Tiny Dungeon Another Story   作:のこのこ大王

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最終章 運命を変えるための戦いへ

 

 風間の部隊と睨み合う魔族軍。

 

 強硬派が中心となって編成した部隊だ。

 

ゴルダ「お前達っ!!

    ここから先は、私の領土だっ!!

 

    それをお情けで生きているような人族どもに

    踏み荒らされる訳にはいかんのだっ!!」

 

 うるさく喚いているのは、強硬派の1人。

 魔界でもそれなりの地位に居る上級貴族。

 

 しかしゴルダは、焦っていた。

 正直、こんなことになるなんて聞いていないからだ。

 

 他の連中も、一瞬で終わる戦いだと笑い

 これで忌々しい魔王妃を蹴落として

 権力を握れるとしか言っていなかったのに・・・と。

 

魔族部隊長「・・・それにしてもゴルダ様。

      何故、人族は今更になって

      侵攻してきたのでしょう?

 

      奴らが攻めてくる理由が解りません」

 

 魔族部隊の部隊長は、そう首をかしげながら質問する。

 

 そもそも、強硬派が中心になっているだけで

 この場に居るほとんどの将兵は、事情を知らない正規軍なのだ。

 

 彼らからすれば、突然部隊を召集したかと思えば

 即、人族との戦争の最前線に立たされたような状態。

 

 なので状況がイマイチ理解出来ず、部隊士気も低い。

 

ゴルダ「そんなもの、この私が知る訳ないだろうっ!!

    お前らは、奴らを皆殺しにすればいいんだっ!!」

 

魔族部隊長「・・・は、はぁ」

 

ゴルダ「・・・ああ、そうだ。

 

    おい、お前っ!

    返事は、まだ帰って来ないのかっ!?」

 

 突然、思い出したかのように

 本陣の隅に立つ兵士に声をかけるゴルダ。

 

魔族兵「は、はい。

    まだ返答があったとの報告は

    どこからもありません」

 

ゴルダ「くそっ!!

    どういうことだ・・・。

 

    どうして返事が来ないんだよっ!!」

 

 目の前にあった机を勢いよく蹴り飛ばす。

 

 他の強硬派の仲間である貴族達に

 応援と今後の方針を決めるため

 伝令を出したのだが、一向に帰ってくる気配がない。

 

ゴルダ「まさか、あいつら・・・。

    この私に罪を擦り付けて逃げるつもりじゃ・・・!!」

 

 もしかしたら捨て駒にされたのでは?

 そう考えると、返事が来ないのも当然だ。

 

 なら、こんなところに居たら

 全ての責任を押し付けられてしまう。

 人族に捕まっても、魔王妃側に捕まっても

 自分は、殺される。

 

ゴルダ「ああぁぁぁぁっ!!!

 

    くそっ! くそっ!! くそっ!!!

 

    どうしたらいいんだっ!!

    どうしたら・・・!!」

 

 不機嫌さを隠そうともせず、苛立ちを声にしながら

 その場をグルグルと回りだす。

 

 そんな時だった。

 

魔族兵「あ、あの・・・」

 

 入り口を警備していた兵士が声をかけてくる。

 

ゴルダ「何だ、貴様ッ!!

    この俺に文句でもあるのかっ!?」

 

魔族兵「い、いえ。

    その・・・あの・・・」

 

ゴルダ「これ以上、私を苛立たせるなら

    その首を刎ねるぞっ!!」

 

?「首が飛ぶのは、お前の方だよ」

 

 戸惑う兵士を押し退けるように1人の人物が現れる。

 

ゴルダ「え・・・あ・・・。

    ・・・ア、ナタ・・・様、は・・・」

 

?「何せ、この私自ら殺しにきてやったのだから」

 

 その姿を見て、ゴルダは震えながら腰を抜かして

 その場に尻餅をつく。

 

 そう、ゴルダの前に現れたのは―――

 

マリア「魔界と人界を混乱させた責任は

    キッチリとお前達の命で償わせてやろう」

 

 魔王妃 マリア=ゴアだった。

 

 

 

 

 

最終章 運命を変えるための戦いへ

 

 

 

 

 

和也「・・・」

 

源五郎「・・・」

 

 互いに無言のまま見つめ合う。

 

 風間の主なメンバーが、その周囲を囲むように立っている。

 

 その誰もが、2人を止めようとはしなかった。

 いや、出来ないというべきか。

 

 交代試合は、それほどまでに重要なものであり

 これに口を挟めるのは、師範である早雲だけである。

 その早雲が、何も言わずに2人の戦いを見届けようとしている。

 

 それを師範代以下の自分達が、口出し出来る訳がない。

 それほどまでに、風間は伝統を重んじている集団なのだ。

 

 早雲が何も言わないのは

 事前に源五郎と、この話をしていたためだ。

 

 源五郎が何をしたいのか。

 そして和也に残した手紙の中身。

 その全てを知っていて、それら全てを受け入れているからこそ

 こうして自分から率先して準備を進めていたのだ。

 

