週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

768 / 768
エンジョイZA:VS ムク 3rd

「シャンデラ、メガシンカで勝つよ」

「シャアアアアンッ!!」

 

帽子に埋め込まれているキーストーンへと指を添える、その姿になんか光線でも撃ちそうだなと思ったレイブン。だがそれらとは裏腹に輝きがシャンデラへと注がれていく、メガシンカの繭から孵ったシャンデラ、名が体を表すと言わんばかりの姿となっていた。身体が一回り大きくなり、ランプ状の腕の数が増加した為に豪華絢爛な城にあるであろう巨大なシャンデリアのような姿に変容を遂げた。そしてよく見るとオッドアイとなっており、左目の光が消えているような色になっている……あの瞳を見つめていると奇妙な事に力を奪われているかのような錯覚を覚える。シャンデラの事を踏まえるとあれは冥界に繋がる窓なのかもしれない。

 

「此方も行くぞゲンガー!!」

「ゲヒャヒャヒャヒャ!!!」

「ルールに縛られる事も無く、ただ気儘に漂う亡霊、世界を見下せ、邪悪に好き勝手に笑え!!至れ、メガシンカァ!!!」

「ゲンガアアアアアアアア!!!!」

 

メガシンカを行ったゲンガー、その姿は異様なものと言える。頭の角や両腕、尻尾が大型化し、非常に鋭角的でワイルドな姿へと変化しているが、それ以上に脚が無い。正確に言えばあるのだが、メガゲンガーの足は常に異次元空間へと沈み込んでいる。そんな空間と接続されている為かメガゲンガーの身体には不可思議なエネルギーで満ち満ちており現在も研究の対象とされている。そんな空間を観測する為か、額には第三の目が浮かび上がっている。

 

「メガ、ゲンガー……!!」

 

ムクはその存在を極めて警戒していた、これまでのゴーストタイプ性質の力を鑑みてというのもあるが……それ以上にメガゲンガーのパワーはメガシャンデラにこそ及ばないと言われているが、それでもメガシンカポケモンの中でも上から数えた方が早い。事実、メガシャンデラの特攻種族値は175、これより上はデオキシスのアタックフォルムの180しかいない。そしてメガゲンガーのそれは170。ムクの警戒は極めて正しい。

 

「様子見は無し、全てを注ぎ込むだけ!!火炎放射!!」

「シャアアアラァァァ!!!」

 

その火炎放射は青白かった、メガシンカの影響か温度が極端に高まっているのがよく分かった。猛火の特性を持つポケモンが放つそれと変わらぬ威圧感を放つが、ゲンガーはそれを嘲笑うように声を上げながらも片腕を、まるで砲門のように差し向けた。

 

「シャドーボール!!」

 

その指示と同時に指に紫が重なったような黒いエネルギーが指へと集められていく、それは異空間空間と接続されている故か。集められたエネルギーを人差し指へ収束、それを銃のハンドサインのように構える。そしてボンッ、とまるで子供が遊ぶような声で放たれた。が、それとは裏腹に放たれた瞬間に周囲に爆風が巻き起こって思わずアンがアランの足に捕まってしまう程の凄まじい風圧を生み出していた。

 

真正面から激突する火炎放射とシャドーボール、が、シャドーボールは火炎放射を一瞬たりとも拮抗を許さずに押し込んでいく。

 

「シャ、シャン!?シャアアアアアッ!!!」

 

だがメガシンカの意地がある、と言わんばかりに火力を上げて大量の炎で包み込んで強引に誘爆を招くのだが……シャドーボールは内部に幾つにも爆薬が仕掛けてあったと言わんばかりに連続で爆発して火柱が天へと伸びた。まるで死者への手向けの十字架のように伸びたそれを見たシャンデラはふざけた事を……!!!と怒りをあらわにする、が

 

「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!!!ゲ、ゲンガガガガガ、ヒャヒヒャヒャ!!!」

 

涙すら浮かべながらもシャンデラの様子を見て爆笑するゲンガー、どうだよお前に手向けてやった炎の十字架だぜ、綺麗なもんだろ、ギャハハハハ!!!と言っているようにレイブンには感じられた。相変わらず相手をおちょくるのが大好きな奴だ、ゴーストタイプ相手に十字架を送るとか……しかも炎で。

 

「シャアアアアデラアアア!!!」

「シャ、シャンデラ!!?」

 

シャンデラはムクの指示を聞かずに連続で鬼火を発射、瞬時にゲンガーを取り囲んだ鬼火へと向けてシャンデラは大文字を放った。大文字と鬼火は即座に結合、紫焔の火柱となってゲンガーを飲み込んだ。

 

「ゲ、ゲンガァッァァッ……ガアアアアアアア!!!」

 

内部から響いてくる苦しみにもがくようなゲンガーの声にシャンデラは人を馬鹿にするからだ!!と言わんばかりに声を荒げる、ムクとしては指示を聞かずにやったことは咎めなければならないが、悪くない手ではあったとシャンデラを褒めてやろうとした瞬間、地面からニュルンと手が伸びて来るとシャンデラを地面へと引きずり込んだ。

 

「シャ、シャン!?」

「ガアアアアッ―――ゲンガアアアヒャヒャヒャヒャヒャハ!!!」

「ゲ、ゲンガー!!?どうして炎に飲まれたはず!?」

 

そう、地面から現れた手はゲンガーのもの。ゲンガーは透過しながらもシャンデラを地面へと引きずり込んだのだ、しかもご丁寧に手だけは透過させずにシャンデラを掴み、本物の地面へと埋まるようにしつつもシャンデラを嘲笑って。

 

