久しぶりに集中して絵を描くという事をするラビ、この絵は別に誰かに頼まれているという訳ではない。自分が好きで書いている、そんな絵でも欲しがる人はいるし応募作品として出してみるのも悪くはない。
「……うん、悪くない」
描き上げたのはキタカミの里の坂道を転がるカジッチュを追いかける進化形達という構図。思った以上にコミカルだが微笑ましい絵が出来上がった。この絵はコルサ経由でコンテストに出してみても良いかもしれないな……そう思える程の出来栄えに満足しているとスマホロトムが鳴った。
「誰からだ?」
『ラバイロト』
「繋いでくれ」
直ぐに電話は繋がった。
『……兄さんか?俺だけど今大丈夫か?』
「ああ大丈夫だ、珍しいじゃないかお前が俺に掛けて来るなんて。如何した、俺を倒せるぐらいには強くなったか」
『意地悪な事言うなよ、アンタほどポケモンの事を知ってるトレーナーもそうはいねぇだろ……俺の立場にはアンタが座るべきだと思ってる位だ』
「ハッそれこそごめんだな、俺の時から食堂を改善しようとしない学園に誰が行くか」
『それには俺も同感……俺も意見出してるんだけどなぁ……全然通らねぇんだよ……』
溜息今じりに愚痴を零しているのはラバイ、ラビの実の弟にあたる人物である。教職に就いており現在はブルーベリー学園で先生をやっている。
『俺も最近母校に赴任して最初は楽しみだったさ、一応設備とかはすげぇ新しくなってるけど……運営の態勢としてはよろしくねぇな……兄さんが嘆願して設置して貰った食材発注システムが現役なんだぜ?』
「あれ現役なのかよ!?少しは変わってると思ったがマジで全然か……」
『ああ、だけどそれを利用する生徒も多いんだぜ?中には食堂のあれらに慣れなくて体調崩しちまう子もいるらしいからな……俺の方で調理の授業を作ってなんとかフォローしてる』
これは思った以上にブルーベリー学園はオレンジアカデミーに及ばない点が多い……勝ってる点もあるだろうがその一点で全てがひっくり返る訳でもない。
『生徒の自主性を促すとかほざいてるけど、あんなの黙認して放置してるだけだぜ……他の学校行きてぇ……』
「オレンジアカデミー紹介するか?」
『ああそうか、パルデア住みだったな……マジでお願いしようかな……ああそうだ、でも良い事もあるぜ。レベの奴がリーグ部で四天王になったんだ』
「マジで?」
レベはもう一人の弟、確か岩ポケモンを主軸にした砂パ使い、そして一撃に重きを置くロマン砲信者……相棒は自分がプレゼントしたヨーギラスが進化したバンギラス。四天王とは……流石だと言わざるを得ない。
『と言っても、入れ替わりが激しいんだよ。レベの奴も負けて落ちたり、勝って就任したりの繰り返しでさ』
「それでも凄い事だぞ、おめでとうって言っといてくれ。あいつら俺には何も言わないんだな」
『恥ずかしいんだよあいつら兄さんの事大好きだからな、まあ出来が良すぎる兄貴の偉業のお陰で俺達は苦労してるんだけどな』
「黙れ。浅瀬の洞穴でタマザラシに包まれて腑抜けになった事バラすぞ」
『おいバカやめろ!!』
そういえば、弟とこんな風に話すのも久しぶりな気がする……偶にはこういうのも悪くはない。
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「フォォォォッ……ジョット」
「コジョンドさんです」
| ・おおっ可愛い!! ・格闘タイプ随一の可憐な戦士キタコレ!! ・結婚したい ・好い加減にしろ ・節操がなさすぎる。 |
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「コジョンドさんは格闘単タイプ。腕の長い体毛を鞭のようにしならせ、連続攻撃を得意とします。この体毛によってリーチは約2倍にもなっておりますが、この奥に本当の手もあります。言うなれば萌え袖という奴です」
「コジョ……」
| ・あ、あれ体毛なんだ。 ・服かと…… ・ポケモンは服を着ない。 ・ゴーリキーのあれも模様だしな ・えっじゃあ全r ・それ以上いけない。 |
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「連続攻撃が得意ではありますが、とどめの一撃は溜めて放つタイプなのでかなりのオールラウンダーですね。因みに真の強敵に出会った時はこの体毛を噛み千切ってより身軽な状態で挑みます」
| ・えっ千切るの!? ・しかも噛み千切るのかよ!? ・うっわ痛そう…… ・でも更に速くなるのか…… ・う~んスピーディ。 |
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「さてそんなコジョンドさんの特性は精神力、再生力、夢特性が捨て身です。どれも中々に強力な物ばかりで捨てがたいですが、私のコジョンドさんは再生力ですね」
| ・怯まない威嚇無効に回復、火力アップか。 ・どれも悩ましい……。 ・俺は精神力が良いかなぁ……怯みってウザいし。 ・俺は捨て身がいいなぁ…… ・主的にはどれが良いと思う? |
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「私的にはそうですね、再生力ですかね。コジョンドさんの魅力は小回りが利きつつも高いスピードから繰り出される連撃と豊富な攻撃手段です。私のコジョンドさんは兎に角フィールドを駆けまわりつつ状況の安定化を阻害する事が大得意です。猫騙しで怯ませてから蜻蛉帰りで有利なポケモンさんに交代したり、スピードを生かしつつ相手の懐に飛び込んでフェイントを織り交ぜてペースを握らせないようにしながら飛び跳ねて貰って様子を見て、機が来たら逃さず強力な技を叩き込み、何かあれば身代わりで防御しつつ蜻蛉帰りで戻って回復するみたいな」
| ・シンプルだけどエグイ……。 ・なんて呆れる程有効な手段……。 ・ああそうか、身代わりの体力消費を特性でカバーできるのか。 ・そうなると身代わりが一層使いやすくなる |
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「更に氷タイプのトリプルアクセルも組み込めば飛行タイプの対策も出来ますからね。無論これらは他の特性で実践しても強いですよ。精神力の場合はダブルバトルの適性も高いですしワイドガードで味方も守る事も出来ます。捨て身は矢張り飛び膝蹴りの威力増強というのが魅力ですね。外した時が怖いですけど、この威力は極めて捨てがたいのも事実です」
| ・可愛い上に此処まで戦術的に戦えるとは……。 ・というかヌシ、コジョンドの扱いに慣れ過ぎじゃね? ・実際コジョンドも主にぴったりくっついて離れないし。 ・相変わらずポケモンとの距離が近すぎて羨ましい……。 ・可愛いポケモンを侍らせよって……!! |
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そんな中で配信を終えたのだが、コジョンドは酷く不満げな顔をしていた。理由は明白だった。
「まあそんなに気にするなって、お前さん自慢の毛並みがそれ程に良いって事さ」
「コジョッ……ジョット」
「分かってる分かってるって」
頭を撫でられるコジョンド、配信では完全にメスだと思われているが性別はオスでメスに見られる事をかなり気にしている。まあコジョンドという種族上、見目麗しいので致し方かないといえば致し方ない。
「今度は砂パ適正ありな奴でもチョイスするかな……?」