ラビの自宅にある庭という名の牧場にいるポケモンの総数はかなり多い。そんなポケモン達を取り纏めるのはたった一匹のポケモン、ラビの相棒であるダイケンキ。他にも見回りなどを手伝うポケモンはいるが実質的にダイケンキが管理をしていると言っても過言ではない。
「クルォォオオ!!!」
「……ケェェェン」
溜息交じりに歩き続けているダイケンキ、隣にいるのはウネルミナモ。新入りの部類であるパラドックスポケモンの一角で最初こそ自分とラビに反抗的だったが、真っ向から捻じ伏せた結果、自分の子分となったポケモンだが……正直ダイケンキはいないものとして見ている。何故ならばハッキリ言って役に立たないからである。止めるだけでいいのに争いに乱入してボコボコにする、介入しなくていい揉め事に割り込んで逆にボコられる、正直自分の仕事が増えただけにしか思えない。
「……キィ」
ラビに相談しようかなぁ……と思ってバルコニーへと行くとそこでは難しい顔をした相棒がいた。また絵に悩んでいるのだろうか、キャンパスを前にして筆が動いていない。よく見る光景がそこにあって少しだけホッとしている自分がいる、その傍ではサザレがカメラの手入れをしている。
「う~ん……カントー編の絵は難しいな……どういう風にするか……」
「私もその時は知らないから何も言えないなぁ……そう言えばラビの旅ってどんな感じの流れだったの?最初はイッシュだったんでしょ」
「其処からカントー、ジョウト、ンでシンオウホウエンだな。サザレと会ったのは旅に出て3年目だったかな……」
「ホウエン地方じゃなかったんだね」
「その時はチケットが取れなくてな、丁度グランドフェスティバルの時期と被ってホウエンへの希望者が行列を成してたんだ」
「あ~成程ね、ラビってコンテストにはあんまり興味ないもんね」
基本的に順繰り巡っていくつもりだったのだが、時期が悪かったのでシンオウ地方へ先に行ったという経緯もある。そこでサザレと出会った数年は旅を共にした、そこで別れて……今に至るというのが自分の流れだ。
「何だよダイケンキ」
「ケン、ケンダァ」
「あ~……そう言えばアイツの事もあったなぁ……如何してるんだろうな」
「何々、如何したの」
「いやな、カントー地方を巡ってる時に一緒にいた奴がいたんだよ。初めての土地で心細かったからそれも影響してたんだろうな」
「……へぇ」
思わずサザレはそれに耳聡くなってしまった。自分の知らないラビ、そしてそんなラビと共に旅をした者がいた、それだけでどうしても気になってしまう自分がいて少しだけ笑ってしまった。
「その人は如何したの?」
「ナンパ癖が酷くてな、途中で別れを切り出したよ。やりたい事があるなら自分一人でやれって、俺も若かったしウザいって思っちまったからなぁ……今思うと幼稚な行動だったな」
「そうなんだ……ねっその人ってどんな人?」
「俺と色んな意味で正反対な奴、だな」
もう一度会いたいかと言われたらNO、もうあれの被害を被るのは懲り懲りだ。
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「アゥゥゥッゥッ!!」
「カイリューです、おっとはいはい」
| ・おおっカイリューだ!! ・サラッと超レアなポケモンを出しやがる…… ・何なら持ってないんだよこの人。 ・伝説のポケモンとか? ・幻とか? ・一定数持ってる奴おるやん幻。 |
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「カイリューは飛行とドラゴンの複合タイプです、知らぬ人が居ないドラゴンタイプの代表格と言っても良いでしょうね。カントーとジョウトのチャンピオンを兼任しマスターズエイトの一角であるワタルさんのパートナーとしても有名ですね」
| ・激レアではあるけどその一方で認知度って意味じゃ凄いよな。 ・ワタルさんのカイリューすげぇもんなぁ~…… ・ホントホント。 ・だけど、ゲットできないんだよなぁ…… ・目撃情報だけで凄い騒ぎになる位にはレアだもんなぁ……。 |
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「カイリューは16時間もあれば地球を一周出来てしまうという程の運動能力を持っており、その飛行速度は
| ・やっぱり凄いんだなカイリュー……。 ・地球一周も簡単なのか……。 ・そしてそんな一面でありながら優しい……可愛い顔してるもんな。 ・なお破壊の化身。 ・そのギャップが良い!! ・そういうもんかぁ? |
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「さてカイリューの特性は精神力、そして私のカイリューの特性が夢特性のマルチスケイルです」
| ・威嚇無効、これだけでも強い気がする。 ・でもマルチスケイルって聞いた事ないぞ俺。 ・俺も。 ・スケイルって鱗か? ・どんな特性なんだ? |
