「リザちゃんは岩石封じ!!スピちゃんはミサイル針なのです!!」
「ライボルト、電撃波でミサイル針を打ち落とせ!!」
「岩石封じに向かって跳びはねる!!上を取るよ!!!」
漸く本気になってくれたのか、と言うよりも本気で勝ちに来たという二人。ミサイル針は電撃波で確実に撃ち落しに掛かりながらもスピードの低下を狙った岩石封じは逆に岩石封じ封じで足場として利用する。レイブンからすると最初からこの勢いで戦えよ、と言いたいが黙っておく。そしてスピアーと同じ高さまで跳び上がったミミロップは笑う、これで攻撃が届くと言わんばかりだが―――
「スピ」
「ロ、ロップ!!?」
じゃあ、と言わんばかりに一気に降下していくスピアー。それを追いかけたいが後は自由落下しかないミミロップには重力に縛られて降りる他無い、加速の手段も減速の手段も無いので、兎に角何もせずに落下するのだが
「そこで反転!!毒突き!!!」
「スッピイイイッ!!!」
「ロオオオッ……!!!?」
突然スピアーが反転しながらも急上昇、その勢いままに落下してくるミミロップへと毒突きを繰り出した。スピアーは無駄な力を使わずにスピードを、そしてミミロップの落下を利用した一撃が身体へと突き刺さる。
「負けないでミミロップ!!ピヨピヨパンチ!!」
「ミィィィ……ロップァ!!!」
「スピィッ!!?」
毒突きを喰らいながらも根性で拳を振り抜いたミミロップ、流石に腰も入れる事が出来ないテレフォンパンチだが、スピアーを弾き飛ばすには十分すぎる一手だった。
「今だリザードに10万ボルト!!」
「ラアアボオオオオッ!!!」
「ドラゴンテールなのです!!」
ミサイル針の妨害が完全になくなった瞬間を狙っての10万ボルトを放つライボルト、しかしリザードは一切慌てる事も無く、ドラゴンテールで電撃を地面に弾いて防御する。
「草分けから10万ボルト!!」
スピ-ドアップ目的の草分けからの10万ボルトを放って来るが、走りながらなのもあって狙いが定まっておらず躱すまでも無いのだが、アンはそれを見つつも視線をスピアーのそれを確認しながらも指示を構築していく。
「スピちゃんは飛び掛かる!!リザちゃんは穴を掘るなのです!!」
「スッピッ!!」「リザッ!!!」
「ピヨピヨパンチ!!」
スピアーは文字通り、ミミロップへと襲い掛かっていくがそれを迎撃するようなピヨピヨパンチで迎撃して相殺していく。一方でリザードは勢いよく地面へと潜ってライボルトの追撃から完全に身を隠してしまう。急ブレーキを掛けながらもライボルトは彼方此方へと視線をずらす、途中でミミロップを援護するべきなのでは……と意識を向け掛けるが
「リザードに集中だ!!タウニーそっち任せる!!アンちゃんは俺達を同時に相手にするんだ、だったらこっちは有利な各個撃破だ!!」
「任された!!」
此処で漸く二人は数の利を生かす事を思いついた。アンは一人で二人を相手にしているのだから意識が分散する、だったらをそれを誘発すればいいんだと。アンからすれば今更それやるのです?という気分ではあったが有効な手段ではある。
「スピスピスピッ!!!」
「ロップロプロプロプ!!!」
「回避優先なのです!!」
「今よ仕留めるわよ!!」
スピアーはミミロップに任せて意識を集中させるライボルト、地面の何処から来るのかと言う不安を意識を研ぎ澄ませて探す。何処から来る、何処から自分を狙っているのかと……地面の揺れが徐々に収束している、もう直ぐ、もうすぐ来る……!!