 臨時で用意された場所で、これから2人の真剣勝負が始まる。

 

 さすがに魔族軍と睨み合っている状況なため

 前衛配置の者達は、敵の動きを監視しているが

 それ以外の全ての者が、今から始まる勝負を見届けようと

 集まっていた。

 

 少しして、和也と源五郎の間に早雲が立つ。

 

早雲「準備は、よろしいですか?」

 

 その問いに、和也と源五郎は

 無言のまま頷く。

 

早雲「では、これより

   『交代試合』を行います。

 

   双方、死をもっての決着を覚悟し

   互いに死力を尽くすこと」

 

 和也は、強襲型魔法剣・紅を手にする。

 

 源五郎も、儀式兵装ではない方の刀を1本手にする。

 

早雲「・・・交代試合。

 

   ・・・はじめッ!!!」

 

 そう叫んだ瞬間。

 早雲は、物凄い速さで後ろに下がって

 戦いの舞台の外へと出る。

 

 その早雲が飛び退いた場所では、既に

 剣戟が鳴り響いていた。

 

 仕掛けたのは、意外にも源五郎だった。

 

 基本に忠実な連撃。

 それは『舞』にも似た流れるような動き。

 何十年と積み重ねてきた歴史を感じる連続攻撃だ。

 

 これだけでも風間の名乗りクラスが

 目で追うのが、やっとという速さ。

 

 とてもではないが、名乗り以下では話にならない。

 

 そんな最高師範の動きに驚いている者達が

 ほとんどだが、師範代である

 大吾・善影や早雲といった役職者は

 和也の動きを見ていた。

 

 最高師範の連続攻撃を

 和也は、冷静に全て受け流している。 

 

 反撃が入れられそうな瞬間も何度かあったが

 それでも和也は、防御に徹して様子見をしている。

 

 いつもは、攻撃的な戦いをする和也らしくない動きに

 師範代達は、何かあると考え

 その動きから目を離さない。

 

 何度目かになる反撃のチャンスを無視した和也に

 源五郎も不思議に思い、一歩余計に前へと

 踏み込んだ瞬間だった。

 

 今までより少し大きい音が周囲に響く。

 

源五郎「―――ほぅ」

 

 眉を顰めながら関心する源五郎。

 

 それは、初めて和也から攻撃をした瞬間だった。

 

 源五郎が、腰に下げたもう1本の刀。

 まだ刀身が半分以上鞘に収まったままではあったが

 片手で少しだけ引き上げられ、僅かに見える刀身部分で

 しっかりと和也の一撃を止めていた。

 

和也「最初から、2本を使えよクソ爺。

 

   しかも儀式兵装の方を使わないとか

   ふざけてるのか?」

 

 源五郎は、強引に儀式兵装の刀を引き抜く。

 剣を弾かれるような形となり、後ろに下がる和也。

 

源五郎「まあ、そう焦らんでも良いじゃろう?

    準備運動は、必要じゃて」

 

 そう言いながら、ゆっくりと二刀流で構える。

 

 すると周囲に少し風が吹いたような気がした。

 

和也「殺し合いの最中に準備運動とは

   随分と余裕そうじゃないか」

 

源五郎「そう思うなら、そう思えばいい。

    くだらん挑発をしている暇があるなら

    さっさとかかってこい」

 

和也「そっちこそ。

   そんな安い挑発なんて無視するに決まってるだろ」

 

 和也は、剣先を下げながら後ろへと持って行き

 下段の構えで様子を見る。

 

 互いに警戒しながらも、じわじわと距離が詰まっていく。

 

 そして、ここでも先に動いたのは源五郎だ。

 

 まっすぐに突撃してくる源五郎に

 和也は下段から上へと切り上げる。

 

和也「―――ちっ」

 

 源五郎は、その一撃に刀を2本とも合わせる。

 しかしあくまで受け止めるように合わせただけ。

 

 和也の力を利用して、上へと浮き上がると

 そのまま蹴りを放ってくる。

 

 しかしそれを身体を横にそらして回避する和也。

 

 着地後、すぐにそのまま二刀による連撃が襲ってくるも

 これを綺麗に受け流す。

 

 3度目の攻撃を受け流した瞬間に

 和也は、蹴りを放つ。

 

源五郎「―――ッ!」

 

 狙いは、左手に持つ儀式兵装の刀。

 その持ち手に向かって蹴りを放ったのだ。

 

 並みの者なら、その一撃で

 指が折れるか、あまりの痛みに

 武器を手放すだろう。

 

 だが、源五郎は

 ごく自然に、刀を引き戻す。

 

和也「めんどくせぇ・・・」

 

 蹴りの感触から、何が起こったのかを察して

 スグに距離を取る和也。

 

和也「相変わらず、せっこいシールドだな」

 

源五郎「なあに、小さいなら小さいなりに

    使いようがあるというだけだわい」

 

 そう、蹴りが直撃する瞬間。

 非常に小さいがウインド・シールドが展開されていたのだ。

 