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「マルチスケイルは体力が満タンの時にダメージを半分にするという特性です。これによってカイリューの耐久力は更にエグい事になります、私もこれを利用して龍舞で攻撃とスピードを安全に上げたりできます」
| ・はぁ!!? ・ふざけんな氷技で倒せないじゃん!! ・あの、強いカイリューがその特性って凄い辛いんですけど。 ・マジそれな。 ・うわぁうわぁ……ワタルさんのカイリューが強い理由でこれか……? ・すげぇタフネスだしあり得るかも。 |
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「と言っても突破手段は豊富です。ステルスロックや猫騙し、連続技などでそれを剥がす事自体は容易なので対処法さえ心得ていればやりようはいくらでもありますし、剥がしさえすれば特性を無力化したような物です」
| ・あっそっか、高火力技じゃなくて当たりやすい技でいけばいいのか。 ・連続技だって威力ないもんな、それが元々削がれても痛手にはなりにくいし。 ・思ってた以上に何とかなるかもしれないな。 ・まあカイリューの地力、がね……? ・それを言わんでくれ……。 |
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「まあカイリューの強さは語るまでもありませんね。テラスタルまで踏まえるとそれこそ無限と言っていい程の型が存在します、神速を主軸にしたノーマルテラスタル、飛行の相性の良さを相手へと押し付け続ける飛行、苦手な氷とフェアリーを狩る為の鋼、火傷対策の炎、龍舞にとって致命的な麻痺を無力化する電気とテラスタルだけを取り上げるとしてもこれだけの型が出てきます」
| ・うわぁ……うわぁ…… ・ノマテラス神速カイリュー……コワイ、コワイ ・マズい被害者がいる。 ・此処までテラスタルと相性いいのかよ……。 ・4倍の弱点消せるだけでもやばいのに……。 |
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「その他にも炎の渦とアンコールと電磁波で相手の行動を完全に奪いに掛かる束縛型、マルチスケイルの防御性能を利用したスケイルショット……ハッキリ言って私も即座に全てには対応出来ない程の戦術があります。カイリューを持っているトレーナーは日々、カイリューの可能性を追求しているとも聞きましたが、強ち嘘ではないでしょうね」
| ・絶対真実だろそれ ・型があり過ぎて対応出来ないってバグだろ…… ・どうすりゃいいんだよ…… ・まあ、せめての救いがカイリュー自体が珍しいって事だな ・ホントそれが救いだよ。 |
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「まあ私のカイリューはまだオーソドックスです、基本は龍の舞で能力を上げつつ中遠距離からの射撃戦をしつつ隙を見て懐に飛び込んで接近戦をするみたいな感じですから。これだけでもまだ御し易い部類のカイリューなんですから怖いですねぇ」
| ・ほんまそれ。 ・カイリュー程のポケモンがそれをやるとマジで手が付けられないのにマシという事実。 ・こうしている今も新しいカイリューが生まれるのだろうか…… ・やめろ想像したくねぇ!! ・あわわわわ……。 |
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そんな大パニック一歩手前な事になりつつある配信を閉じるとカイリューが大丈夫?と言いたげに自分を覗き込みながらも描いている絵を見た。自分もそこにいる事に喜びつつも不自然に残っている余白に首を傾げている。
「ああ、そこにはあいつを加えるべきか悩んでてな……ほら一緒に旅してた」
「リュ~……?アゥゥ」
「お前は反対派か、あいつに絡まれて大変だったもんな」
カイリューとの出会いはサファリゾーン、のんびりと釣りを楽しんでいたら顔を出してきた当時ミニリュウと目が合い、呆然としながらも首を傾げると一緒に首を傾げてきた。一先ず、仲良くなろうと思ってポケモンフーズを与えたら喜んで食べた。が、ボールを投げたら逃げてしまうのでは、などと色々悩んでいたら時間制限が来てしまった。致し方なく引きあげようとしたらなんと付いてきてしまった。係員もこんな事は初めてだと困っていたが、懐かれたのだからしょうがないという事でゲットを決めた。
「まあ、取り合えず保留で良いか……よしカイリュー、久しぶりに一緒にバトルするか」
「アゥ!!アゥ!!ウリュ~!!」
この後、テツノイサハとテツノカシラ、ウガツホムラが暴れ始めたのでカイリューと共にボコボコにしてやった。