優先した方が市民を守れる~?守れるかぁ!!?だったらその都市開発でワイルドゾーンを防止してみろってんだよバカが!!!それなのに何でワイルドゾーンの調査不足をこっちに言ってくる訳!!?そっちが資金寄こさねぇからこっちは大変な目に合ってるってのにそれを指摘したら黙って睨んで来るとか何考えてんだぁぁぁぁ!!!」

 

あ~これは苦労してますわぁ……と同情したくなってきた。アンも途中からその内容を理解したのか、怖くなくなって来たのか、行きましょうとズボンを引っ張って来た。なのでこっそりと其方を覗いてみるとパソコンに向かい、テーブルには何本もの栄養ドリンクの空瓶が転がしている青髪で個性的なメガネを掛けている女性がいた。眼の下には深い隈が刻まれており、もう何日も寝てませんっというのが分かった。そんな彼女は自分達に気づいたのか、顔を向けて来た。

 

「あら、お二人?」

「あ~……ポケモン達も入れたらお二人じゃないのです」

「ですよね~」

 

と疲れ切ってこそいるが、必死に笑顔を作って此方に向かって来た。

 

「情けない所見られちゃったわね……忘れて頂戴、なんて都合の良い事は言わないから誰にも言わないでくれると有難いわ……さてと、アタシは所長代理のモミジ、此処に来たって事はキャンペーン参加者って認識でおK?」

「そんな所だ」

「―――漸く来てくれた……キャンペーン実施してるのに全然参加者来なかったのよ……!!しかも既にポケモンを5匹以上捕まえてる……待ってたわ、待ってたのよ私は……!!!」

 

そこから吐き出されたのは所長代理として研究所を少しずつ慣れつつ切り盛りしていた所に舞い込んで来たワイルドゾーンの存在。市長からは早期の解明を要求されるが、それなのに予算は今までと変わらずに追加予算はなかなか認められず、所員だけではデータが足りずに外部のトレーナーにデータ集めを協力させるキャンペーンの実施を決定、此処に至るまでに市長の理解を得る為に苦労があったり、その一方でクェーサー社にはあっさりと色々と任せて資金を回したりと大変だった模様……。

 

「……苦労、してますね」

「……ですので、お願いですのでキャンペーン、参加してください……」

「最初からそのつもりだったのです」

「助かった……」

 

そんなこんなでキャンペーンに登録、リサーチミッションをこなして行けば報酬として技マシンや道具を提供される方式らしいので新人トレーナーのアンとしては有難いキャンペーンとなっている上にアンとしてはこれからワイルドゾーンの冒険には積極的に出掛けるつもりなので渡りに船、というやつである。

 

「ンで資金不足なんですか?」

「……恥ずかしい話だけどね、市長が私を信用してないのよ……所詮代理だとか、プラターヌ博士を連れ戻した方が有益とか言いやがって……」

「それは酷いのです、ドリンクばっかりだと身体に悪いですから、これ食べてくださいなのです!!ヌーヴォカフェ特製のチョコクロワッサンなのです、甘いものは元気をくれるのです!!アンのおやつですけど、あげるのです」

「あ、貴方は何ていい子なの……」

 

チョコクロワッサンを貰う手は震えており、久々の甘い物は脳に甘美な刺激を届けているらしい。栄養ドリンクばっかりでこういうのは本当に久しぶりなのだろう……よく見たら、ゴミ箱周辺にはエナジーバーの空き箱が入り損なって床に落ちている。これはマズいとこっそりとプラターヌとのチャットにメッセージを打ち込む。

 

【ま、まさかそんな事になっているなんて……分かった、僕からも市長から話を通しておくよ。全く私が言うならば大丈夫だなって言ってたじゃないか市長……本当に済まない……僕も今は調査中で動けないから頼むよ  プラターヌ】

 

というのが帰ってくるとプラターヌからのメッセージは途切れてしまった。これは向こうは向こうで結構大変な調査をしていると見える。

 

「何かあれば俺に連絡をください、力になりますから」

「わ、渡りに船……いや、貴方こそはメシア……!?」

「睡眠不足とか重なって冗談抜きでこれあかんな……」

 

一先ず、今日はこの位の所で研究所を後にしたのだが、数時間後、研究所にPWCSチャンピオンであるラビの名前で多額の寄付が飛んで来た上に市長から謝罪のメールが来てモミジは別の意味で発狂染みた驚きの声を発した後、今日は久しぶりにベッドで眠れるんだぁ……と呟きながらぶっ倒れ、職員の手でベッドに搬送された。その時のモミジ所長代理の表情は酷く安らかなものだった。

 

「モミジさん、大変そうだったのです」

「だな……よしアン隊員、リサーチミッション頑張ってみようか」

「ラジャりましたレイブン司令官!!」

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