「ふぅっやっぱりヌーヴォカフェのクロワッサンは美味しいのです」
「朝食だけじゃなくて夕食もあそこにしちまったなぁ……」
あの後、モミジリサーチミッションを進める為に2番ワイルドゾーンにも出向いてコイキングやスボミー、カメテテ、ミネズミなどを捕まえたりしていると空が暗くなっているので簡単なものを食べようとしたのだがちょうどヌーヴォカフェの近くだったので、折角なので夕食もそこで取る事にした。グリとグリーズからは朝まで待てなかったのかなと言われつつも歓迎された。そんな時間を楽しんでいる二人のスマホロトムに通知が入った。
『ランクアップ戦のお知らせです。ランクZトレーナー:アン、ランクアップ戦の相手が決定いたしました。ランクZトレーナー:ザック。ランクアップ戦で勝利した方がランクYへのランクアップとなります。ランクアップ戦に挑むにはバトルゾーンにてチケットポイントを溜め、チャレンジチケットを取得してください。ご健闘をお祈りいたします』
「ランクアップ……もうなのです!?」
「いやこれは多分基本的に直ぐに割り振られるんだろ、後はそこに向けてチケット獲得に向けて頑張ってください、って所か……」
自分に来たメールをよく見ると、逆に自分は迎え撃つ側であり相手がチケットを獲得に備えろとも書いてある。逆にアンにはチケットの獲得を目指せとも書いてある。対戦相手は自分と同じランクZトレーナーのザイナというトレーナー、アプリの写真を確認すると金髪碧眼の女性だ。
「取り敢えず、アンは今日の夜は―――」
「(うずうず)」
「……行きたいのね」
「勿論なのです」
なんというかカルネの血なのかトレーナーとしての意欲が満々なのは良い事なのだろうが……小さい子供を夜に連れていくのは妙な罪悪感があるな……と思いながらもムーランドを出して背中へと乗っけておく。ムーランドという番犬が居ればゴーストタイプの奇襲にも十分対応出来る、実はムーランドの対ゴーストタイプへの勝率は6割5分2厘。尚、これは自分の庭のゴーストタイプ相手の数値なので並のゴーストタイプポケモンには負けない自信がある。
「んじゃ行きますか」
「は~いなのです!!」
そんなこんなでバトルゾーンへと向かっていく、アプリを確認すれば今日は何処で何時からバトルゾーンが展開されるかは分かるので多くの人が移動を開始されている。どうせならこれをミアレに来る人にもダウンロードさせるように推進運動でもすればいいのに……そうすれば、巻き込まれる事も無かったのに……そんなこんなで到着したバトルゾーン、そこへ
『バトルが開始されます、バトルが開始されます。バトルゾーンが展開されます、参加者以外は早急にバトルゾーン予定地点より退避してください』
「これ、絶対俺達以外にも巻き込まれた人いるよな……」
そう呟いていると周囲があっという間にフィールドで覆われていく。それを見てアンはやる気満々と言いたげな様子、今回のトップバッターはアシマリことあしゃまちゃん、此方もやる気満々なのかシャドーボクシングを行っているがその姿は母親そっくりである。
「という訳で、これはアンのバトルだから俺は基本的に何もせんからな?」
「分かってるのです、寧ろ何かしたら怒っちゃうのです」
「はいはい、ムーランドも毎度呼び出して悪いな」
「バゥ」
この位平気だぞ、と言わんばかりに吠えるとその声を聴いてトレーナーが集まって来た。呼び水になってしまったか……と思っているとアンはムーランドの上からさあ掛かってくるのです!!とどや顔をするのであった。
「あしゃまちゃん、ムーンパンチで打ち返すのです!!」
「シャマッ!!!」
「えっちょまっ!!?イ、イイワアアアアアアアアアアアアアアアアアアクッ!!!?」
「ルーちゃん、連続でパンチパンチパンチなのです!!!」
「ルウ~ルウルウルウウッ!!!」『ルゥゥウウウウ!!!』
「ちょっと嘘でしょ!!?身代わりが何で攻撃まで、ってわああああっヒトツキィィィ!!?」
「チーちゃん、蔓の鞭で捕まえるのです!!それでぶん回してから地面へ!!そしてそこに葉っぱカッターなのです!!!」
「チィィィコオオオオッチコチコチコオオッ!!!」
「甘いぜアーボ抜け出せって蔓の鞭でアーボをちょうちょ結びみたいになってるぅ!?わああ毒タイプでもその数の葉っぱカッターは無理だってばぁぁぁ!!!?」
「メーちゃん、充電なのです!!そのまま充電して―――今なのです!!電気ショックにパワーを!!」
「メエエエエエエエエエエッ!!!!」
「しまったこの子、わざと攻撃を誘ってたっていうの!!?あ~ダメダメダメストップできるわけないじゃないの!!?あ~ヒトデマアアアアアンッ!!!?」
「ビーちゃん、糸を吐くなのです!!」
「そんなのじゃ俺のワンリキーの動きは封じられないぜ!!」
「でも、動きは鈍ったのです!!今度は顔面に糸を吐く!!そして足に糸を吐いてそれを引っ張るのです!!」
「ビイイイイッ!!」
「ワ、ワンリキー!!?しまった動きが鈍って防御が間に合わなっああっ足をすくわれた!!?えっちょまっ……動きを奪ってからの毒針祭りってそんなのありかよぉおおおお!!?」
「勝ったのです」
「ひっでぇ蹂躙劇だった」
「圧勝と言って欲しいのです」
バトルゾーンではアンはトレーナー相手に平然と勝利を築き上げてチケットを手にする事が出来た。これでアンはザックとのランクアップ戦をする事が出来る、早速その相手への申請を送ってみると問題なくOKの返事が返って来た、アプリで場所を確認してそこへと向かってみると―――そこにはもう一人の女性がいた。
「レイブンさん、でしょ。私はザイナ、貴方のランクアップ戦の相手よ、それでこれの仕事仲間」
「それで、此処でやるかい?」
「ええ、やりましょうよ。いいわよねザック、先にランク上げても」
「好きにすればいい、今度こそランクを上げるのはこっちだ」
何やら面倒臭そうな空気を感じるが、アンも色々と期待している様子なのでバトルを受ける事にする。近づいてバトルの宣言を行うとスマホロトムが激突しながらも情報のやり取りを行う。
『チャレンジチケットを確認、ランクアップ戦の開始を承認します!!』
「私は貴方に勝って今度こそYランクになる、それこそが私の夢の礎になる」
「夢?」
「そう、この街での移動手段をタクシーはタクシーでもアーマーガアタクシーに限定する!!」
「いや、それは普通に無理だと思うよ……?」
「無理じゃない、Aランクになりさえすれば叶う!!」
「可能な限りって枕詞付いてたの、忘れてらっしゃる?」
「さあバトルするわよ、バトルよバトル!!」
「アン、気を付けろ。この大会に出てる奴らは人の話を聞かんぞ」
「なんか、ミアレが心配になって来たのです」