 再び仕切り直しとなり

 互いに武器を構える2人。

 

 しかし今度は、和也が動く。

 

 いきなり紅の刀身を飛ばして

 源五郎の正面まで走りこむ。

 

 刀身が、源五郎の正面まで飛んでいくと

 

和也「ブレイク!」

 

 爆発させて煙幕にて視界を奪う。

 

 そのまま正面から走っていき

 刀身を再構成しながら大きく跳躍。

 

 大上段からの渾身の一撃を

 源五郎の居る場所へと放つ。

 

 だがその一撃は、空を切る。

 

 その瞬間、横から迫る2本の刃。

 

大吾「―――なっ!?」

 

善影「―――ッ!?」

 

早雲「・・・」

 

 1本目は、身体を捻って回避し

 2本目は、刀の腹を肘で弾きながら

 源五郎に向かって剣を振る。

 

 和也の一撃に対し

 源五郎は、足で和也の持つ剣の柄を蹴る。

 

 それによって剣の軌道をズラして回避する。

 

 体勢まで崩れたかに見えた和也だったが

 そのままの勢いを利用して

 源五郎に体当たりをする。

 

 体当たりが来ることに気づいた

 源五郎は、バックステップをする。

 

 後ろに引き気味の相手への体当たりは

 やはり威力が低く、源五郎は

 ダメージを気にすることなく

 素早く下がりながら刀を振るう。

 

 不発に終わった体当たり。

 スグに来る源五郎の攻撃を屈んで回避すると

 起き上がりと同時に突きを放つ。

 

 それを弾いて防いだ源五郎は

 刀を2本とも上段で構えて低い姿勢を取る。

 

和也「―――ちっ!」

 

 慌てて後ろに下がる和也だが、少し遅かった。

 

源五郎「風間流 山津波(やまつなみ)」

 

 高速の上段攻撃に

 紅の刀身が耐え切れず、消えそうになる。

 

 このままでは、刀身が消え

 回避不能の一撃を受けることになるため

 和也は、押し負けるように

 後ろに大きく吹き飛ぶことを選ぶ。

 

 勢いよく地面に叩きつけられる和也。

 

和也「・・・いったいなぁ」

 

 愚痴を言いながらもスグに立ち上がる和也。

 

 一方、その戦いを見ていた

 師範代達は、驚愕していた。

 

 見たことも無いような戦い方の連続に

 それらに対する対応力の高さ。

 

 何より、自分達がその場に立っていたなら

 既に試合は、終わっていただろうという恐怖。

 

和也「前より格段に強いじゃねぇか。

   まだ強くなるのかよ、クソ爺の癖に・・・」

 

源五郎「・・・お前には、まだ解るまい。

 

    ワシは、決して出来の良い弟子ではなかった。

 

    低すぎる魔法適正。

    凡人と呼ばれる剣の才能の無さ。

 

    何度も馬鹿にされてきたし

    何度も敗北を味わってきた。

 

    それでもワシはな。

 

    最高師範を継ぐことになった。

    とても名誉なことだと喜んだ。

    ようやく苦労が報われたと。

 

    じゃが、同時に感じたよ。

 

    歴代の最高師範達が背負ってきた重圧を」

 

 そう言うと再び刀を構える。

 

源五郎「ワシは、今。

    風間歴代の最高師範達の想いを背負って立っておる。

 

    そして何より、ワシ自身の全てを賭して

    この場に立っておるのだ。

 

    もしまだ半端な気持ちでおるのなら

    今すぐにでも去れ」

 

 何度も挫折してきた中であっても

 決して源五郎は、諦めることはなかった。

 

 それでもと必死に努力し、磨き上げてきた技で

 彼は、最高師範の地位に就いたのだ。

 

 その自信が、彼を信頼する門下生達の声が

 そして歴代の最高師範達が背負ってきた重圧が

 彼を強くする。

 

和也「・・・ふざけんな。

 

   俺にだって譲れないものはある。

 

   それのためにここまできたんだ。

   文句があるなら俺を倒してから言うんだな」

 

 そう、自分にも譲れないものがある。

 ここで負けてしまっては、亜梨沙に申し訳ない。

 

 それにフィーネやリピス。

 セリナやエリナだって戦争の中に巻き込んでしまう。

 

 彼女達の笑顔すら守れないなんて冗談じゃない。

 

 ・・・我ながら女の子ばかりだな。

 

 よし、アレだ。

 ギルだ。

 ギルの奴もついでにつけておこう。

 

 これで女の子ばかりじゃなくなったぞ。

 

和也「・・・ふっ」

 

 思わず自分の中でのやり取りに笑みがこぼれる。

 

 そうだ。

 何を気負っていたのだ。

 

 俺には、やりたいことがある。

 そして、守りたいものがある。

 そのために、目の前のクソ爺を倒す必要があるだけだ。

 

和也「・・・紅では、いざって時に辛いな」

 

 そう考えるとやはり、こいつしかない。

 紅を片付け、黒閃刀・鬼影を腰から引き抜く。

 

