「さて、今度はまともなバトルにしてくれるんだろうな?」
首の骨を鳴らしながらも此方を見つめて来るレイブンに思わず引きそうになった背中を優しく叩いてくれたキョウヤのお陰で一歩を踏み出せたセイカは虚勢を張った。
「驚いて引っ繰り返っても知りませんからね!!」
「そりゃいい、少しでも成長してなかったら期待外れだけどな」
ケラケラと笑っているレイブンの言葉にキョウヤは苦い顔を隠すようにボールを取った、実際あの時から自分達は何処まで成長出来ているのかと言われたら微妙な所。だから自分達の全てを最初から全開でぶつけていく事位しか対処法が思いつかないのが現状。いやそれでいいのかもしれない。その程度位が格上に立ち向かう心構えとしては良いのかもしれない。
「行くぞホルビー!!」「やるよミネズミ!!」
「ボルルルルウ!!!」「ズズズミッ!!!」
「ほぅ?」
再び繰り出された親分個体の二匹だが……明確に目の輝きが変わっている。あれはトレーナーを信頼して自分の背中を預けている色合いだ、良い色合いだ、トレーナーとポケモンの個性の色が程よく混ざりつつも一部で破綻し、一部で綺麗に混ざっているという感じの色、ポプラが見たら良いピンク加減だね、と言う事間違いなしだ。
「行くぜホルビー、リベンジマッチだ!!!」「ボルルルルルルル!!」
「頑張ろうミネズミ!!」「ズッミミミミッ!!」
「何があったかなんて興味もないが、随分と関係が良くなったみたいだな、だったらそれをテストしてやるよ―――行くぞ、リザードン!!ガチゴラス!!」
「グウオオオオオウン!!!」「ゴラアアアアアスッ!!」
繰り出したのはリザードンとガチゴラスという重量級ドラゴンタッグ、いいんですリザードンもドラゴンタイプだとワタルさんも言っていた。
「あっリザードンなのです!!リザちゃんリザちゃん、進化したらあんなふうになるのです!!」
「リイザァ……!!!」
あんなふうになるの!?翼生えんの!?飛べんの!?と言いたげにキラキラした瞳を向けて来るリザード、アンに上を見せる為の一環として選出したのだが、悪くない選出だったかもしれない。
「焼き尽くせ!!岩石封じ!!」
「グウウウオオオオオンッ!!!」「ゴラアアアアアスッ!!!」
スタートと共に指示が飛んできたそれは極めて簡潔だった、フィールドを支配せよという事。その指令通りにリザードンは飛び上がりながらも炎をフィールドに向けて放って焼き尽くし始めると、そこへ更に地面を踏み込んで跳ね上げた無数の瓦礫、それを尻尾で打ち付けて飛ばす。
「ホルビー穴を掘る!!!」「ミネズミは岩石封じに向かって影分身、そのまま突撃よ!!!」
ホルビーは定石通りだと言わんばかりに地面に潜るがミネズミは真っ向から岩石封じにジャンプしてうまく乗りながらもそこから影分身で無数のミネズミで埋め尽くしながらも打ち付けられて飛んで来る岩石の上を跳び続けて此方へと向かって来る。
「空へ舞え!!地震!!」
「グオオオンッ!!!」「ゴオオアアアアッ!!!」
短く簡潔している指令を受け取って、龍の舞を発動させながら空へと舞い上がっていくリザードンと空に合わせて地震を放とうとするガチゴラス、だが岩石封じから無数のミネズミがリザードンへと飛びついて何とか妨害を施そうとしていく。そして―――
「「「「「ボッビボルビボッビッ!!!!」」」」」
跳び上がろうとしたガチゴラスの顔面にも地面から無数のホルビーが飛び出して顔へと飛びついて視界を奪った。技の発動直前だったこともあってか、ガチゴラスは不安定な体勢のままで地面に着地してしまい転んでしまった。その時、更に地面からホルビーが飛び出すと耳を揃えながらもドリルのように回転して突撃してきたのだが―――
「グオオオンッ!!!グオオオオオッ!!!」
それを咄嗟にリザードンが手を受け止めて投げる、そして顔面にへばりついている影分身ホルビーを軽く尻尾をぶつけて一気に消滅させてガチゴラスに手を貸して立ち上がらせる。
「ゴアアアアッ……ゴアア、ゴアア?」
「グオオオオッ……!!」
立ち上がらせて貰いながらもミネズミに集られてるけどいいの?と言われるとニトロチャージを簡易発動させて炎を纏ってそれらを焼き払うと如何やら本体のミネズミは居なかったの事を理解する。目を凝らすと本体はセイカの前にいて、投げられたホルビーを受け止めていた。自分本位な親分個体が同族でもない仲間を思いやっている……。
「影分身攪乱を此処まで一瞬で一蹴するかよ……というか余りにも効果が一瞬的過ぎる……」
「やっぱりまだまだ子供だましって事だね……」
「だけど、まだまだやられるつもりはないだろホルビーにミネズミ!!?」
「ボルルルルルッ!!!!」「ミ~ネズミミミミミッ!!!!」
キョウヤの言葉を受けてやる気満々な二匹にレイブンは思わず笑う、なんだ随分と見せてくれるじゃないか。あの自分勝手な奴らをそこまで味方にしたか、主として認められた、と言う感じではないな、友達位ならなってやってもいいぞみたいな感じがする。面倒なタイプだったみたいだ。
「さてそれじゃあ次は、別なもんでも採点してやろうかねぇ……火炎放射!!炎の牙!!」
「グオオッ!!!」「ゴラッ!!!ゴアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
リザードンが放った火炎放射に合わせて放たれた炎の牙は炎を吸収して更に大型で重厚な牙と化しながらもガチゴラスは突撃していく、それを見ながらも二人は頷き合いながらも指示を飛ばす。
「ホルビー穴を掘る!!ガチゴラスの進行上のルートの地面を崩せ!!」
「ミネズミ、それに合わせて催眠術!!!」
「ボォルビビビビビビビッ!!!!」
「甘い!!!」
「あ、足元崩されたのにそのまま駆け抜けて這い上がって来るとかマジ!!?ミ、ミネズミ催眠術中止中止!!見切り!!」
「ネッズミッ!!!?」