Tiny Dungeon Another Story   作:のこのこ大王

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 反撃

 

 戦いが始まって、もうかなりの時間が経っていた。

 

 しかし、各地の戦闘は

 一向に終息する気配はない。

 

 戦う力の無い者達も

 怪我人の手当てや、食事の提供。

 安全が確保されている場所なら見張りや伝令などにも

 積極的に参加していた。

 

 誰もが、それぞれ自分が出来ることで戦っていた。

 誰一人として諦めている者は、居なかった。

 

 そして彼らも

 決して諦めてなどいなかった。

 

「はっ!!」

 

 魔力の練りこまれた鋭い槍の一撃が

 強化魔導機兵の片足を捉える。

 

 だが、強力な炎盾が現れて

 その一撃を防ぐ。

 

 その直後、魔導機兵による

 大振りな腕による一撃が、アレンを襲う。

 

 咄嗟に回避するも、その威力に

 吹き飛ばされ、壁に激突する。

 

 その衝撃に思わず口から血を吐く。

 

 そこへ、魔導機兵が足をあげ

 踏み潰そうとしてくる。

 

「させるかっ!」

 

 片方に炎。

 片方に風。

 

 飛び出してきたギルが

 それぞれの強化魔法を付与した双剣で

 魔導機兵の足を受け止める。

 

 魔導機兵そのものの質量的な重量もあるが

 何より、魔力まである踏み付けに

 防いでいるギルの顔も歪む。

 

「これでどうだっ!!」

 

 起き上がったアレンが

 槍に魔力を収束させて、ギルの横から

 突き上げる。

 

 力の均衡が崩れ、足が浮き上がった形になって

 バランスを崩す魔導機兵。

 

 だが、魔導機兵の腰付近にある

 魔導砲台から今度は、無数の魔力塊が飛んでくる。

 

 明確な魔法ではないものの、それなりの威力がある攻撃が

 雨のように降って来る。

 

「やらせんぞっ!」

 

 六枚の翼を開いたヴァイスが

 横から大量の炎矢を発射する。

 

 その全てが、魔導砲台から発射された魔力塊に命中して

 空中で爆発を起こす。

 

「まさか、そこまでの魔法制御が出来たなんてな」

 

 こちらに逃げてきたギルが、愉しそうにヴァイスに声をかける。

 

「・・・」

 

 ギルの言葉には、反応せず

 ヴァイスは、ただ魔導機兵のコアを見つめている。

 

「・・・こちらの攻撃は

 ほとんど防がれている。

 

 あの魔力の壁というべき防御を何とか出来なければ

 我々に勝ち目は無いぞ」

 

 アレンが、冷静な意見を述べる。

 

 彼らが相手にしているのは、通常の魔導機兵ではなく

 力ある者をコアとした生体兵器だ。

 

 コアとなっている者の命すら燃やし尽くして魔力と成す

 まさに後先考えていない、その場限りの究極兵器。

 

「・・・あのコアにさえ届けばな」

 

「あのコアに届けば確実に破壊出来るのかい?」

 

 何気なく呟いたヴァイスの一言に、ギルが食いつく。

 

「方法が無い訳ではない。

 確実に・・・とは言い切れないが・・・

 いや、確実に破壊してみせよう」

 

「おっ、いいねぇ。

 そういう台詞があってこそって感じだな」

 

「だが、正直な所。

 近づくことさえ容易ではない」

 

 彼らは、幾度と無く接近して攻撃してきたが

 その強力な魔力や魔導砲などの武器。

 そしてその大きな巨体によって、思うような攻撃が出来ていなかった。

 

 しかも攻撃するたびに強力な反撃までついてくる。

 防御や回避でやり過ごそうにも、広範囲に強力な魔力を

 撃ち込んで来るため、どうしても防げない一撃によって

 ダメージが蓄積されていく。

 

 魔導機兵にたどり着くまでの戦闘を含め

 彼らは、長期間に渡る連戦を強いられており

 体力的にも精神的にも限界が近づいていた。

 