源五郎「いくぞっ!!」

 

 気合の入った声と共に

 源五郎がこちらに迫ってくる。

 

和也「・・・」

 

 中段の構えで出方を伺う。

 

 正面まで来た源五郎は、二刀別々で左右から攻撃を仕掛けてくる。

 

 それを冷静に後ろに下がって回避する。

 

 すると、それを解っていたかのように

 

源五郎「風間流 水平斬(すいへいざん)」

 

 源五郎は、いつの間にか刀を1本地面に刺し

 両手で1本を持った状態で横薙ぎの追撃を仕掛けてくる。

 それを上手く刀で受け止める和也。

 

和也「風間流 弐式連脚(にしきれんしゃく)」

 

 そのままの体勢で連続蹴りを放つ和也。

 

 連続蹴りを避けながら

 前に突き出した足の足首を

 片手で綺麗に掴む源五郎。

 

和也「させるかっ!!」

 

 受け止めていた相手の刀を大きく弾きながらも

 その場で掴まれた足を軸に一回転して

 無理やり手を振り解く。

 

 体勢を崩しながらも、何とか逃げ出すことに成功した和也。

 だが着地した瞬間、彼が見たものは

 地面に刺していた刀を再び持って二刀流に戻り

 低い姿勢で剣先をこちらに向けている源五郎の姿。

 

和也「―――ッ!」

 

 あれは、まさか・・・。

 そう思った時点で、既に遅い。

 

 亜梨沙が使う時の構えと、妙にダブって見えた。

 

源五郎「風間流『舞』鬼刃」

 

 その呟きと共に、流れる風の如く

 連続の突きが迫ってきた。

 

和也「くっ・・・」

 

 亜梨沙よりも正確かつ力強い突きの猛攻に

 思わず後ろに下がりながらの防御となる。

 

源五郎「パワー・ウインドッ!

    スピードアップ・ファーストッ!」

 

 更に強化魔法を使って威力と速度を上げてくる。

 正直、あまり長く捌き続ける自信はない。

 

 だが・・・。

 

和也「(魔法を使ったことが仇になったな、クソ爺)」

 

 そう、魔法を使ってくれた方がありがたい。

 何故なら―――

 

和也「魔眼、開放」

 

 魔眼の力を解放する。

 すると、魔力に色彩が生まれ

 その流れを見せてくれる。

 

源五郎「―――ッ!?」

 

 金属同士が、激しくぶつかる音が響いた。

 

和也「・・・ちっ」

 

 思わず和也が舌打ちをする。

 

 鬼刃を全て避けながら放った一撃を受け止められたからだ。

 

 不満げな和也とは対照的に

 源五郎は、驚きを隠さなかった。

 

 本来、舞とは相手に反撃を許さないほどの

 高度な連続攻撃だ。

 

 しかも鬼刃は、そのリーチと手数から

 もっとも反撃しにくい技の1つである。

 

 それを受け止めるのではなく

 全ての攻撃を見切った上で

 カウンターを入れられるなんて

 源五郎の生涯でも初めてのことだった。

 

和也「はぁっ!!」

 

 鍔競りの状態から勢い良く刀を弾く。

 だが源五郎は、体勢を崩すことなく後ろに下がる。

 

 和也は、源五郎に向かって走り

 跳躍して上から刀を全力で振り下ろす。

 

和也「風間流 刀破斬(とうはざん)」

 

 対して源五郎は、刀を下から上に

 勢い良く斬り上げる。

 

源五郎「風間流 昇り龍(のぼりりゅう)」

 

 互いの獲物が、勢い良くぶつかって

 金属独特の音が響く。

 

 源五郎が、またも少し押し負ける。

 だが、後ろに戻されながらも

 刀を上段と中段に構え直していた。

 

源五郎「風間流 雪崩(なだれ)」

 

 突進から二刀を使い分け

 上段と中段からの2段攻撃。

 

和也「風間流 天征斬(てんせいざん)」

 

 対して和也は、下段の構えから

 上に向かって斬り上げる。

 

 魔眼により、その動きを完全に見切れる和也。

 

 先に来た中段攻撃を下から掬い上げるように

 受け止めならが上方向に流していく。

 

 そして、そのまま流してきた中段と

 次に来た上段攻撃をまとめて受け止める。

 

 更に一瞬だけ受け止めたのち

 身体ごと横に流れるようにすり抜ける。

 

 急に力をそらされ、前のめりになる源五郎。

 

 身体をそらした和也は、そのまま回転して

 回し蹴りをガラ空きとなった源五郎の後頭部に向けて放つ。

 

和也「風間流 烈空脚(れっくうきゃく)」

 

 完璧に決まったかのように見えた一撃だったが

 歴戦を潜り抜けてきた源五郎は、反射的にその場で屈む。

 

 相手が急に屈んだために、その蹴りは空を切る。

 

 対して屈んだ源五郎は、そのまま足払いを放つ。

 

和也「―――ッ!」

 

