「マジカルフレイム!!」
「シャドークロー!!」
猛烈な勢いで発射される火炎放射染みたマジカルフレイム、これをまともに受けたら大ダメージな上に特攻まで下がるのかと思うと中々に理不尽だ。と思う訳も無く、翼を広げると同時にシャドークローが展開される。そしてそれを振るって真正面からマジカルフレイムを切り裂いた。
「!!?だけどこれで特攻は落ちる」
「と思っているのか?シャドーボール!!」
「ジュッナイッ!!」
発射されたシャドーボールは周囲の空気を飲み込むような轟音を響かせながらも迫っていく、パンプジンは咄嗟に防御姿勢を取るが、それをまともに受けて吹き飛ばされてしまう。
「何この威力……!?特攻が下がってない!?」
「まあな」
「そんな訳ない!!マジカルフレイムは触れるだけでも特攻ダウンが機能する筈……!?」
「正論だな、だが俺のジュナイパーの特性はそういうのに関与されないんでね」
「特性……!?」
「さあ考えてみな!!影縫い!!」
天へと羽ばたいたジュナイパーが頭巾から伸びている蔓を翼に張って弓としながらもそこに矢を番えた、そしてそれを引き絞りながらも狙いを定める。空中での発射に最適化されたフォームから放たれた一矢。
「パンプジンゴーストダイブ!!」
回避はダメージを負っている状態では厳しい、ならば直接影の中へという発想はゴースト使いならではだ。パンプジンは即座に影の中へと沈み込んでいくのだが……レイブンは甘いな、と悪い声で呟くと矢は先程までパンプジンがいた陰のある地面へと突き刺さると……まるで影へと毒が感染するように影の色が変貌していった。
「な、何が……」
「影縫い、その言葉の意味、理解しているか?」
「まさかっ……!?」
「パンプウウウウッ!!?」
影から叫び声と共にまるで追い出されるように飛び出したパンプジン、その身体には無数に影が帯のように走っており、身体を拘束していた。本来影縫いはゴーストタイプでもなければ後退できなくするというワザだが、それを改良し強化したのがジュナイパーの影縫い。ゴーストだろうが、透過中だろうが容赦なくその身体を縛り上げて交代を封じた上で継続的なダメージを与える影の矢。それが今の影縫いである。
「パンプウウウウッ……!!!」
「くっもう長期戦は危険、金縛り!!」
「当たるなよ、そのまま連続で影縫い!!」
金縛りに囚われない様に飛び回りながらも高速で移動するジュナイパー、だが高速で移動しながらも影縫いを連続で放って来る、空中での矢の発射はお手の物だと言わんばかりの手早さ。降り注いで矢の雨、そしてそれは地面で炸裂する上に炸裂後に一定範囲内に居れば継続ダメージを与える影を伸ばして来るという恐ろしさまで内包している。
「どうやったらこんな技を……」
「技の解釈を広げる事を忘れない事だな」
「簡単に……だったら、パンプジン、サイコキネシス!!空気を固めて!!」
「パプッ!?パ、パンプ!!」
レイブンの言葉を受けて何かを閃いたのか、ムクはサイコキネシスを指示した。パンプジンは驚きながらも迫って来る影縫いの矢からの防御を兼ねて目の前の空間にサイコキネシスを集中させた。すると空気は強固な壁となって影縫いがそこへ突き刺さって止まった。
「それを押し出せ、シャドーボール!!」
「パンンプウウウウウッ!!!」
今度は固まった空気諸共、シャドーボールで一気に押し出すという戦術に打って出るムク。それは成功してシャドーボールは芯を持つ砲弾のように一気に発射された。それを見たジュナイパーは面白い事をするじゃないかと感心する、だがそれもあくまでゴーストタイプとしては、に過ぎない。
「影縫いだ、束ねて奴だ」
「ジュ」
迫りくるシャドーボールを前にしてもジュナイパーは余裕を崩さずに新たに巨大な一矢を番えて引き絞り始める、そして限界まで引き絞ったそれを放つ。それは真正面からシャドーボールに激突するが、内部の固まった空気が慣性のままに此方へと飛び出して来ようとした瞬間に矢が爆ぜて、空気を一気に焼き尽くした。ムクはやっぱり咄嗟だからレベルが低いか、と思った瞬間、足元に何かが飛んできた。それは影縫いの矢。
「ッ―――パンプジン上!!来るよ!!」
「パンプッ!?パンプジ~!!?」
番えた矢は影縫いを数発分を一つに纏めた物、そしてそれが爆ぜると周囲に無数の矢が降り注ぐように仕込まれていた。散弾のようにばら撒かれる矢の数々、完全な飽和攻撃にムクは言葉を失いかける、しかもこれらはゴーストタイプの透過が完全に通じない対ゴーストタイプの攻撃。
「ま、守る!!」
「パ、パプッ!!!」
咄嗟に思いついた解決策、それこそが守る、守るの障壁が展開されて次々と降り注いでくる矢の雨を防いでいくが、これが無ければどうなっていただろうか……が、守るで足を止めてしまった事が致命的な判断ミスとなった。
「さあ、決めてやりな!!」
「ジュウウパアアアアッ!!!」
新たに放たれる影縫いの矢、そこに突撃するようにブレイブバードを放つジュナイパーは矢と一体化しながらも守るを展開するパンプジンへ突撃していった。降り注ぐ矢も取り込みながらも巨大化する中で、ジュナイパーはその中から抜け出すと再び上昇し、それがパンプジンへと炸裂するのを見届けながらもダメ押しの一矢を番えていた。
「パンプジン……!!」
「パ、パプッ~……」
「パンプジン戦闘不能!!ジュナイパーの勝ち!!」
ムクはパンプジンを戻しながらも降りてきたジュナイパーを見ながらも問を投げかけた。
「ジュナイパーの特性は、一体何」
「遠隔、攻撃の全てが接触技にならないって特性だ。さっきのブレイブバードもその応用でエネルギーを放出して飛ばした、これなら反動を受ける事も無い」
それを聞いてムクは益々レイブンとは何者なのかと思った、そんな事はそれこそPWCSの上位ランカーでもないと出来ない筈だが……いやこの場でこんな事を考えていても無意味でしかない。
「……力こそパワー!!力こそジャスティス!!その炎の力で焼き尽くせ、シャンデラ!!!」
「シャアアアアンッ!!」
最後の一匹として投入されたのはシャンデラ、矢張りというべきか出てきた。まあ帽子が明らかにシャンデラ帽子だし……。
「ジュナイパー、よくやった」
「ジュウッ」
ジュナイパーを戻す、そしておそらくメガシンカをして来るであろう。ならば此方も、それで応えてやろう。
「行くぜ、ゲンガー!!」「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」