 

 

 

 

 反撃

 

 

 

 

 

 魔導機兵が、その巨大な拳を振り下ろしてくる。

 

「よっと」

 

 軽快な声で、その一撃を避けるギル。

 

「さすがに、そこまで大振りだと――ー」

 

 相手を見上げたギルが、咄嗟に飛び退く。

 

 その直後、ギルが居た場所に降り注ぐ魔力塊の雨。

 

「あっぶねぇ~」

 

「気を抜いているからだ」

 

 横から飛び出したアレンが

 足元を狙って槍を突き出す。

 

「ウインド・クローッ!!」

 

「ライトニング・アローッ!!」

 

 ギルの放つ雷の矢と

 アレンの放つ風爪が

 同時に魔導機兵の足元へ飛んでいく。

 

 だが、激しい魔力の衝突が起こるも

 結局は、かき消されてしまう。

 

「やっぱり、ダメか」

 

「やはり無理か」

 

 それは、同時だった。

 

 今の一撃は、まるで効果がないということが

 解っていたというようなことを同時に呟く。

 

 それに気づいてお互いに相手を見る。

 

「・・・やはり、そういうことか」

 

「それは、お互い様でしょ?」

 

 主語の無い会話だが

 2人の間に、何かしらが飛び交う。

 

「お前たち、何をしている?」

 

 その様子に、たまらずヴァイスが声をかける。

 

「な~に、お互いそろそろ保険をかけるのは

 止めにしようかって話だよ」

 

「まあこれで無理なら、本当にどうしようも無くなるからな」

 

 2人の言葉に、首をかしげるヴァイス。

 

「要するに、コアまでの道は作ってやるって話さ。

 ・・・アンタのためにな」

 

「そういうことだ」

 

 そう言うと2人は、武器を構える。

 翼を開き、魔力を収束する姿からも

 次の一撃が、特別なものだと感じ取れた。

 

 だからこそ、ヴァイスも無言で翼を開く。

 彼の誇りそのものと言ってもいい六翼が、勢い良く広がる。

 

 それを合図に、2人が走り出す。

 

 途中で止まったギルを気にすることなく

 アレンは、魔導機兵の近くまで一気に近づく。

 

 そして―――

 

「我が槍は、全てを刺し貫く魔槍ッ!

 

 たとえ四界最高の盾であっても、貫いてみせるッ!!

 

 くらえッ!!

 

 ペネトレイターァァァァッ!!!」

 

 アレンは、そう叫びながら槍を投げる。

 

 凄まじい突風をまき散らしながら、投擲された槍が

 魔力壁に激突し、一瞬でその壁を貫通し

 魔導機兵の左足首に命中すると、足首そのものを吹き飛ばすように貫通して

 更に奥へと飛び去っていった。

 

 足が潰れたことで体勢を崩す魔導機兵は

 左腕を地面について、身体を支える。

 

「さ~すが。

 ナイス壁抜きだぜ」

 

 壊れた建物の上に立っていたギルが、そんな軽口をいう。

 

 だが、彼の瞳は真剣そのもの。

 

 手には、雷魔法で形成されている巨大な弓矢。

 

「アロー・レインッ!」

 

 放った矢が魔導機兵の目の前で炸裂して無数の矢になり

 雨のように降り注ぐ。

 

 しかしそれを魔導砲が、綺麗に撃ち落としていく。

 

「ホーミング・アローッ!!」

 

 連続して放たれた矢は、魔導砲の攻撃を回避するように動きながら

 先ほどの矢雨を囮とするように、魔導砲の前へとたどり着く。

 

 魔導砲の前に迫った矢は、その正面で突然爆発すると

 周囲の矢を巻き込んで大爆発となる。

 

 それにより魔導砲は、ダメージを受けて

 一時的に動かなくなる。

 

「ウイークショットッ!!!」

 

 最後に放たれた矢は、真っ直ぐに飛ばず変則的にあり得ない軌道を描きながら

 魔導機兵に向かって飛んでいく。

 