「メガゲンガーの足は異次元空間に沈んでいる、だったらそこに全身を沈めてやる事は可能だと思ってね。俺のゲンガーは意地が悪くてね、喰らってもいない技を受けているようにしてみせる事も大好きなんだ」

「くっじゃあ今の不発だったんだ……!!シャンデラ、地面から抜け出して!!」

「シャアアアンシャンッ!!?シャン、シャアンッ!!!?」

「ど、如何したのシャンデラ!?」

 

地面に埋まってしまっている身体を透過して引き上げようと試みているシャンデラだが、それが全く出来ないのか混乱の極みの中に陥っている。それもその筈、それをゲンガーが全力で妨害しているのだから。

 

「ゲヒャヒャヒャヒャヒャ!!!」

「意地が悪いぞゲンガー、シャドーボール」

「ゲエエエンガアアアアアアッ……ギャアアアア!!!」

 

両手を合わせると先程の物よりも更に巨大なシャドーボールを生成、そしてそれを未だに動けずにいるシャンデラの目の前へと移動し、笑顔を浮かべてから顔面へと叩きつけた。地面を抉る程の大爆発の中からシャンデラは弾き飛ばされ、メガシンカが解除され、目を回してしまう。

 

「シャンデラ、戦闘不能!!ゲンガーの勝ち、よって勝者、レイブン殿!!」

「ゲンガァ~ッガ~♪」

 

メガシンカが解除されながらもイエ~イ勝った~と素直に喜んでいるゲンガー、こういう所は割と素直なのだが……それ以外の所が本当に酷い。ゲンガーを戻しながらもシャンデラを同じく戻しているムクへと歩み寄る。

 

「悪い、ゲンガーが不快にさせた」

「別にいい、悪戯好きなのはゴーストじゃ当たり前、そしてそれに負けるのは悪戯や悪巧みで負けたも同義、文句を言う権利はない。だけど―――何時かリベンジさせて」

「勿論、何時でもどうぞ」

 

ムクは少しだけ笑いながらもレイブンの握手に応じる、シローに勝ったのはマグレではなく紛れもない実力……この男、侮れない。と思いつつも

 

「ゴーストタイプの解釈の拡大って……どういう風にやればいい……?」

「割と簡単だぞ、技が持つ性質を広げていくだけでいい。クッソ分かり易い例だそうか?サトシのリザードンがフィールドを焼き尽くす的なあれ」

「ああ、そういうのでいいんだ……」

 

「ムクもレイブン殿から学ぶことがありそうですな!!さて、アン殿、次は私と稽古をして見ましょうか。基本を一度強く認識したうえで今度は今できる応用をやってみましょう」

「はいなのです!!あっえっと、オ、オスなのです!!」

「……成程、愛娘が可愛く見えるというのはこういう感覚なんだろうな……(カルネさんの気持ちが少しわかった気がする)」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

居酒屋で出会ったおっさんと軽いノリで作った組織(作者:エドモンド橋本)(原作:ポケットモンスター)

 居酒屋でサカキ様と相席になった青年が、ロケット団をボロクソ言った結果、新たな組織のボスにさせられる話。▼ ※閑話にて擬人化あり


総合評価:22003/評価:8.38/連載:133話/更新日時:2025年08月11日(月) 22:20 小説情報

【完結】すごいよ!! マサルくん(作者:わへい)(原作:ポケットモンスター)

 剣盾をプレイしたことがない大学生がマサルに転生してユウリやホップと一緒にガラル地方で色々がんばるお話。▼※マサルさんがガラルに「セクシーコマンドー」を広めていくお話ではありません。▼【注意事項】▼・バトルはノリと勢い、演出重視です。▼・ゲームのシステムを考慮しない場面があるかもしれません。▼・進化条件などがゲームと異なるかもしれません。▼・本来出現しない場…


総合評価:34419/評価:9.28/完結:97話/更新日時:2026年07月08日(水) 21:03 小説情報

ニューサトシのアニポケ冒険記(作者:おこむね)(原作:ポケットモンスター)

もしサトシ君に前世の記憶が蘇って、アニポケやゲームの知識を持ったニューサトシになったらこうなっちゃったというお話。▼世界観はアニポケですが、ゲーム、ポケスペ、独自解釈、オリジナル要素を含みます。▼アマゾンプライムビデオでアニポケ見たら書きたくなったのですが、作者は小説を初めて書くので文章がおかしい所があるかもしれません。▼作者はポケモンにわかです。▼【挿絵表…


総合評価:30935/評価:8.97/連載:349話/更新日時:2026年06月25日(木) 20:00 小説情報

アニポケ転生者物語(作者:投稿者)(原作:ポケットモンスター)

物心ついた時、主人公はこの世界がアニメ『ポケットモンスター』の世界だと気づいた。▼リーグ制覇や最強を目指すつもりはない。ただ、この世界の空気を吸い、ポケモンたちと触れ合う「エンジョイ勢」として生きていきたい。▼そう思っていたはずが、旅立ちの日に母から託されたのは、シルフカンパニー製の試作デバイスと、データ収集用のポケモン「ポリゴン」。▼オーキド博士から貰った…


総合評価:1835/評価:7.38/連載:350話/更新日時:2026年07月07日(火) 23:47 小説情報

俺、サトシになってました(笑)(作者:黒ソニア)(原作:ポケットモンスター)

気がついたらアニポケの主人公:マサラタウンのサトシに転生した平凡な一般人。▼転生憑依したものの、アニポケと全く異なる展開に戸惑ったり、様々なトラブルに遭遇したり……甘酸っぱい青春を送ったりする。▼そんな彼が頑張って『ポケモンマスター』を目指す物語だ。▼作者はポケモンにわか初心レベルなので、ご了承下さい。


総合評価:11059/評価:8.55/連載:97話/更新日時:2026年07月27日(月) 06:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>