週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイキタカミ:スタンバイムーン

「ねぇラビさん、なんか近くに凄い荒れてるところあるんだけど……なんかクレーターとか、地割れみたいなのが……」

「さあ……オーガポンさんとその辺りを軽く散歩はしましたけど私達は森の方でしたし」

「ぽにっ!!」

 

夜も明けて朝食を楽しんでいる時に散歩に出ていたアオイ、ハルトの二人が大慌てで帰ってきた。何かと思えば昨夜のモモワロウとのバトル跡を見たので慌てて帰って来たらしい。

 

「いや、マジであれやばいよ……あんなことが出来るポケモンいるとか思わんかった……」

「お、俺もビックリ……岩肌にクレーターってアニメでしか見た事なかった……」

 

あの岩盤かぁ……と思いながらも即席の石窯の火加減を調節する。オーガポンはやっぱりやり過ぎちゃったかな……と言いたげな顔をしているがラビはウィンクをした、任せてくださいと。

 

「こういういい方はあれかもしれませんけど、地形を変えることが出来てしまうポケモンは別段珍しい訳でもないですからね……強力なポケモンではありますけどね」

「んじゃそいつらが暴れたかもって事?」

「縄張り争いか何かの奪い合いかは分かりませんけどね……さてまあ、そんな話は置いておくとしましょう。というか皆さんは一応林間学校で来てるんですからその辺りを忘れちゃいけませんよ」

『……あっ!?』

 

オーガポンにともっこの事ですっかり忘れていたが自分達が林間学校で此処に来た事が完全に頭から抜けていた。一応オリエンテーリングの内容は完遂したが、それとは別に一応課題と言える物は出されているのだった。

 

「忘れたぁ……」

「やっばいあたしらもあるんだった……ブライア先生、適当なところあるしダメな大人だけどこういう所はきっちりしてるからなぁ……」

「変わらないですねぇあの研究バカ教師」

「バ、バカって」

「バカをバカと言って何が悪いんですか」

 

何やら実感の籠っているラビの言葉に全員が興味を惹かれる中でサザレがある提案をした。

 

「あっそれならさ、昔のポケモンの生態調査ってのは如何?」

「昔って化石ポケモンとかそう言うのですか?」

「違う違う、実は写真を撮ってて気づいたんだけどこの土地にはヒスイの時代のポケモンが生息してることが分かったんだよね」

 

そう言いながらもサザレは一枚の写真を出してみせた、そこに映っていたのは川を泳ぐポケモン……それはイッシュ出身のラビにとっては馴染み深いバスラオだった。

 

「これって、バスラオだべ?」

「うんバスラオバスラオ、これが如何したの?」

「よく見てね、多分こっちがみんなが知ってるバスラオよ」

 

もう一枚の写真は青と赤のバスラオ、一般的に見られる姿。だが最初に出した写真の物は白い筋が入っているバスラオだった。

 

「あっ全然違う!?」

「そう、ナナカマド博士の所の資料にはヒスイのバスラオはこういう姿だって記録があったの。しかもこのバスラオ……進化するんだって」

『進化するの!!?』

「ええ、それを調べるのも良いし昔のポケモンの生態調査でもいい課題になると思うよ」

 

課題自体は自由、だがこれは中々に興味がそそられる内容に全員が色めきたった。そして一瞬で4人で合同の課題発表に決まった。これが上手く行けば大発見にも繋がるかもしれない、と思うとワクワクが止められないのだろう……。

 

「(実はもう持ってる上にイダイトウにさせてます、とか言ったら怒られるかな……)」

「ぽに?」

「ラビどうかした?」

「いいえなんでもありません」

 

お口にチャックだ。忘れた頃に配信で取り上げておこう……と思っていると石窯の中が良い感じに焼きあがってきたので折り畳み式のピザピールで石窯の中に入れていたピザを取り出す。

 

「あぁっ~凄い良い匂いが……」

「モーモーミルクで作ったモーモーチーズたっぷりピザ出来上がりです、トッピングにはキタカミの里で取れる野菜をふんだんに使いつつ、厚切りベーコンなども使った物です」

「ぽに!!ぽににぽに!!」

「おおっなんか、鬼様さも凄い喜んでるべ……」

「この喜び方……もしやラビ、君夜食にこっそりとピザ焼いたな!!?」

「アッいけねバレた」「ぽにっ……!?」

『ズル!?』

 

そんなやり取りもありながらもピザを追加で焼きつつも豪勢な朝食が始まった。オーガポンは如何やらサンドイッチにも入れていた為かチーズが気に入ったらしく、ピザも大喜びで食べてくれている。

 

「んっ~これ美味しい!?やばっウチの食堂にも欲しい!!」

「ほ、本当に美味しい……やばい、これは本格的に料理勉強しないと……」

「何だったら教えてあげるよ?君にも好きな子、いるんだね?」

「是非お願いします!!」

 

「こ、このチーズ凄い伸びる……の、伸びすぎ……!?」

「アハハハッホント上等なチーズだよなぁ……ミルタンクのミルクだから栄養も満点なんだろうなぁ……背伸びるかも……」

「「ラビさんもっとください!!」」

「はいはい、モーモーミルク自体もありますよ」

「ぽにお~ん♪」

 

素直に味に舌鼓を打ちつつもピザを作りたいや料理について真剣に悩んだり、牛乳関連で身長を気にしたりと楽し気な雰囲気でラビとしては満足だった。まあモーモーミルクはカロリーも高めなのでその分確りと動かないといけないのだが……。

 

「ああそうだ、サザレあれ持って来てる?」

「あれって……ああこれ?うん一応持って来てるけどさ、本当にこれ意味あるのかな……?」

 

食事の後、ラビはサザレにある事を確認していた。そしてサザレは荷物からある物を出してみせた。ガチグマに出会う為には欠かせないであろうアイテムだとラビは言うのだがサザレはいまいちピンとこなかった。

 

「一応由緒正しくはあるらしいけど、本当にこれが重要なの?」

「バッチリ、これさえあれば撮影して絞り込んでいく必要もないと思う」

「う~ん……まあラビが言うんだから間違いないんだろうね、ちょっと吹いてみる?」

 

それは一見すれば何の変哲もない笛、透明感がある不思議な存在感のあるものではあるが……ラビはそれを受け取って軽く吹く。すると不思議な音が鳴る、まるで何かの鳴き声にも聞こえるような……不思議な音が。

 

「大丈夫、これなら多分……カミナギの笛の音色で何とかなると思う」

 

 

「……ワギィッ」

 

空を見上げる地上の月、不意に聞こえた気がしたその音色に……太古の思いを巡らせる……。

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