 そして地面についた魔法機兵の腕の隙間から腕の中へと入っていく。

 

 狭い中を決してぶつからずに進み、そのまま魔導機兵の肩部の内部に到達すると

 急激に魔力が膨れ上がって大爆発を起こす。

 

 魔導機兵の肩部構造の一番弱い部分が的確に破壊され

 腕が見事に破壊されて地面に落ちる。

 

 放った矢が、これだけ正確な動きをするということは

 それだけの魔力制御が出来ていないと無理だろう。

 

 おそらくこれほどの制御が出来る者は、本当に数えるほどである。

 

 左側の足と腕が潰されたことにより体勢を維持出来なくなった魔導機兵が

 地面に倒れこむ。

 

 地面まで3mぐらいの位置まで下がってきた魔力コア。

 その場所に、いつの間にかヴァイスが入り込んでいた。

 

 少しの間、無言でコアに内蔵されている自分の姿を見つめていたヴァイスだったが

 ゆっくりと右手をコアに向ける。

 

「・・・これが、私の答えだ」

 

 そう言うと一気に魔力が膨れ上がる。

 

 その圧倒的な魔力量に、ギルとアレンは

 思わず息を呑む。

 

 これほどの魔力は、そう簡単に集められるものではないからだ。

 

 その瞬間。

 

 魔導機兵の巨体が、ヴァイスの炎魔法によって宙に舞う。

 

 ありえないほど強力な一撃に吹き飛ばされた魔導機兵。

 更に、その身体を周囲の炎がまとわりつくように集まり

 やがて巨大な龍の姿となって全てを燃やし尽くす。

 

 魔導機兵を完全に消滅させると

 3人は、その場にへたり込む。

 

「あ~・・・。

 

 何とかなったな」

 

「ああ、まったくだ。

 おかげで力を使い切ってしまった」

 

「これで、ようやく

 私は、前に進めるというものだ」

 

 それぞれが感想を口にする。

 ここまでの連戦で、さすがの彼らも

 もはや立ち上がる気力も残っていないようだった。

 

「ま、あとはお姫様達が何とかするだろ」

 

「あとは、結末を見守るだけということか」

 

「・・・それも悪くはないな」

 

 3人は、空を見上げる。

 

 その顔は、まるで勝利を確信しているかのような

 清々しい笑顔だった。

 

 

 ・・・・・・・。

 ・・・・・。

 ・・・。

 

 

 暗い建物の中で、剣戟が響く。

 

 周囲のゴーレム達は、まるで通路に立つ石造のように動かない。

 

 何故なら、それは

 ゴーレムの主が、そう命じているからだ。

 

 それは、男の自信。

 それは、男の余裕。

 それは、男の傲慢。

 

 最高の力を得た男は

 それを過信し、一騎打ちを選んだ。

 

 圧倒的なまでに押し込んでいる現状だけを見れば

 それは間違っていないようにも見える。

 

 だが、それは彼女にとって

 絶好の機会でもあった。

 

「逃げてばかりでは、勝てませんよっ!」

 

 強化魔法を利用した一撃を振り回すダレス。

 

 時折、その余波で周囲のゴーレムが破壊されるが

 まったく気にもしていない。

 

 吹き飛ばされて壁に激突したセリナだが

 何とかスグに立ち上がる。

 

 八翼による強力な魔法と

 魔眼による対魔法能力によって

 セリナの力は、そのほとんどが潰されていた。

 

 彼女の儀式兵装は

 剣状では、刀身が魔法だ。

 

 弓では、放つ矢が全て魔力矢。

 

 そして通常の魔法だけでなく強化魔法なども

 使用すれば、全て魔眼で見切られてしまう。

 

 だからこそ、槍を中心に

 普段は、あまり使用しない斧や鞭などといった

 多種多様さで、何とか戦っているという状態になっている。

 

 この世界は、魔法が中心だ。

 