 片足で立っていた所を足払いされて

 和也が宙に浮く。

 

 その瞬間に見えたのは

 屈んだ状態から空いている片腕を

 上段に構えようとしている源五郎の姿。

 

源五郎「はぁっ!!」

 

 片手しか振れなかったとはいえ

 バランスを崩して倒れこむ相手への追い討ちだ。

 

 これで決まったと勢い良く振った一撃だったが―――

 

和也「風間流 飛燕脚(ひえんきゃく)」

 

 地面に身体が落ちるより先に片手をついて

 なんとそのまま片手で身体を支え

 逆立ち状態のようになる。

 

 そして源五郎の上段攻撃に対し

 刀の柄に直接、逆立ちのまま蹴りを入れる。

 

 その一撃を利用して後ろに吹き飛ぶように地面に転がり

 スグに立ち上がる。

 

 源五郎は、思わぬ一撃に一瞬怯むが

 低い姿勢で構え直してから呟く。

 

源五郎「風間流 風の章 疾風刃(しっぷうば)・連歌(れんか)」

 

 源五郎が二刀を高速で何度も振るう。

 

 すると物凄い速さで、魔力のこもった

 不可視の斬撃が、大量に連続で和也に向かって飛んでいく。

 

和也「はぁぁぁぁっ!!」

 

 飛んでくる目に見えない大量の斬撃。

 その魔力の流れを魔眼で見切り

 正面から全て斬り裂く。

 

 斬撃は、斬り裂かれて霧散するように消えていく。

 

 周囲に居る門下生や師範代。

 早雲さえも、目の前の攻防に言葉を失っていた。

 

 正直に言えば、和也がここまで強いとは

 誰も思っていなかったのだ。

 

 いつもいつの間にか練習から逃げ

 姿を消すことが多い和也。

 

 源五郎と早雲は

 その強さを認めているようだが

 正直、師範どころか師範代すらおかしいのではないか。

 

 そもそも儀式兵装を持ってない者が

 それほど強い訳がない。

 

 要するに、2人のお気に入りだからこその師範であり

 本当の師範は、早雲1人だ。

 

 そう思う者も少なくはなかった。

 

 実際、師範代達ですら本気で戦えば

 和也は、自分達より下であると思い込んでいた。

 師範になったのも、いずれ風間を継がせるための

 準備程度にしか考えていなかった。

 

 しかしこの戦いを見て

 彼らは、同じことが言えるだろうか。

 

 否、言える訳が無い。

 

 最高師範と互角に戦う少年。

 しかも儀式兵装すら・・・魔法という圧倒的な

 戦力を持たないにも関わらずにだ。

 

 そう。

 まさに今、この瞬間。

 

 初めて『藤堂 和也』という少年の

 本当の実力と、その圧倒的な才能を

 風間の者達が知ることになったのだ。

 

 

 源五郎も和也も

 互いに肩で息をしながらも

 相手から視線をそらさない。

 

源五郎「・・・和也よ。

    よう、ここまで強くなった。

 

    亜梨沙といい、お前といい

    ワシは、良い後継に恵まれた」

 

和也「・・・」

 

 源五郎は、大きく2回。

 深呼吸をする。

 

 そして―――

 

源五郎「最強を掲げる風間流。

    その創設者、風間(かざま) 一刀斎(いっとうさい)が裔(すえ)

 

    姓は、風間っ!

    名は、源五郎っ!

 

    我が一撃は、人を斬り、鬼を斬り、神すら斬る魔剣なりっ!!

    流派最高師範を背負う者として、常勝無敗の道を往くっ!!

 

    我が前に立つは、死ぬことと同義なりっ!!

    それでも立つなら容赦はせぬっ!!!」

 

 源五郎は『名乗り』を上げ、刀を持ち直して右半開の構えを取る。

 

 恐らく、今この場に居る誰もが

 最高師範である源五郎の名乗りを初めて聞いたであろう。

 誰もが、その気迫に自然と足が後ろに下がる。

 

 それは、対峙している和也も例外ではなかった。

 

 源五郎の周囲に魔力が集まる。

 それは、決して多い量でも

 練り込まれて質の高いものでもない。

 

 だが、そんな魔力の収束であるにも関わらず

 まるでフィーネ達のような強大なものに感じる。

 

和也「・・・」

 

 源五郎の気迫に、飲み込まれそうになるも

 何とか持ち直す。

 

 2人の間に風が吹く。

 

源五郎「風間流 五光(ごこう)」

 

 それは、一瞬だった。

 

 和也が大きく後ろへ吹き飛び

 設置してあった柵を薙ぎ倒して地面に倒れる。

 

 以前、亜梨沙がリピス相手に使った『三光(さんこう)』

 三本同時に刀が襲ってくるというものだったが

 源五郎は、それを更に強化し五本同時としてきた。

 

 しかも亜梨沙の時とは違い

 一箇所にまとめて威力を上げるのではなく

 五箇所バラバラに攻撃したのだ。

 

