「ワシの知略を実現させるためにメガシンカしてくれい、ドリュウズ!!!」
「ドリュウウウウウウウゥッ!!!!」
タラゴンの言葉を真正面から受け止め、気合十分に叫ぶドリュウズ、それに呼応するように輝くメガストーン、そしてタラゴンのヘルメットに埋め込まれるように輝くキーストーン、来るかと思うセイカを見ながらもタラゴンはにやりと笑う。
「さあ覚悟を決めよ、此処からは最早待ったなし!!一度決めた仕事はやめない逃げない投げださない!!無い無い尽くしのタラゴンが、相棒ドリュウズと見せつける絆の結晶を見せましょう!!メガシンカアアア!!!」
キーストーンとメガストーンが結びついて眩い輝きを放つ、メガシンカの繭を突き破って姿を見せたのは―――ドリュウズ本体の3倍はあるかという程の長い爪と角、何方もドリュウズの自慢ではあったものではあるが、それが酷く長く鋭角になっていた。メガシンカ前と比較すると、非常にアンバランスな体形をしている。
「ながっ!?でか!!?そしてカッコいい!!!」
「おおっドリュウズのカッコよさが分かるとはやはりいい嬢ちゃんだ、だがこのメガドリュウズを出した以上待ったなし。全力で貫いてしんぜよう!!」
「望む所です!!行くよカメックス!!」
「ガメエエエエッ!!!」
カメックスもやる気十分と言いたげに雄叫びを上げる、進化してホルードも倒している、2連勝中の勢いに乗ってメガシンカも怖くないと言いたげな様子だ、若い奴のポケモンってのはそれでいいのだと言いたげなタラゴン、それでいい。ただ―――此方もそれに負けないだけだ。
「カメックスハイドロポンプ!!!」
カメックスと言えばやはりこの技、という事になるのだろう。背中のハイドロキャノンから発射される高圧且つ大量に発射される水の奔流、それが一気に押し寄せて来て押し流そうとするが―――
「高速スピンじゃぁ!!!」
「ド~リュルルルルルルルルルル!!!!!」
両手を真っすぐ伸ばしてそのまま高速回転する、その回転は爪と角を本来の用途のドリルとしてではなく、言うなれば扇風機のような扱いをしているのだが……メガシンカによって身体能力が大幅に増強されている為に、まるで竜巻のような爆風を纏う。それはハイドロポンプを完全に弾いて無力化してしまっている。
「ハ、ハイドロポンプが効かない!!?」
「かっかっかっかっ!!!ワシのドリュウズは舐めちゃいかんぞ!!ブレイククローじゃ!!」
メガシンカをした事でその素早さは103にもなっており、数値だけで言えばガブリアスを1だけ上回る。しかも高速スピンの影響で素早さが上がっているメガドリュウズはカメックスが驚くほどのスピードで接近して来る。
「カメックスさっきの移動法出来る!?後ろに下がって!!」
「ガアアメッ!!!」
手足を伸ばす甲羅の穴から水を噴射しての高速移動、本来鈍重というイメージがあるカメックスを大幅に高機動化させるそれでブレイククローを回避するが―――カメックスの腹部に傷がついていた。かすった、でも完璧に躱して―――
「ド~リュゥゥゥゥ……!!!」
「そ、そうか爪が伸びてるからその分リーチが……!!」
メガシンカした事で巨大化した爪、ドリュウズ本体の三倍はありそうな程の長さのそれが圧倒的なリーチ差を生み出している。これは正直厄介だ、ハイドロポンプですら弾き、そして接近戦では一方的に爪でリーチ外から攻撃される。これはかなり厄介だ。
「岩石封じ!!!」
「ドリュウウウウウッズ!!!」
「か、殻に籠る!!!」
爪を地面へと突き刺し掬い上げて無数の岩石を一気に降り注がせて来るドリュウズ、それに対して咄嗟に甲羅へと籠って岩石封じをガードするのだが命中している、これによってカメックスの素早さは落ちてしまった。それを見たタラゴンは一気呵成に攻める事を決めた。
「お前のドリルで貫いたれぇい!!!奴の防御なんざぁお前さんのドリルで一撃だ!!ドリルライナー!!!」
「ドゥゥゥッゥゥゥルルルッルルウッルウッラアアアア!!!」
角、両爪を合わせる事で巨大なドリルを作り出したドリュウズ、そしてそのまま全身を回転させてそのドリルを起動させるが如く、凄まじい速度で向かう、掘る地面がない?なら空気を掘ればいいだろうと言わんばかりの信じられないスピードにセイカは言葉を失いながらも必死に指示を出す。
「カメックス避けて!!!」
「ガ、ガアアアメエエッ」
「逃がさん!!」
一気に、爆発的に加速するドリュウズ、これも高速スピンの影響かと言いたくなるような加速だ。そしてそれは回避しようとしたカメックスの先程のブレイククローの傷を的確に捉えた、それによって大きく体勢を崩した所へ、一気に切り返して今度はど真ん中でそれを捉える。
「ガアアアアアア、メエエエッ……!!?」
ドリルライナーがカメックスの全身を揺さぶった、それはブレイククローの追加効果である防御ダウンが発動していたのもあった。それが一撃目で想像以上のダメージをカメックスに与えて動きを止め、そして―――切り返しの一撃が、炸裂した。
「―――ガ、メエエエエッ……」
「カ、カメックス!!!?」
倒れ込んだカメックスにセイカは思わず駆け寄ってしまった、完全に目を回した戦闘不能状態だ。ラビからメガカメックスのメガストーンは貰っていた、自分は既に持っているからとカメールを持っている自分に渡してくれたが、まさかバトル中の進化を想定していなかった為に持たせていなかったのだ。
「……ううん、それでもきっと私はこれを使えなかったな、有難うカメックス、本当に有難う」
カメックスに労いの言葉を掛けながらもボールに戻す、これがメガシンカの力……分かっていたつもりだけど、トレーナーとポケモンの絆の結晶たるメガシンカ、暴走メガシンカとも違う力を感じずにはいられない。
「でもそれなら―――私達にもその力はある!!!AZさん、頂いたメガストーン、使わせて頂きます!!!行くよ、エンブオー!!!!」
「ブウウウウオオオオオッ!!!」