週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイZA:広がるゾーン。

「ズルいのです」

「ズルくないのです」

「ズ・ル・い、のです!!!」

「ムーランドお前からも言ってやってくれ」

「バゥフゥ……」

 

カナリィとのコラボも終えて、カナリィも惜しみながらも見送ってくれた。一応コラボ用に作業員の私服を借りていたので、元の服に着替えてからホテルへと戻るとまだまだアンシャはすやすやと夢の中、流石にもうお昼近いので起こしてやることにした。そこでアンシャから何かしてたの?と尋ねられたので素直にゲロッたらこの始末である。

 

「落ち着けアンシャ、お前さん俺が帰って来るまでどころか優雅にコーヒーを楽しんでる時までグースカピースカ寝てたじゃねぇか」

「ムゥゥゥッ!!ラビさん一人でミアレを楽しんだら、アンシャが案内する時間が減っちゃうのです!!そんなのズルなのです!!酷いのです!!」

「……言う程ズルか?」

「ズルいのです!!」

「あ~分かった分かったから!!本当に悪かったって……でも言うて全然ミアレ歩けてねぇんだよなぁ……」

「……証明してほしいのです」

 

すっかりむくれてしまったアンシャへの弁解の為に部屋に備え付けのミアレシティマップを広げ、自分が出向いたラシーヌ工務店の場所や出向いた資材置き場の場所などを説明する。するとビックリする程に歩いていないのである。ラシーヌ工務店自体がホテルZから歩いて数分の距離にあり、資材置き場もそこまで遠くないのでラビはメインストリートを1割も歩いていないに等しい。

 

「なら許すのです♪でも罰としてお兄様はアンに美味しいお昼を食べさせてほしいのです♪」

「ったく調子のいい奴め……わぁったよいい店探して食わしてやるよ」

 

どうせ自分が金を出すのを分かってる癖に……と思いながらも適当にTVをつけてみるとミアレシティ内のニュースが流れていた。当然ワイルドゾーンへの反対意見やらあれこれ、共存の為の第一歩、人間が歩み寄る為には重要などなど言い合いをしている自称専門家たちの答弁などもあったが、それらをスルーして現在のミアレについて放送している番組を探す。

 

『先程、新たに三か所の地域がワイルドゾーンとして認定が行われました。これによってミアレシティには合計6か所のワイルドゾーンが設置された事となりました。クエーサー社の素早い対応とポケモン研究所の連携によってワイルドゾーンのバリアゾーンの設置が行われた事で怪我人などはないそうです。ワイルドゾーンが設置されましたのは4番ワイルドゾーンがドールビアン墓地、5番ワイルドゾーンがブルー大通り、ブルー1番地・2番地、6番ワイルドゾーンがノースサイドストリート、ジョーヌ12番地となります。皆様、スマホロトムのマップアプリのアップデートをお忘れないようにお気を付けください』

「も、もう増えた……」

「そ、想像以上に早く増えたのです」

 

突然のそれに、ラビは頭を抱えながらも改めてテーブルの上に広げた地図へとワイルドゾーンを書き込む。現状で6か所のワイルドゾーン……何れも街の一角を占拠するような形、幸いとも言うべきなのはポケモンとしても動きやすい所を選んでいるのか、大きな広場などが多いという点だろうか……。

 

「これで6か所……何の前触れもなく、か……ポケモンが何かに引き寄せられているのか、それとも何者かが人為的にポケモンを呼び寄せてミアレの崩壊を望んでいるのか……」

「ほ、崩壊……例えばどうしてなのです?」

「ミアレシティはカロス地方の経済を担う大事な大都市にしてカロスの象徴と言っても言い過ぎじゃない街だ。そこが崩壊するとなると……カロス地方全体が危険とみなされる場合がある。既にあの事件が尾を引いてのか、カロス地方への観光客の数はワイルドゾーンが出来る前より減少の傾向にあった……」

 

それを望んでいるとすれば、弱っているカロスに入り込んでカロスを実質的な支配を目論んでいる奴らがいる……いないとも限らない。組織にもよるが、街そのものを乗っ取ろうとしたりした事は珍しくも無かった。それどころか街中に平然と歩いている奴すらもいた。

 

「可能性として一番高いのは……既に街を乗っ取るという事の成功経験のあるロケット団、あるいはシャドー……それか、フレア団か……」

 

挙げられる候補としては矢張りこの三つが上がって来る。この中で一番恐れるべきは矢張りロケット団だ、ノウハウも経験もダントツ。だが一番高いと言わざるを得ないのがフレア団だろう。いや再開発を担っているクエーサー社も候補に挙げる事も可能か……。

 

「アン、見に行くかワイルドゾーン」

「はいなのです!!」

 

 

アンに準備をさせ始めると自分も少しばかりの準備に入る。もしもの時の為に持って来ている国際警察特別捜査官のライセンス、言うなればポケモンGメンの一員の証でもあるそれを見ながらも、ラビは少しだけ思いを巡らせる。

 

「尋ねてみるのもありかな……」

 

とある捜査官からこのミアレで活動していた際に開いていたという探偵事務所、現在は二代目にその座を渡しているとの事だが……この街の情報を集めるという意味合いでは現地の人間に頼るのが一番でもある。

 

「さてと、準備は良いかなアン」

「はいなのです!!」

「バゥッ」

「よし、なら行くか」

 

今日もワイルドゾーンへと出かけていく二人、このミアレで何か起きているかを知らなければならない、その為にも今日は―――とある人物に会いに行くとしよう。

 

「という訳で、お久しぶりシトロン」

「此方こそお久しぶりですねラビさん」

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