週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイキタカミ:ピーチVSオーガ

「躱して!!」

「ぽにっ!!」

 

乱れ打ちされるシャドーボールを巧みに回避し続けるオーガポン、流石はともっことモモワロウを纏めて相手していたのでは、という考察があるのも納得の強さだと思ってしまうが、モモワロウもこのまま手を拱いている訳ではない。その身体から勢いよく毒ガスを噴射、その勢いはともっこのそれをはるかに上回る程。

 

「モモモモッ!!」

 

此方を嘲笑っているかのようなそれにラビは別に焦ってはいない、確かにオーガポンが多芸と言っても風系や念力系の技を使える訳ではない。

 

「地面に向かって蔦棍棒!!」

「ぽにっお~ん!!!」

 

オーガポンの手に握られた蔦が巻き付いた棍棒、それを全力で地面に向けて叩きつけた。が、その一撃は容易く地面を砕き周囲に地響きを巻き起こした。町の近くじゃなくて本当に良かったと思う程その破壊力は凄まじく、その衝撃が伝播して岩肌の一部が崩落する程。それによって巻き起こった風圧もとんでもない、毒ガスを一瞬で四散させてしまった。

 

「モ、モゲゲッ……!?」

 

その破壊力にモモワロウは震えた事だろう、この一撃こそが自らを瀕死に追い込んだ一撃なのだ。これが自分に炸裂すればタイプ相性が悪いとはいえ、大ダメージは避けられない。

 

「おや、タイプ相性を心配してくださっているのですね。ならば次は―――貴方への憤怒を!!」

 

ラビはそう言いながら仮面をブーメランのように投げた。それをオーガポンが受け止めながら碧の仮面を投げ渡しながら被った。赤色の怒りの仮面、同時にオーガポンの身体の色が変化して赤くなった。オーガポン最大の特徴、それが付けた仮面によってタイプと特性が変わる面影宿し。碧の仮面は負けん気の草タイプ、今の仮面は型破りな炎タイプと化す。

 

「電光石火!!」

「がおぼううううう!!!!」

 

怒りの焔を滾らせるオーガポンは一気に踏み込んで距離を詰める、モモワロウは近寄らせるものかと毒液を周辺にばらまく。出来るだけオーガポンに当てようとしているがそれらを容易く回避しながらも迫っていく。そして射程範囲へと入った瞬間にモモワロウは見た、自分達が奪った仮面の恐ろしさとオーガポンの怒り、それに恐怖したのか殻に籠った。

 

「蔦棍棒!!」

「がぁぁぁぁああああぼう!!!」

 

まるで野球のアッパースイングのような見事なフォームから放たれた一撃は爆炎を纏いながらもモモワロウへと炸裂した。命中した時、異様な威力にモモワロウの殻からミシリと乾いた音がした。そしてそのまま振り抜いて岩壁へと突き刺さる。その破壊力は岩壁にクレーターが出来る程。

 

「すっごい威力……」

 

流石のラビも此処までの威力とは思わなかった、が、直ぐにクレーターから飛び出してきたモモワロウは身体を輝かせると即座に元気になっていた。自己再生を行って高速治癒を行ったのだ。が、オーガポンには向かわずにラビへと視線を向けてきた。

 

「モゲゲゲゲゲゲモゲェェェ!!!!」

「ぽぉぉぉぉにっ!!!」

「モモモッ!?」

 

ラビへと突撃しようとするのを寸前で止めるオーガポン、純粋な棍棒による叩きつけがモモワロウへと炸裂する。そして再びラビへと視線を向ける、それを理解して次の仮面を投げ渡す。

 

「モゲゲゲッ……!!モゲエエエエエ!!!」

 

そこにはもう臆病な性格など感じられない程にキレているポケモンがいる、毒液を溢れさせながらそれらをラビへと差し向けた。最早毒液の津波、それらがラビを飲み込もうとした所へ無数の岩石が降り注いでラビを守るバリケードとなった。

 

「ぽにお~ん!!?」

「大丈夫です、有難う御座いますオーガポンさん」

「ぽにっ!!」

 

そこには楽し気な声でラビの無事を喜ぶオーガポンがいた、身体は灰色になりながらも被っている仮面は石のように重厚な雰囲気を醸し出している。

 

「さて、そう言えばこういう時は如何なんでしょうね……テストです、地団駄!!」

「ぽにおんおんお~ん!!」

 

