週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイZA:終わりと始まりのZ&A。

「お兄様より強くなったらいいのです」

「因みに、俺は今ランクFね」

「上位、ランカーじゃないですかぁぁぁぁぁ……アアアアアアアアアアッ!!!!!????」

 

アンのランクアップ戦、ゼロイトとのバトルだったのだが……アンはワイルドゾーンで新しく仲間にしたポケモン達と共に難なく突破してしまった。相手のゼロイトも中々に頑張っていたのだが……どうにもアンに一目ぼれをしてしまったのか指示が極めて単一的且つ直線的な物ばかり、チコリータのチーちゃん一体だけで完全に突破出来てしまった程だった。ゼロイト君は諦めずにアンに告白するという勇気を見せたのだが……上記の返事をして見事に振った。

 

「というかアン、流石に意地が悪すぎんだろ」

「でもお母様がお兄様を倒せるぐらいじゃないと認めない!!って言ってたのも事実なのです」

「あの人は全く……」

 

最低でもカロスのチャンピオンを倒せる実力ないと駄目とか無理ゲーじゃねぇか……しかもその母親の前に立ちはだかる兄として立つ自分はそれよりも強いのだから世界チャンピオン以上の実力がないと無理……事実上、この条件を満たすのってレッドかサトシ位なのではないだろうか……。

 

「にしても……まさか親分までいやがるとはな……」

「あの赤い目のポケモンさんの事なのです?」

「ああ、まさかあんなのまでいるとはな……」

 

出向いたワイルドゾーンは4番、そこは墓地だった為かゴーストタイプや虫タイプのポケモンが多く生活を営んでいた。ゴーストタイプは此方に悪戯したげな様子ではあったが、お墓参りをする人間には何もせず、寧ろ寄り添うような姿勢を見せており、此処だけを見ればポケモンとの共生が、可能なのではという光になり得る物だったのだが……その中に、赤い瞳のイトマルがいた。

 

此方を見つけた途端に襲い掛かろうとしてきたのだが、咄嗟に自分が庇ってブリガロンを出して威嚇をしたところ、実力差を理解したのか即座に撤退を選択していった。

 

「普通のイトマルの1.5倍は大きかったのです」

「ああ、それが親分の特徴だ。そして……本来テリトリーに入った相手に警告からの捕縛を試みるイトマルでこれだ……他のポケモンの親分個体なんて出てきたら洒落にならねぇぞ……」

 

また調査する事が増えた……と溜息交じりにホテルZへの道を歩いていくレイブンとアン。そんな中でも朗報な事がある、カルネにお願いして働き掛けた結果として各所のバトルコートで日中でもZAロワイヤルのポイント稼ぎやランクアップ戦が可能になる運びとなった。

 

「これもあの人の親馬鹿のお陰だな」

「???」

 

『ZAロワイヤルは夜でしょ?そうなるとアンシャの成長にも悪影響が出かねませんから』

『分かったわ速攻で連絡入れるわ待っててアンシャの為なら何でもやるわ』

 

カルネに相談した所、メールどころか速攻で連絡を飛ばして市長とクエーサー社に話を付けて、日中でもZAロワイヤルに関するバトル許可をもぎ取ったのである。矢張り権力とはこういう時に使うのに限る。

 

「これでアンが夜更かしする必要がないって訳だ」

「え~でも夜のお出掛けも楽しいのです」

「せめて頻度は落とすぞ、出ないと母さんみたいに綺麗な女の人になれねぇぞ」

「アン、夜はちゃんと寝るのです!!」

「分かればよし」

 

なんだかんだでアンの憧れの女性というのはカルネなのだ、母親というのもあるが世界最高峰の女優故の美しさという物もあるのでそれを目指したいというのも無理のない話である。やっぱりこういう時に親を引き合いに出すと楽だな~……なんでウチの場合は親を出せないのかな……。

 

「さて次はVか……」

「ピースサインなのです」

「いや勝利のVってのもあってだな―――」

 

という話をしていたら、空へと凄まじい閃光が放たれた。メガシンカエネルギーにも似ているその光は凄まじい音を伴いながらも空を裂くように登っていく。その迫力はレックウザの破壊光線にも酷似している、それほどの破壊力の技が近場のバトルゾーンから放たれた……。

 

「逃げろオオオオオ!!!!?」

「ごめんなさあああああああいッ!!?」

「命だけはああああああああああ!!!?」

「バゥフ」

「ワッ!?」

 

バトルゾーンから腰砕けになりながらも必死に逃げ出して来るトレーナー達から守るようにムーランドはアンの洋服を咥え、アンを上へと投げて自分の背中へと乗せて守る。自分達の事など気にしていられないと言わんばかりに逃げていくトレーナー達を見送るとバトルゾーンからガイが一組の男女とフラエッテを伴って出てきた。

 

「おいガイ、なんだ今のは」

「あっレイブンさんにアンちゃん、いやぁ実は客引きに成功したようなもんだけど……色々ごたついてたらバトルゾーンに取り残されちゃって」

「またなのです?」

「うんまあその……ごめんまたなんだ」

 

アンに怪訝そうな顔をされて何とも言えない顔になって謝るガイ、自分達をバトルゾーンに置き去りにしてしまうという事故があったのにも拘らず、また別のお客にもそれをやってしまう……なんというか、本当に大丈夫なのか?と言いたくなる。

 

「災難だったな、先輩として同情するよ」

「先輩って……あっもしかして貴方達も?」

「俺達の場合は、こいつだけが先にバトルゾーンから出ちまったうえで俺達だけが取り残されたけどな。だからマシと言えばマシだ」

 

笑い話として笑い飛ばしながらもガイを弄るレイブンは酷く生き生きしており、ガイとしても反省してるから勘弁して下さいよ……と肩を落としている。そんな二人を見る新たな客の二人は何処か浮世離れしているというよりも、いきなりの状況にまだ意識が追い付いていないのか、戸惑っている様子が見て取れる。

 

「バゥッ」

「ホテルZにお泊りなのです?だったら同じなのです」

「あ、そういう意味でも先輩か……あっ俺はキョウヤです、こっちは妹のセイカ」

「よ、宜しくお願いします」

「レイブンだ、こっちはアン。歳離れてるが兄妹だ」

「色んな意味でお揃いなのです」

 

とアンの一言で色々と解れたのか、緊張した面持ちが漸くほぐれていった。そしてガイの案内でホテルZへと漸く足を踏み入れる中でレイブンは二人の小声の会話を聞いた。

 

「良い人そうでよかったね」

「ああ、本当に……」

 

と、何処かホッとしたような言葉を吐いた。旅先でトラブルに巻き込まれたばかりだろうか……後で何処から来たか聞いてみようかな。まあ恐らくイッシュだろうが……如何にもムーランドを見る目が懐かしさを纏っていた。同郷ならば仲良くできるかもしれない。

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