 一流と呼ばれる戦士でも

 超高速で迫る五本の刃を避ける術はない。

 

 

 誰もが決着がついたと思った、その時だった。

 

和也「・・・いって~なぁ、ホント」

 

 よろよろと立ち上がる和也を見て

 どよめきが起きる。

 

 あの一撃を受けてなお、立っているのだ。

 誰もがありえないという顔をしていた。

 

和也「今ので俺を殺せなかったのは

   致命的だったな、クソ爺。

 

   次は、確実に・・・返してやるよ」

 

 その言葉に、周囲のどよめきが大きくなる。

 誰もが、それこそありえないと口にする。

 

 だが和也は、そんなことを気にせず

 大きく一度、深呼吸をする。

 

 そして―――

 

和也「最強を掲げる風間流。

   風間の姓も、魔法も持たぬ異端なれど

   手に持つ剣は、風間の技なり。

   

   我が道を阻む者は、人であれ、鬼であれ、神であれ

   全て構わず斬り捨てるっ!

 

   流派師範の称号を背負う者としてっ!

   そして何より、一人の戦士としてっ!   

   

   風間流最高師範 風間 源五郎っ!!

 

   貴方を・・・超えるっ!!!」 

 

 和也も、全力の名乗りを上げる。

 

和也「魔眼・・・完全開放ッ!!」

 

 完全開放で、魔力が更に濃く

 より色鮮やかにその流れを見せる。

 

源五郎「・・・五光は、ワシが最高師範の位を

    勝ち取った技じゃ。

 

    まさにワシの全て。

    それを破れると言うか・・・」

 

 再び源五郎の周りに魔力が集まる。

 

源五郎「よかろうっ!!

 

    ワシの魂の一撃ッ!!

 

    破れるものなら、破ってみせいッ!!!」

 

 源五郎の叫びと共に、その一撃が放たれる。

 

源五郎「風間流 五光ッ!!!」

 

 超高速の五本の刃が、和也の逃げ場を塞ぐように

 正面だけでなく、左右からも迫ってくる。

 

 たとえ、見切っていたとしても対処出来るものではない。

 一人で五本もの刀を受け止めることなど

 出来はしないのだから。

 

 そして五本の刃は、全てが

 和也を捉えて、その身体を切り刻む・・・はずだった。

 

源五郎「―――ッ!?」

 

 確実に捉えたはずだった。

 なのに、刃が当たる瞬間に

 

 和也は・・・消えたのだ。

 

 信じられない。

 そんな想いのまま刀を振り抜くしかない源五郎。

 

 和也の幻を斬った瞬間。

 彼の耳には、声が聞こえた。

 

和也「風間流 奥義 陽炎(かげろう)」

 

 その言葉と共に、源五郎は

 胸に強烈な一撃を受けて吹き飛ぶ。

 

 一撃を受けた瞬間。

 源五郎は、思い出す。

 

 

 風間流 奥義 陽炎。

 

 それは、相手の視線を

 誘導し、見切り、外れることで

 相手に今居る位置よりも

 少しズレた位置に自身の幻影を見せる技。

 

 これは、魔法を一切使わず

 己の体術のみで、それを行うとされており

 

 どうすれば習得出来るのか。

 どうすればそのような動きが可能になるのか。

 

 そういった説明が一切無く

 ただ、そういう技が存在するということだけが

 書物に記されているだけだった。

 

 そしてこの奥義は、天才と呼ばれた

 風間 一刀斎のみが使用出来たとされている。

 

 一刀斎以降、誰もが挑戦するが

 誰一人として習得出来たものは居ない。

 

 かつて自分も習得するために努力したが

 どう頑張っても無理だったため諦めた技。

 

 

 それらを思い出し、源五郎は

 吹き飛ぶ瞬間、呟いた。

 

源五郎「・・・見事だ」

 

和也「・・・」

 

 血飛沫と共に大きく吹き飛び

 やがて地面に大の字で倒れる源五郎。

 

 ほんの数秒ではあったが

 誰もが声すら出すことが出来ず

 その光景を見ていた。

 

 そして―――

 

和也「俺の・・・勝ちだな」

 

 そう呟いた和也の声に

 早雲が意識を取り戻す。

 

早雲「お義父さんっ!!」

 

 その声に、周囲は皆

 呆然とした状態から立ち直る。

 

大吾達「最高師範ッ!!!」

 

 皆、心配して源五郎を取り囲む。

 

早雲「早く、救護班をっ!!」

 

 その場で応急処置がされて

 運ばれていく源五郎。

 

和也「・・・」

 

 急所を外したとはいえ

 かなりの傷になっていることは

 斬った和也自身が知っていることだ。

 

 それでも・・・。

 あそこでほんの少しでも手加減すれば

 きっと源五郎は、最小限の傷で避けていただろう。

 

 そうなれば、きっと次こそ確実に

 首を狙うことになっていた。

 

 だから、これが自分に出来た精一杯だと

 自身に言い聞かせる。

 

 そんなことを考えていると

 前線の警備をしている方向が騒がしくなる。

 

和也「(まさか・・・)」

 

 一瞬、最悪のシナリオが頭をよぎる。

 

 遅かったかと。

 

 だが兵と揉めながら

 こちらに歩いてくる人物を見て

 和也は、呆然とする。

 

マリア「だから、戦いに来たんじゃないって何度も言ってるだろうっ!

