週刊エンジョイポケモン放送局   作:魔女っ子アルト姫

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エンジョイ:破城槌ラムパルド

ラビの自宅は元々育て屋兼農家を営んでいたという夫婦が使っていた民家を買い取った物。コルサの下でイラストレーターとして本格的に絵を描き始めようとした時にコルサに舞い込んできた話、それが他地方へと移住するので空き家になってしまう家屋のその後だった。ジムリーダーというのは唯単に強いトレーナーというだけではなく、ジムが配置されている街で何か問題があれば真っ先に頼りにされる人格者にして実力者なのである。

 

『フム……それならばいい考えがある!!ラビ!!』

『あっはい、何ですかコルさん』

『貴様にその民家の管理を任せよう!!』

『―――えっ』

 

なんて事はない。簡単に言えば使えるのに使わないのは勿体無い、そして決まった住居がない弟子の家にしてしまおうという事だった。加えて、民家には育て屋と農家時代の名残として広い庭があるので旅を何年も続けたが故に大量に所持しているポケモン達を解放する事も出来る。ラビにとっては願ってもない話だった。という訳でラビはパルデアに住む事になった、そして―――そんなラビの家に今日はお客様が来ている。

 

「ほう、ほうほうほうほうっ……これがガチグマか……ラビ君、君という友がいる私は幸せ者だな。まさか既に絶滅しているとされているポケモンとこうして対面できるとは思いもしなかった」

「そう言って頂いて光栄です、ですが一部地域にはまだ生息している可能性自体はあると思います。このガチグマだって海を渡って新天地を目指した結果としてキタカミの里にいる訳ですし」

「うむ。その意見は正しく的を射ている」

 

そのお客様というのがシンオウ地方におけるポケモン博士、ポケモンの進化をテーマとして研究をしているナナカマド博士である。博士にガチグマの事を報告したら是非ともこの目で見たいとパルデアまでやって来た、オダマキ博士並のフットワークを感じさせる。

 

「能力的に言えばどうなのかね?」

「タイプは地面ノーマルで特殊がメインですね、多分長い年月故に肉体的な面よりも其方が発達したんだと思います」

「フム……ならば原種というべきガチグマは物理とみるべきか」

「はい、ガチグマの身体の泥は鉄のように固いですけどなんとか少し剥離させて貰ってヒョウタさんとトウガンさんに送りました。なので今後は其方と提携したらいいかと」

「それは有難い、今回はそれをお願いしに来たのだよ」

 

自分を前にあれこれと言い合うラビとナナカマド、それを見てガチグマは遠い過去の記憶を想起させる。自分の背に乗っていたあの子を、そしてあの子が所属していた組織の長に酷く似ている男……ああっ本当に此処に来て良かった……だが、あの子を追放した事は絶対に許す事は出来ない。あの時あの子がどれだけ苦しんだか、どれだけ悲しんだか、それを知る自分としては絶対に……だがこの男は関係ない、胸にしまっておこう。とガチグマは穏やかな顔になりながらも木の実を食べる。

 

「いやぁ実にいい観察だった、んっこれは中々……」

「ぽに!!」

「オーガポンも美味しいってさ」

 

今日のおやつはナナカマド博士も来る事が分かっていたのでそれに合わせてスイーツピザを作ってみた。上に乗せているのはベリブの実を使ったソースとモーモーミルクで作ったクリームチーズ。それ故かチーズ大好きなオーガポンも美味しそうに食べている。

 

「いやはや大収穫だ、パルデアへと来てみて実によかった」

「そう言って頂けると助かります」

「ああそうだ、ラビ君」

「はい」

「配信に私も出して貰えることは可能かね?」

「―――へぁっ?」

 

サザレはその時の間抜けなラビの顔を隠し撮りした。

 

「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。本日ご紹介するポケモンさん―――を紹介する前に本日は特別ゲストをご紹介しようと思います」

 

・ゲスト、コラボ!?

・まさかナンジャモか!?

・いやだとしたら既に向こうのチャンネルがお祭り騒ぎになってる筈

・確かに、ナンジャモが逃す訳がない

・ナンジャモ:ラビ氏~……僕以外とコラボなんて裏切り者~浮気者~

・うぉわぁ本物!!?

 

「それではご登場していただきましょう、お願いします」

「うむ。配信をご覧の皆さん、初めまして。私はナナカマド、シンオウ地方でポケモンの進化をテーマに研究をしている。本日は彼に所用があり訪ねたのだが、折角なので登場させて貰う事にした。邪魔をするつもりはないので宜しく頼むぞ」

 

・うええええええええええ!!!!?

・ナナカマド博士ェェェェェ!!!?

・ポケモン学の権威ぃぃぃぃぃ!!!?

・とんでもねぇのが出てきた!!?

・ナンジャモ:生意気言ってすいませんでしたぁ!!!

・ナンジャモ即降参案件。

・降参RTAガチ勢。

 

「さてラビ君、今回紹介するのは何かね?」

「それでは今回紹介するポケモンは、ピッピカチュ~」

「パッルアァァァァアアアアア!!!!」

「ほう、ラムパルドじゃな」

「はいっラムパルドです」

 

・おおっ遂に化石!!