「今だ、ジャンプして真下に10万ボルトを!!」
「ラボオッラアアアアボオオオオオオト!!!」
合点!!俺もそのつもりだと、シンクロした所を見せながらもジャンプして真下に電撃を放った。これでリザードにダメージを―――と思ったが、足元には何も起きていない。リザードも顔を出していない、穴を掘るで真下を取るというのは鉄板と言うよりもある意味当然の手段、真下というのは分かり易い死角であるからだ、だから狙い自体は悪くはなかったのだが……
「残念賞なのです、リザちゃん火炎放射!!」
「ゥウウウウザアアアアアアドオオオッ!!!」
「ラボオオオオオオオッ!!?」
「なっ嘘だろ!!?」
リザードは真下などに潜んでおらず、穴を開けた地面から少しだけ行った所で息を潜めていた。動いているように感じたそれは地面の中でそれっぽく動いて出していた音だった。
「硬直した固定概念ほど、恐ろしい物はないって前にやってた難しそうなアニメで言ったのです。だから実践なのです」
「だ、だからって効果抜群のそれを捨てるのか……!?」
「捨ててないのです、ライボルトの攻撃を地面で避けた、効果抜群なのです。そして―――スピちゃん!!」
「スゥウウウピイイイイッ!!!」
「ミミロオオオオッ!!?」
突然として牙を剥き出しにしたかのようなパワーを見せつけたスピアーに弾き飛ばされ、ライボルトに激突するミミロップ。ライボルトはミミロップを庇うように大丈夫かと声をかけ、ミミロップはまだいけるわ……と言いたげだが息は完全に上がっており、まともに動けるようにはとても見えない。
「どうして、急にスピアーのパワーが上がってる……!?」
「違うのです、ミミロップの攻撃が下がってるのです」
「下がって―――まさかあの技って!?」
「そう、飛び掛かるは相手の攻撃を確実に下げるのです」
スピアーに指示していたのは飛び掛かる、その性質は確実に相手の攻撃を下げるという物。それを使ってミミロップの攻撃は下げられ続けており、スピアーのそれを遥かに下回る物となっていた。途中から回避優先に切り替えたのも、十分下げたというのもあるがピヨピヨパンチによる混乱を嫌っていたから。
「さあ、フィナーレ、なのです。スピちゃんエレキネット!!!ミミロップをライボルトに押し付ける感じで!!」
「スウウウウッ……ピアピアピアァッ!!!」
お尻の針から電気の網を連続発射、それは締め付け、押し付けるようにミミロップへと覆い被さってライボルトの動きまでもを封じてしまった。エレキネットはライボルトには問題ないだろうが、ミミロップと言う仲間が網になればそうもいかない。そしてエレキネットでミミロップは素早さが下がって動きも鈍る。
「リザちゃん腹太鼓!!」
「リザリザリザァァァド……リザリザッ……ザアアアアアアアアアッ!!!」
「マズい腹太鼓じゃねぇか!!?ライボルト何とか脱出だ!!!」
「ボ、ボルルウウウウ、ラアアアアイッ……!!?」
何とか脱出を図りたいが、ミミロップを押し付けられている為に身動きが取れない。電撃さえ出せばエレキネットは破る事も容易だが……そうするとエレキネットを破る為の電撃を出すとミミロップにも大きなダメージを与えてしまう恐れがある。
「ドラゴンダイブ、なのです!!」
「リザ、リイイイザアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
腹太鼓を終えたリザードはパワー全開になった為に、メガリザードンXのような屈強な龍となってほんの一瞬だけ、宙を飛びながらも突撃してライボルトとミミロップを纏めて吹き飛ばしてしまった。その一撃はライボルトとミミロップの体力を消し飛ばしてしまい、二匹は揃って目を回し、戦闘不能となっていた。
「……負けた……」「何、も出来ずに……」
二人は相棒であるポケモンが目の前で倒れた事に膝を付いてしまった。結局、自分達はポケモンバトルをしていたのか、それともただ……そんな中でマスカットが手を叩いて二人を正気に戻す。
「お二人とお疲れ様でした、お次はレイブン様がキョウヤ様とセイカ様とバトルを致します」
促されるがままにバトルコート外へと出る二人、そんな姿を見送りながらもレイブンはスピアーとリザードを褒めるアンへと近づき、膝を付いて頭を撫でる。
「よくやったな、よくもあそこまでちゃんと指示を出せたな」
「ムフン!!」
「リザードも進化したばっかりだってのによく動けたな、スピアーもミミロップの引きつけは見事だったぞ、途中で力を抜いてミミロップが自分の攻撃低下に気づかないようにしてたな?時間稼ぎの役目をよく理解してた」
「リッザッ!!」「スッピッ!!」
ポケモンはトレーナーによく似るというか、なんでここまでムフン!!で揃うのだろうか……さてと、今度は自分の番となった。
「さあ、今度は最後まで満足させてくれるのかな?」
「させます、させてみせます!!!」
「前とは違う、そう思わせてやります!!!」