週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイZA:与太話と物語の胎動。

「なんか街がくそうるせぇんだけど何かあったのか?」

 

本日も食事をヌーヴォカフェで取って来たレイブンとアンだが、今日は妙に街が騒がしい気がしてならない。ワイルドゾーンも6つになったのだから慌ただしくなったとしても不思議ではない気がしなくもないのだが、帰って来て早々に受付で経理やら帳簿を付けているタウニーに尋ねてみる。

 

「そりゃ大騒ぎにもなりますよ、あのPWCSチャンピオンのラビさんがミアレに来るかもしれない!?なんて噂が立ってるんですから」

「「……はぁ?」」

 

なんでそんな噂が立っているんだ?確かにシトロンと配信こそしたが、あれだってちゃんと周囲をシトロンが直々に調整したホロで誤魔化した且つシトロンは新型シトロイドという体裁を取った上でやったのに……配信でもそんな事を言った事はないぞ。と思わずアンと一緒に声を出し、顔を見合わせてしまった。こういう事もあり得るだろうと打ち合わせはしていたが……

 

「ラビってあのラビか?配信すれば常に炎上するような事ばっかりのあの」

「そこがいいんじゃないですか!!誰かに媚びる事も無く我が道を行く姿がカッコいいじゃないですか!!私もヘビーリスナーです!!あ~懐さえ許せばスパチャ送るのに~!!!」

「……収益化、されてたっけ?」

「気持ちの話です!!」

「あっはい」

 

こいつもだったか……というか、それ以前になんだその噂は……と思っているとエレベーターが開いた。そこからは二人の影があった。

 

「大分噂になっているそうですね、PWCSチャンピオンがカロスに来るという噂」

「私は会ってみたいけどねぇ……でもその噂ってどうなんだろうね?」

「あっそうだレイブンさんとアンちゃんはお初でしたね、此方はウチで仕事部屋を提供してるファッションデザイナーのピュールと住んでるダンサーのデウロね」

「目指している、です。紹介するならせめて正確にしてください」

「そうだよ、高めに評価してるって受け取るけど騙してるみたいでちょっと悪いって。私もプロダンサーを目指してる身なんだから」

 

このホテルZを活動拠点にしつつ、ガイとタウニーが設立したMZ団のメンバーでもあるという二人。挨拶をするのだが……レイブンとしては思わず警戒してしまったがそれを顔に出さぬように注意を払う。今まで団と付いた連中と散々やり合ったのもあるが、クエーサー社から暴走メガシンカについての委託をされているという情報もあるので油断が出来ない。

 

「ンで、世界チャンピオンがカロスに来るなんて予定なんか聞いた事ねぇが?」

「それは単純です、カナリィさんに続いてシトロンさんというミアレシティで名を大きく馳せている人と連続してコラボしているが故ですね。だからこそ今、かのチャンピオンの興味を引いているという噂が立っている、という事らしいですよ」

「つまり根拠も何もねぇ噂って訳か……」

「確かなソースも情報も無いのにそれで騒ぐのはダメな人だってお父様が言ってたのです」

「け、結構鋭い事言うわねアンちゃんって……」

 

と言ってもアンが言っている事は普通に正しい事、ラビはそれに関して一言も言及した事も無いのに勝手な憶測が噂となって騒ぎになっている。与太話に振り回されているという事になる。

 

「んじゃそれを言ったらキバナみたいなジムリーダーやシロナみたいな他地方のチャンピオンが連続で出た、これだってガラルやシンオウに行くって根拠になるぞ。根拠にすらなってねぇよ」

「まあ、それはそうですね……正直、この話の信憑性は低いです。唯の願望が噂に乗せられているだけだと僕も見ています」

 

アンは小さく笑いながらも肘で突いてきた、小声でやめなさいと注意をしておく。今更ながら本当に出なきゃよかった……と思ってしまう。今の所PWCSチャンピオンになってよかった点なんて一つもない……熱を取り戻した?それはいい点なのか……?

 

「ンで、タウニーお前さんの自称兄は何処行ったんだ?」

「あはっ自称兄って受けますね、それ採用で!!客引きに行きましたよ、後ついでに宣伝用の動画も取るとか」

「動画でホテルの宣伝ね……今時はかなり上手くやらんと難しい気もするんだが……肝心の動画の作成レベルってどん位なの?」

「……ぶっちゃけ素人に毛が生えた位……だね」

「金払って専門にやらせなさいよ」

 

タウニーもそっちの方が良いと思う……とすら思っている。一応動画の編集の為に本格的な機器を揃えたりはしているらしいが、肝心のガイの編集スキルなどはお世辞にも高い訳ではない。

 

「ラビさんに頼んでみるとかです?」

「いやラビさんはそういうの請けてくれないでしょ流石に」

「普段の配信からして、自分を利用する人には容赦しないって感じだもんねぇ……」

「まあ誠意を持って対応したら違う可能性がないとも言い切れませんが……そもそも世界チャンピオンが鳴かず飛ばずなホテルの宣伝に付き合ってくれるとも思えませんね」

「そ~……ですね、今名前が出てたからつい言っちゃったのです」

「もうアンちゃんってば~」

 

ごめんなさいなのです~と笑い飛ばすが、シンプル危なかったところだった……しょうがないとはいえ、此処ではレイブンとアンという事で通して貰わないと困るのだ。

 

「そう言えばアンちゃんは次はランクアップ戦なんだって?」

「来たばかりなのにもうWランクのランクアップ戦とは恐れ入ります」

「ムンッ!!」

 

胸を張るアン、シトロンとの配信後の夜にアンはXランクへと駆け上がった。その勢いのままチャレンジチケットを獲得して次はWへの昇格を掛けたランクアップ戦となる。相手はゼロイトというアンよりやや年上のスクールキッズ。子供がZAロワイヤルに出るのは問題ではないのだろうか……と思わなくもない。

 

「しっかしアンと同じまでは言わんが、子供も参加しすぎだろ……せめて子供は昼にも出来るように一部のバトルコートでやるべきだろ」

「でもそれはそれでZAロワイヤルの意味合いが薄れるような……それと社会人勢からの不評も招きかねないと思いますけど」

「言わせときゃいい」

 

此方から言わせれば、小さな子供を夜の街で不意打ち上等のロワイヤルに参加させる事自体が極めて危険だ。ポケモンのワザによる爆風や衝撃波というのは洒落にならないものが多すぎる。

 

「そもそも夜遅くどころか、早朝までバトルをさせ続けるとか子供の生活サイクルとしては不適格すぎる。成長に悪影響が出るぞ」

「あ~……それは確かに、改めて言われてみたら御尤も過ぎる意見ですね」

「流石は妹さんがいる身ですね」

「この位は普通の感覚だとも思うんだがな……」

 

そんな話をしながらも、ZAロワイヤルの運営に正式に意見メールを送りながらも三人と交流を深めつつも夜になるのを待つのであった。そして、レイブンとアンはZAロワイヤルへと出かけている間に……ホテルZには新たな来客が来るのであった。ガイが新たに招いた―――二名の客、それが、新たな物語を紡ぎ出し始める。

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