・カッコイイの来たぁぁぁぁ!!!

・マジでカッコいい!!

・ホント男ってこういうの好きよね

・恐竜が嫌いな男なんて存在しません!!!

 

「久方に見るが立派なラムパルドだ。元気にしていたかね?」

「パァァァッ……!!」

「ラムパルドは岩の単タイプで1億年以上前に生息されていたとされるポケモンさんです。現代でも極稀に生息している場所もあったりしますが、基本的には化石から復元される事が大半です」

「ラムパルドはジャングルに生息していたと考えられているポケモンで最大の武器はこの頭だ、鋼鉄並みの強度を誇る頭蓋骨は厚さが最大で30㎝以上あるとされている。その一撃を確かめる為に取り壊し予定だった高層ビルでテストしたところ、簡単に崩落させてしまった程だ」

 

・頭が最大の武器か……。

・特徴的だもんなぁ……

・しかもこれでとんでもねぇアタッカーなんだよなぁ……

・超攻撃特化型ってのは聞いた。

・マジでやばいよ。

 

「特性は型破り、そして夢特性が力尽くです。型破りは有名ですので力尽くを、私のラムパルドもそうですし」

「おやそうだったのかね?」

「はい、弟と一緒に化石を掘りに行った時に偶然一緒に見つけて、それぞれ復元したら私の方が夢特性でした」

 

・へ~弟さんいるのか

・つうかサラッと化石をWゲットってすげぇな……

・童顔の弟……すげぇ幼いのかな

・やめたれや

・逆に老け顔だったらどうするよ

 

「そして力尽くなのですが……追加効果のある技の追加効果が無くなる代わりに威力が上昇するという物です。分かりやすい例を挙げるとすれば、ラムパルドが頭突きを使ったとします。頭突きは相手を怯ませる事がありますが、それが無くなる代わりに威力が上がるといった感じです」

 

・あ~成程いやつよぉ!?

・単純な火力アップ⁉

・でも、アイアンヘッドとかの追加効果なくなるのはきついなぁ……

・効果狙いこそ狙う技とかあるもんな。

・そう思うと考え物だな……

 

「弟は火力偏重のロマン主義者なので私のズガイドスを偉く羨んでましたよ、でも最終的には自分のズガイドスを大切にしてました。型破りだって相当に良い特性ですからね」

「それには同感だ」

 

・寧ろどっちも良い特性過ぎて悩むよなぁ……

・安定して火力を押し付けられる型破りと完全ゴリ押しスタイルな力尽くか。

・どっちも好き。

・同じく。

・というか弟君いい趣味してるじゃねえか。

・お前もロマン砲、やらないか?

 

「さてそんなラムパルドですが、その最大の魅力はその物理攻撃力の高さです。通常ポケモンの中では最も高いと私は思います。最大の一撃である諸刃の頭突きを繰り出した時には物理防御特化型のドヒドイデさんを容易く突破してしまう程の破壊力、ロックブラストなどの連続系の技も覚えますので頑丈や身代わりなどで耐えて来るポケモンさんにも対応可能です」

「うむ、我々の間でもラムパルドが物理攻撃1位というのは同じ見解だ」

 

・ひぇっ……

・最早恐ろしさすら感じる

・これがラムパルドよ!!

・一撃必殺!!

・別の意味でなぁ!!

 

「そしてラムパルドは意外にも特殊技のレパートリーも豊富です。私のラムパルドは火炎放射、10万ボルト、冷凍ビームに波乗りだって出来ます。流石に特殊方面は控えめですが力尽くがある為に威力を底上げ出来るので思った以上の火力を出せます」

「波乗りまで出来るとは知らなかった、後で見せて貰えるかね?」

「大丈夫ですよねラムパルド?」

「パァァァァルルルルルド」

 

・想像以上に芸達者だ

・お前はニドキングか

・脳筋かと思ったら想像以上に色々出来る奴でやんの

・まあ早々夢特性持ちが出ない事が有難いな……

・それでも牽制としては十分なラインナップだけどな

 

「それと、ラムパルドは素早さが高くありません。草分けやロックカットなどで素早さの補強をしてみたりするのが良いでしょうね。それと攻撃特化な所があるので防御のサポートもあると安心です、化石ポケモンさんなだけあって中々お目にかかる事はありませんがそれでも魅力的な所があるのが化石ポケモンさんの不思議な所ですね」

 

 

「今回は実に楽しかった、感謝するよ。オーキド君が講座に熱中するのはこういった事があるからなのかもしれないな」

「楽しんでいただけたなら幸いです」

 

配信の後、ナナカマド博士は感想を述べたり改めてラムパルドを調べたりしたりしていたが、いつの間にか時間が大分過ぎてしまったのでもう発つ事になってしまった。

 

「ガチグマの進化に当たっては私も二人に連絡を取っておく。何かあれば君にも声を掛けよう」

「はい分かりました」

「それではサザレ君、ラビ君と仲良くな」

「はい、博士もお気をつけて」

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