週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

787 / 815
エンジョイZA:暴走の始まり。

「アランさん大丈夫なんでしょうか」

「まあ端的に言って大丈夫じゃないと思うけどな、これまでの情報を総合すると……」

 

ハルジオから礼を言われつつも、アランはその後に続いてユカリの元へと向かっていった。色んな意味で不安と心配が募る訳だがアランだって伊達にカロスリーグで優勝してないしPWCS本選トーナメントに参加出来る程の実力者だ、まあ多分大丈夫……だろう。

 

「しっかし……」

「どうしたのです?」

「配信したくなってきた……」

「あ~シトロンさん以来全然なのです」

 

いつでもやめてもいい趣味ではあるが、それでも既に生活の一ルーティンとなっているので色んな意味でやっておきたい。と言いたい所が無思考でやってしまうと自分がカロスに居る事が分かってしまう……。

 

「ホント、PWCSで優勝すんじゃなかったわ……」

 

アンは何とも言えない顔をする、カルネは出るからには優勝を目指していたしポケモントレーナーとしての一つの到達点として目指していた高みに立ってしまったラビはそれに深い後悔と全く自分のメリットがない事に辟易していた。一時の感情で出てしまった事を後悔し続けている。

 

「まあ今更言っても―――」

 

そんな時、スマホロトムが激しく鳴り響いた。それは緊急時に発せられる着信音だ、急いで出てみると相手はマスカットだった。

 

『レイブン様、今宜しいでしょうか。暴走メガシンカを検知致しました』

「俺に声を掛けたって事は、行けって事だよな」

『はい、申し訳ありませんが……』

 

MZ団はメガシンカを相手取れる程の実力はまだない、AZとフラエッテ、もしくはフラエッテを借りて出るしかないのだろうが……そういう訳なら致し方ない、アランはアランでユカリの元に行ってしまったし……。

 

「それで数は」

『幸いな事に一体です』

「んじゃ俺が……」

 

行くと言おうとしたらアンが確りと服の袖を掴んで来た。自分を置いて行けると思わないでくださいね?と言いたげなキラキラな瞳と自信満々な顔、ハッキリ言って連れて行きたくはないんだが……と思うのだが、フーパの一件があると自分の知らない間に迷い込んだ時の為に対処法というか経験する必要があると考えてしまう……考えすぎなのかもしれないが……

 

「ハァァァァァ……分かった分かった、マスカット場所は」

『暴走メガシンカポケモンの情報と共に転送致します』

 

転送されて来たのは住宅地の屋根の上、なんつう所に出やがったんだ……と言いたくなるのをグッと抑えながらも通話を切りながらもアンに溜息交じりに言う。

 

「いいか、絶対に危ない事はするなよ。俺だって守り切れないかもしれないんだからな」

「ラジャりました!!」

「本当に分かってんのかねぇ……」

 

色々と物申してやりたい所があるのだが、兎も角暴走メガシンカの元へと急ぎながらもマスカットが転送してくれた相手の情報を確認するのだが……それを見ながらもナンジャモに連絡してとあるポケモンを転送して貰った。恐らく適任だろう、そんな事を思いながらもホロベーターを活用して屋上へと上がりながらも屋上を駆け抜けていく。

 

「遅れるなよムーランド!!」

「ムウラァッ!!!」

 

まるで忍者のように屋根の上や屋上を駆け抜けていくレイブン、その足取りには全く無駄がなく、時にはスマホロトムの安全機構を利用、逆にロトムに足場になって貰って大ジャンプしたりと、絶対にマサラ人の事を言えないような身体能力を発揮していく。これらも旅の末に培われたあれこれなのだ。

 

「す、凄いのです、まるで空を飛んでるみたいなのです……!?」

 

屋上を共に駆け抜けていくムーランドもこの程度なら容易い事、その背中に乗っているアンはまるで空を走っているような錯覚を味わっていた。激しく動いているのにアンにはそこまでの振動はなく、身体の上下による視点の変化とスピード感による高揚感が身体を突き抜けている。

 

「わあぁぁっ凄いのです~!!!」

「やれやれ」

 

分かり易く元気いっぱいになっているアンに笑みが零れてしまった、あの子がこれから先の現場に行く事は避けたいと思っていた筈なのに……まあしょうがないかと最後の跳躍で道を挟んで向かい側の屋上に着地すると、丁度目の前暴走メガシンカをするというポケモン……マフォクシーがいた。メガエネルギーが全身を包んでおり、歯を食い縛って耐えているように見える。

 

「マ、マフォクシーってメガシンカするのです?」

「らしいな……マフォクシーのメガストーンは持ってなかったが……丁度いいお土産になるな」

「フォ、フォコオオ、クスィッ……!!!」

 

マフォクシーは此方に気づいたのか、必死に離れて、早く!!と言いたげに遠ざけるようなハンドサインを作っている。優しい子だ、自分が抑え切れなくなるのを理解していて一人になろうとしていたのだろう。だがその我慢をする必要もない。

 

「大丈夫だ、俺が受け止めてやる」

「クシィッ……!!!」

 

『周囲のメガエネルギー濃度が急上昇!!警告、警告!!警告!!貴方が確認している個体は暴走メガシンカします!!!』

「上等、来い!!!」

 

直後、発散されているメガエネルギーを利用し、周辺がバリアゾーンで覆われていく。メガエネルギーを利用して暴走メガシンカに対応出来るバリアゾーンを作り上げる、中々に悪くない手だ。さて―――暴走メガシンカ、どれほどのものか、体験させて貰うとしよう。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。