 

    さっさと源五郎殿に取り次いでくれっ!!」

 

和也「・・・学園、長・・・?」

 

マリア「ん? ああ。

    良い所で会えたな、婿殿。

 

    悪いが源五郎殿に取り次いで欲しい」

 

 源五郎の名を聞いて、和也は意識を取り戻す。

 

和也「もしかして、今回の件ですか?」

 

マリア「ああ。

    こちらは、戦う意思などない。

 

    だから即時停戦と話し合いの場を設けたい」

 

和也「・・・なるほど、わかりました。

 

   ですが今・・・」

 

早雲「何を言ってるんだい?

 

   今はもう、和也くんが人界の代表者だよ」

 

 和也が振り向くと、後ろには早雲が居た。

 

和也「・・・え?」

 

早雲「交代試合は、勝負が決した。

   あの試合に文句が出る訳がない。

 

   だからこそ、これからは

   和也くんが思う通りに進めるといい」

 

 その言葉を聞いて和也は

 全身に重いプレッシャーを感じた。

 

 自分の行動全てが、人界の未来を決めるということ。

 

 その重みを背負って初めて

 源五郎の言葉の意味を理解した気がした。

 

早雲「そう心配しなくていい。

   私や、亜梨沙。

   他にもたくさんの人達が協力してくれる。

 

   だから何も気にすることはない」

 

和也「・・・早雲さん」

 

マリア「・・・えっと、なんだ。

 

    話があまり見えないんだが・・・」

 

和也「ああ、すいません。

 

   とりあえず、停戦も話し合いもわかりました。

   軍も今すぐに引きます」

 

マリア「ああ、それは助かるが・・・。

 

    それでいいのか?」

 

 奥に居る早雲さんに確認を取るように

 あえて訊ねるマリア。

 

早雲「ええ。 構いませんよ。

   それが人族側の決定です」

 

マリア「わかった。

 

    こちらも軍を解散させよう。

    話し合いの席は、スグにでも開きたい。

 

    日時と場所に関しては、今夜中に使者を送るから

    あとで確認と返事が欲しい。

    では、すまないが今日はこれで失礼する」

 

 そう言うと、乗ってきた馬に乗って

 魔族側へと帰っていく学園長。

 

和也「・・・これで、何とかなった・・・のかな?」

 

 

 

 ・・・・・・・・。

 ・・・・・。

 ・・・。

 

 

 

 こうして、人魔決戦と呼ばれる戦いは

 長引くことなく終結することになる。

 

 今回、魔界側は珍しいことに

 全面的に非を認めて謝罪。

 

 国力低下を気にして処分しなかった強硬派を一掃し

 その処分を以って、正式な幕引きとした。

 

 人界は、この謝罪を受け入れると共に

 以前から魔界有利で不平等だとされてきた

 いくつかの条約の変更を要求し、実現させた。

 

 それにより、ようやく人界と魔界は

 対等な立場となったのである。

 

 これに口を出してきたのは、やはり神族の強硬派だ。

 

 魔界への制裁を主張し、これを機に

 影響力を増して四界のトップになろうという

 野心を覗かせた。

 

 だが竜界が、これに待ったをかける。

 

 今回は、被害が当事者間しかないことや

 当事者同士で解決出来ている問題を

 ややこしくする行為だと神界強硬派を非難。

 

 特使として破滅の竜ことメリィ=フレールを派遣する。

 

 その効果なのだろうか。

 

 たった、一週間で特使が帰ったことも驚いたが

 彼女が帰った後、神族強硬派は

 すっかりその勢いを失い

 しばらくの間、神王妃の邪魔をしなくなったという。

 

 ・・・あのメイド。

 絶対何かやらかしたな。

 

 そうそう。

 

 たった2人で2000の魔族兵を追い払うとか

 無茶なことをした大馬鹿娘2人だが

 いつの間にか仲良くなったみたいで

 結構、手紙のやりとりをしているらしい。

 

 

 そして学園の方だが

 やはり当面は、俺達人族が行くと

 問題が起きるかもしれないとのことで

 しばらく休学することになった。

 

 まあ学園長が、何とかするから心配するなと

 言っていたので、まあ任せることにしよう。

 

 風間の里では、何とか日々の日常が戻りつつあった。

 

 意外だったのは、皆が

 俺を本当に最高師範と認めてくれていることだ。

 

 早雲さん達から「最高師範」なんて呼ばれると

 気持ち悪くて全然慣れないなど、今後の課題も多いが・・・。

 

 最高師範といえば、クソ爺だが

 幸い、命に別状が無かったらしく

 一応怪我人として療養しているが

 ジッとせずに門下生の訓練に顔を出すなど

 前より積極的に動いている。

 