岩石から飛び降りながら思いっきり地面を踏みしめたオーガポン、その時に発生した衝撃波は凄まじい勢いでモモワロウへと向かって行く。モモワロウは慌てて再び殻に籠ってそれらを受け流す、が効果抜群な地団駄は相当に効くのか直ぐに自己再生の態勢へと入っていた。

 

「地団駄の威力倍の判定に入るんだ……新発見だ」

「ぽに?」

「なんでもありません、それではお次は此方を」

「ぽに!!」

 

丁寧に渡されたお面を被るオーガポン、今度は水色で悲しみの涙を流す仮面。これまでのオーガポンの心境を鑑みるとこれ以上ない仮面だろう……だが、ならばその悲しみをモモワロウに与えてやろうじゃないか。

 

「モモ、ゲェェ!!?」

 

自己再生が終わった時、目の前にいたのは―――蔦棍棒を構えているオーガポンだった。仮面が流している涙は自分へと向けているようにすら思えた。

 

「悲しみの涙は貴方が流す番ですよ、蔦棍棒!!」

「がおぽにおーん!!」

 

振り下ろす攻撃、至極シンプルな行いだがその内容が威力命中が優秀な急所に当たりやすい技というのが更に恐怖を倍増させるが同情など欠片も無い。本当だったらモモワロウを水浸しでタイプ一致すら奪って抵抗力を削ぐプランも考えていた、それに比べたら大分マシという自負がある。

 

「ぽにっ!!」

「モ、ゲゲゲッ……」

 

まだ動けるのか……ふらふらと浮かび上がりながらもモモワロウは此方を見てきた、その瞳には涙が流れている、如何して此処までするんだと言いたげな抗議があるが、気に留める意味もない。

 

「改めてハッキリ言っておきましょうモモワロウ、私は貴方を悪というつもりはありません。ですが何事にもケジメという物は必要なんですよ。貴方はともっこと共にオーガポンさんの大切な物を奪い悲しませた、それがどれほど深かったのかを知りなさい。そして自らの行いがそれを招いた、という事もね……それが理解できたのならば―――愛を学びましょう」

 

ラビは懐からあるものを取り出した、それはテラスタルオーブ。テラスタルをさせる為に必要な物……それを見たオーガポンは仮面を碧の仮面へと付け替えていた、如何やらラストは碧の仮面が良いらしい。

 

「星々の煌のように、輝きを以て変革を成せ!!テラスタル!!」

 

投げられたテラスタルオーブ、その輝きを受けたオーガポンは結晶に包まれていく。そしてその結晶が四散した時、そこにあったのはオーガポンの仮面が巨大化しながらも更に強い輝きを纏っている姿だった。仮面は巨大化しながらもオーガポンの前に浮遊している。だがそれは今はいい、今は―――

 

「一撃を以て、ケジメとしましょう。蔦棍棒!!」

「があああああああああぼう!!!」

 

オーガポン必殺の一撃がモモワロウに炸裂した。テラスタルによって火力が底上げされている一撃はモモワロウへと炸裂した。テラスタルの影響か、先程とは比べ物にならない程の威力となっていた、タイプ相性を考えれば碧の仮面状態では厳しいかも……と思っていたラビだが

 

「これなら、まあ大丈夫でしょうね」

 

完全に地面に埋まって目を回しているモモワロウを見て自分の心配を撤回するのであった。

 

「ぽに♪」

 

そんなラビとは対照的に嬉しそうに小躍りしているオーガポン、まあ彼女からしたら過去の因縁を清算できたのだから嬉しい事この上無いだろう。ともっこから仮面を取り戻した、モモワロウと決着をつけられた。

 

「オーガポンさん、あれについては任せて貰えます?ウチにはあれを恐れないバカがいっぱいいますから」

「ぽに?……ぽに!!」

「有難う御座います」

 

少しだけオーガポンは考えたが、ラビなら大丈夫だと思って頷いてくれた。そしてモモワロウへとハイパーボールを投げ込む。少しするとポォン!!という音と共にボールが戻ってきた。因みに何故ボールがハイパーボールかと言えば、ハイパーボールはボールの強度とセキュリティがマスターボールを除けば一番高いから、尚お値段も高いので易々とは使えない……。

 

「さてと、それじゃあ―――帰りましょうか」

「ぽに!!」

 

その言葉にオーガポンはニコニコと笑いながらも応えた。そして―――

 

「それにしてもお腹すきましたね……二人でこっそり夜食にしちゃいます?」

「ぽににぽに!!」

「はははっそうしましょうか」

 

また誰かと手を繋ぎながら一緒に歩いて帰途へとついたのであった。

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