絵を描きながら自分の人生を振り返ってみれば、10年の間を旅で様々な見聞と友人を得てきた。土地が変われば様々な物が変化し移ろっていく、それも見ていて面白い物があった。その度に面倒な事があったと言えばそうなのが……それも面白味の一つだ。
「ダイケンキを常に連れていた事もその要因の一つ、ではあったな……なぁ相棒?」
「ケッ……」
何処か不愉快そうに顔を背ける相棒、だが別にラビへの不満がある訳ではない。いやな事を思いださせるなよ相棒、という意味が含まれているだけの事なのだから。他地方のポケモン、加えて珍しいポケモンであるならば否応なしに注目は集めるし、トレーナーとして結果を出していれば当然の事だったが、時には力尽くでダイケンキを奪おうとする愚か者も居たのだからやりきれない。
一度、血気盛んなトレーナーが自分の方がダイケンキを上手く使えると言って来た時は逆に自分がダイケンキと戦う事にもなった。その代わり、相手のポケモンを使う事になった。その時に使ったのは弱いと称されたネンドールだった。結局そのトレーナーは唯攻撃の指示をするだけだったのでネンドールでダイケンキを追い詰めてみせた。最終的にダイケンキが指示を全無視して突撃して自己判断で戦った時が一番きつかった。
「あいつ、今頃どうしてるんだろうな」
「キ……ケン」
「はいはいお前さんにとってどうでもいい事だったな」
結局、そのトレーナーは自分は悪くないだの指示を聞かないポケモンなどいらないだのぐだぐだ文句を連ねて帰っていった。ネンドールを放置したまま、置いていかれてしまったネンドールは如何するか困惑していた。一先ずポケモンセンターに共に行き、数日共にセンターに留まってそのトレーナーからの連絡を待ってみたが……結局ネンドールなど知らないと返されてしまった。なのでラビはそのネンドールを旅の仲間として受け入れた。
「ネ~ン」
「んっ如何した、おおっ立派に育ったな。よしこのまま収獲してくれ」
「ネン」
そんな件のネンドールはラビの下で今も生活している。牧場周辺をパトロールしながらも時折作業をしているポケモンの手伝いをしたり、それらをラビへと報告する役目をしている。ホウエンリーグでは中々に活躍してくれた逸材だ。
「お前もあいつ強いと思うだろ」
「ケン」
相棒と全く同じ意見だと思っている、あのネンドールはやれる事が多い。それらを並列的にこなす事が一番活かせる。つまり―――技のコンビネーションが一番得意なのだ。
「皆さんこんにちは、今日もポケモン育ててますか?まだまだな貴方もこれからの貴方も、此処をきっかけに一歩踏み出して行きましょう。今回紹介するのは此方」
「ネ~ン」
「ネンドールさんです」
| ・おっネンドールだ ・渋いところ来るなぁ~ ・なに、お前はネンドールの良さを分かっていない!! ・そうだぞ森の中だと凄い助かるんだぞ!! ・ネンドールを崇めよ!! ・ハイホーネンドール!!!×10 ・何この熱……? |
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「ネンドールさんは地面とエスパータイプの複合タイプです。2万年前に古代人が作った泥人形が怪光線を受けて命を宿したとされています。進化前のヤジロンさんが古代人と過ごしていたという記述がある事からゴルーグさんやゴビットさんと同じく作り出されたゴーレムのような存在なのではないかと言われています」
| ・太古のロマンだね~ ・不思議な話だ、それがポケモンとして現代でも生きてるんだからな。 ・これも神の悪戯って奴かな? ・かもしれないしそうじゃないかもしれない、ポケモンは色々あり過ぎる ・違いない。 |
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「元々は泥人形なので、水に濡れてしまうと溶けてしまうので雨の日などはサイコパワーで防水を行っているそうです。そしてお好きな方が多いのも当然です、ネンドールさんは全周囲を見渡せる8つの目を持っています。これによって基本的に死角という物が存在しませんので不意の遭遇戦などを避けたりする上ではネンドールさんは非常に頼もしい存在なんです。森の中でリングマさんとの遭遇を避けたり、いざ出会ってしまった時はテレポートで緊急脱出を行う。旅においてネンドールさんほどに頼れる警戒と脱出を両立できるポケモンさんは中々いません」
| ・あ~成程それで好きな人多いのか。 ・いや実際マジで頼りになるんだよ。エスパータイプだから出来る事も多いし。 ・壁で物理的な守りも出来るしな。 ・防御役としても助かるんだよ、俺絶対に出る時は連れて行くぞ。 ・俺も~ ・おおっ想像以上に高評価なポケモン……。 |
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「特性は浮遊のみ、常に浮いている事だけと言われたらそれまでかもしれませんが常に浮遊しているという事は攻撃にも防御にも幾らでも応用が利くという事ですので活用のし甲斐があるポケモンさんとも言えますよ」
| ・一瞬浮遊かと思ったけど、無効特性ってだけ優秀か。 ・地面タイプからしたら相手の一致を封殺してる訳だしな。 ・地面技って強いのが多いもんな ・通りも良いからな、それを頼りにする奴も多い。 ・成程……。 |
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「ネンドールさんの強みは物理面と特殊面がほぼ釣り合っている事と防御と特防が高い事です。相手の攻撃を受けつつも豊富な変化技で能力を上げつつそれらを跳ねのけてエスパーや地面だけではなく豊富なサブウェポンというべき技で攻めていく事が可能な事です。逆に攻撃が得意な相手にはパワーシェアという技で相手の火力を下げつつ、此方の火力を上げる事も可能です」
| ・へ~そんな事がってパワーシェア? ・な、何パワーシェアって ・知らん。 ・マジでわからん ・えっそんなの俺のネンドール神覚えるの? ・知らんかった ・ネンドルラーとしての自覚はないのか!!? ・じゃあお前は知ってるのか。 ・知らん ・知らねぇのかよ!! |
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「パワーシェアというのは自分と相手の攻撃と特攻を足して半分に分けるという物です。これによって元々高くない攻撃面を優秀な相手に押し付けつつも自分は優秀な相手のそれの恩恵を受けながらの強化が可能という技です。他にガードシェアという物もありますが、此方は相手が余程強力な守りを持っていない場合は使わない方が良いですね」
| ・つまり、仮に相手がガブにやったら? ・ガブはパワーダウンしつつネンドールはパワーアップてこと? ・えっツよ。 ・相手がメタグロスとかでも面白そう。 ・何それすげぇ面白いじゃん。 |
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「ネンドールさんは確かに一癖二癖もある技を覚える印象がありますね、だからこそそれを活かす為に頭を悩ませる楽しみがあります。全てを見透かす瞳を携えた浮遊する要塞ネンドール、貴方も如何でしょう」
配信を切ってネンドールを見る、幸せそうなネンドール。ホウエンリーグではそのトレーナーと対決したが、自分は敢えてネンドールを先発起用して3タテを決めた。ギャラドス、トドゼルガ、シザリガーにネンドールは勝ってみせた。勝って己の力を証明してみせた。その時ネンドールはラビのポケモンとなったような笑いを浮かべていた。
「パルデア……此処に……戦いたい」
「パルデア地方か、どんなポケモンがいるんだろうな、なあピカチュウ」
「ピッカ!!」