 ホント、化け物だなあのクソ爺。

 

 人界の代表者としての仕事も

 早雲さん達に助けて貰いながら

 何とかやれるようになってきた。

 

 代表者として会うリピスに

 未だに散々からかわれることを除けばだが・・・。

 

 

 そして忙しい日々は、あっという間に過ぎ去り・・・。

 

 

 一ヵ月後。

 

 俺は、小高い丘の上に来ていた。

 

 目の前には、人魔決戦の時に戦死した者の慰霊碑が建っている。

 

 その前で、佇んでいる時だった。

 

?「・・・やっと見つけた」

 

 その声は、とても懐かしく

 そしてとても寂しそうな声だった。

 

和也「そうだな、久遠。

   少し遅いぐらいだ」

 

久遠「―――えっ?」

 

 和也が、振り向くと

 そこには、驚いた久遠の姿があった。

 

久遠「アナタ・・・記憶が?」

 

和也「ほんの少し前ぐらいから・・・かな。

   ある程度は、戻ったよ」

 

久遠「・・・そう」

 

 そこで一度、会話が途切れる。

 

 気持ちの良い風が吹く。

 

 その風が吹き抜けた後。

 俺は思ったことを口にする。

 

和也「亜梨沙には、迷惑をかけたなぁ」

 

久遠「・・・ミリスとかいう娘のこと?」

 

和也「ああ。

 

   ミリスとあの場で戦うのは

   本来、俺の役目だったはずだからな」

 

久遠「でも、それは仕方が無いわ。

 

   そうでなければ、この結末は訪れなかった」

 

和也「・・・まあ、そうなんだけどな」

 

 そしてまた、会話が途切れる。

 

 何気なく周囲を見渡すと、違和感に気づく。

 

 飛んでいる鳥・風に靡く草花・流れる雲

 全てが止まっている。

 

和也「そろそろ時間なのか」

 

久遠「・・・ええ」

 

和也「・・・いけそうか?」

 

久遠「それは、大丈夫。

 

   あの娘、亜梨沙とアナタが頑張ってくれたから。

   ・・・あと、あのミリスって娘もね」

 

和也「この経験があれば、次こそきっとやれるさ」

 

久遠「あそこに向かう前に

   和也には、手伝って欲しいことがあるの」

 

和也「ん? そんなこと言うの初めてじゃないか?」

 

久遠「ええ。

   これは、文字通り

   最初で最後の大勝負。

 

   これが成功しても失敗しても

   アナタは、最後の戦いに挑むことになる」

 

和也「・・・最後、か」

 

 その言葉で、様々なことを思い出す。

 繰り返してきたいくつもの出来事が、走馬灯のように

 頭の中を駆け巡る。

 

久遠「・・・じゃあ、そろそろ行きましょうか」

 

和也「ああ、行こう」

 

 そして俺は、差し出された久遠の手を握る。

 

 すると周囲が光に包まれた。

 

 

 光が消えると、その場に居たはずの2人は

 居なくなっていた。

 

 それと同時に止まっていた世界が動き出す。

 

 そこへ、1人の少女が歩いてくる。

 

亜梨沙「・・・あれ?

    ここに兄さんが居るって聞いてきたのに」

 

 周囲を探しても誰も居ない。

 そもそも隠れられるような場所でもない。

 

亜梨沙「・・・ん?」

 

 周囲を探していた亜梨沙は

 ふと立ち止まって考える。

 

亜梨沙「兄さんって・・・誰でしたっけ?」

 

 

 

 

 

最終章 運命を変えるための戦いへ ―完―

 

 

 

 

 

・おまけ

亜梨沙編が、そのまま進んだその後の世界。

 

*風間 τ■ж―――

 

 

?「コノ世界ニ、続キナドナイ。

 

  世界ニ存在スル全テハ

  絶望トイウ名ノ願イニヨッテ消エ去ルカラダ」

 

久遠「だからって当てつけに世界1つに丸ごと干渉して

   消そうだなんて・・・」

 

 ため息をついたあと

 哀れむような目で久遠は、言った。

 

久遠「どうして、そんな願いしか持てなかったのかしら」

 

 それは、久遠では永遠に知ることが出来ないであろう願い。

 

 何故なら彼女は、その対極に居るのだから。

 

?「アア、全テ消エテシマエ」

 

久遠「とりあえず、これ以上の干渉は許さないわ。

 

   この世界は、ここで切り離して閉じさせて貰うわよ」

 

 久遠が、そう言うと

 世界そのものが停止して、やがて世界は『閉じられた』

 

 

 

 

 




まずは、ここまで読んで頂きありがとうございます。

久々に調子良く書けているので
このままラストまで突っ走れればいいな(希望)

人族編終了です。
意外と長かったです。

と言う訳で、残すは最終章のみとなります。
ということは、残り数章で
この長かった物語が終わりとなります。

あと少しなので頑張っていきます。
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