暴走メガシンカの予測が立ったとマスカットからの連絡を受けてホテルZに集結した一同、一部の部屋を作戦指令室として作戦会議を行う事になった。当然レイブンとアンも参加しているのにMZ団のデウロとピュールは疑問に思ったのだが、既に暴走メガシンカを鎮めているという話をされると一瞬で納得して参加を許してくれる。
「それでは会議を始めます、暴走メガシンカが予期される地点は複数。一か所はブルー地区のボンヤーリ公園で対象ポケモンはヤドラン。二か所目はジョーヌ地区3番地で対象ポケモンはバクーダ、三か所目はローズ地区9番地でウツボット、四か所目はルージュ地区5番地でカメックス」
「ルージュの5番地ってマチエールさんの直ぐ傍じゃねぇか!!?」
「うん、お世話になってる人だし直ぐに向かわないと」
「あっ!!」
「ピュール何か気付いた?」
デウロが何か期待するような目で声を上げたピュールの方を見る、スマホロトムも取り出して何か良い事が―――
「カナリィさんの配信が始まりました」
「「「だぁぁぁぁ!!!?」」」
思わず、デウロ、キョウヤ、セイカがズッコケた。何か良い事を言うかと思って期待したのに……しかしいいズッコケだ。世界4位の芸人ナンジャモ姐さんに是非とも点数を付けて欲しい見事なズッコケ具合だった。*1
「ちょっとピュールぅ~……ミアレの危機に関する作戦会議なんだからさ……見るなとは言わないけどさ」
「今、カナリィさんが僕のチャットに反応してくださいました!!」
「話聞けやぁ!!!」
「何時もこんな感じで会議してんのかお前ら」
「まあ大体こんな感じです」
「……ただの茶番の間違いじゃねぇのか?」
「ひ、否定出来ない……」
会議として機能しているかも微妙なこの状況、レイブンは持っていた袋に息を詰めてパンパンにする。そしてアンはそれを見て耳を塞ぎ、レイブンは全力でそれをはたき潰して豪快な音を立てて、注目を集める。
「はい静かになるまで少しかかりましたってか、ごちゃごちゃ言う前にやる事やる。俺はカメックスに当たる、正直言ってこの場には8人もいるんだ、効率的に行こう。ガイ、タウニーはヤドラン、異論は?」
「無いぜレイブンさん」「アタシも」
ブルー地区ボンヤーリ公園はガイとタウニーが担当。
「デウロとピュールはジョーヌ地区3番地のバクーダだ、後こういう時ばかりは配信は後回しにしなさい。重要な仕事を疎かにしましたってカナリィに言わせる気か」
「了解であります!!」「理解しました、暴走メガシンカに集中します」
デウロはレイブンさんがリーダーでよくない?と、ピュールはこうやって説得すればいいのか……と感心しつつも受け入れる。
「ローズ地区9番地のウツボットはキョウヤとセイカが担当だ」
「分かりました」「大丈夫です、さっき連絡があってピジョットとアブソル元気になったみたいなので途中で連れて行きます」
ウツボットにはキョウヤとセイカ、如何やらポケモンセンターからの連絡があったらしく、アブソルとピジョットの健康状態も問題ないという事だ。それならばメガシンカが使える事になるので、恐らく問題ないだろう。特にピジョットは相性がいい。
「ルージュ地区5番地のカメックスは俺が受け持つ、ンでアンは」
「ついてくのです」
「ですよね……ムーランドから離れるなよ?」
「ラジャりました!!」
「返事だけは超一人前なんだから全く……」
そしてカメックスの担当になったレイブン、ついでにお供という名の随伴のアンという振り分けとなった。そしていざ向かおうとした時に作戦室へとAZが入って来た。
「皆、向かうのだな。それならば今の内にこれを渡しておこう」
AZがテーブルの上に置いたのはメガストーンとキーストーンであった。キーストーンはデウロやピュールの分、メガストーンは6つ存在している。
「これってキーストーン!!?使っていいんですか!?」
「ああ、今の内に渡しておくのがいいと判断した。そしてそれらのメガストーンはいま使えないかもしれぬが、君達ならば何れ使えるようになるだろう、アン、君にはこれだ」
そう言ってその中の一つを取ってアンへと差しだしてくれた、それはメガニウムナイト、ベイリーフの進化系を更に進化させるためのメガストーン。他もエンブオナイトだったりオーダイルナイト、ライボルトナイトにミミロップナイト、スターミナイトにズルズキンナイトとそれぞれの相棒に対応している物ばかり。
「メガストーンって凄い貴重な物なのに、なんで……!?」
「何、年寄がこれまでの人生で溜め込んだ物だ。使わずに埃を被っていた物でな、どうせ使わぬのであればこのミアレを守る為に動いてくれる若者へと譲った方が有益という物だろう」
一体これ全部で総額幾らになっちゃうんだろう……と顔を青くしているタウニーと何やら渋い顔をしているガイ、まあこれだけのキーストーンとメガストーンを見たら顔色も悪くなるのは致し方ないのだが、AZはレイブンに頭を下げる。
「済まない、其方のポケモンのメガストーンは」
「ああいいよ、俺のは自前がある。アンに渡してくれただけでもうれしいってもんよ」
持ってないメガストーンなら是非とも欲しいが期待はしてなかった。そもそも自分の相棒のメガストーンは見つかっていないし、あるのだったら是が非でも手に入れるが……
「さてと、んじゃ行こうか……ミアレを乱す暴走メガシンカを鎮圧しに」
「お~なのです、今回はカメックスですしアンもお手伝いするのありなのです?」
「あ~……カメックスのレベル次第?」