 魔法の使用が前提とされている戦いにおいて

 魔法を封じられることが、これほどまでに辛いことであるということは

 経験して初めて知ることになるだろう。

 

 更に厄介なのは、相手は問題なく魔法を使えるという点だ。

 

 それによって、戦いは

 ほとんどが一方的な感じになってしまっている。

 

 だが、そんな中

 セリナは、違うことを考えていた。

 

「そろそろ大人しく死になさいっ!!」

 

 強化魔法が、これでもかとかかっている一撃を

 あえて受け止める。

 

 本来なら受け止められるはずもないのだが

 受け止める一瞬で、一気に強化魔法を自身にかける。

 

 これによって『事前にかけていたため、動きを見切られる』という

 ことを防いだのだ。

 

「小賢しい真似です。

 ですが、いつまでそれが出来ますかね?」

 

 スグにセリナの槍を払い退けると

 立て続けに剣を振るってくる。

 

 その一撃に、またもセリナは

 受け止めるような姿勢をする。

 

 ただ先ほどと違うのは

 直前に正面に大きな氷盾が展開されたという点だ。

 

「その程度の防御などっ!!」

 

 今のダレスにとって

 正面に展開された盾は、魔眼によって簡単に処理出来るものだ。

 

 構わず盾ごと、その奥に居るであろうセリナに向かって剣を振り下ろす。

 

「―――ッ!?」

 

 盾が砕けた先には、誰も居なかった。

 

 居ると思っていたセリナは、予想よりも人間1人分ほど

 横にズレた位置で、既に槍を構えていた。

 

「ハアァァッ!!」

 

 ダレスの不意をついた正確な一撃。

 

 様々な強化魔法を使用していたダレスが咄嗟に避ける。

 

 肉を切り裂くような音と共に

 大量の血が周囲に飛び散る。

 

 何とか後ろに下がったダレス。

 

 槍による一撃を放ったままの姿勢のセリナ。

 

「・・・よくも。

 よくもやってくれましたねぇッ!!!」

 

 強烈な殺気と共にセリナを睨みつけるダレス。

 

「(・・・浅かった。

  でも、思った通り)」

 

 地面に落ちたダレスの左腕を一瞬だけ確認すると

 セリナは、ダレスに向き直る。

 

「・・・アナタは、力に振り回されているだけ。

 最高の力も、それを使う者によっては無意味となる」

 

「なんだとッ!?」

 

「・・・きっと。

 きっと、あの人ならこんな手には

 引っかからなかった。

 

 八翼や魔眼は、決して万能の力じゃない」

 

「そんなはずはありません。

 

 これぞ神殺しすら可能な最高の力ッ!!」

 

 一瞬にして切られた腕が再生する。

 

 そして叫びながら襲い掛かってくるダレスの攻撃を

 綺麗に受け流す。

 

 時折、攻撃を受け止めたりもするが

 先ほどのカウンターが気になるのか

 ダレスがあまり強引に攻めてこないこともあり

 セリナは、余裕を持って攻撃を回避することが出来る。

 

 何度目かの攻撃を氷盾で防御しようとするセリナ。

 

 それをそのまま切ったダレスは

 またも、それがフェイントだと気づく。

 

 ・・・いや、気づいていたからこそ切ったのだ。

 

 その振り抜いた剣を素早く切り返して

 セリナよりも先に攻撃を仕掛ける。

 

 だが、ダレスが見たのは

 既に弓状となった儀式兵装を構えていたセリナだった。

 

 至近距離から放たれた魔力矢を

 何とか身体を捻って回避する。

 

 顔の横をギリギリ通過する魔力矢を見送るように

 首を動かして回避したダレスだったが

 視線をセリナに戻した時―――

 

「―――ッ!?」

 

 儀式兵装を剣状にして強化魔法を全力で付与し

 ダレスに向かって剣を振り抜く瞬間のセリナの姿が

 ダレスの瞳に映る。

 

 崩れた体勢では、満足に受け止めることも出来ず

 大きく吹き飛ばされて壁に激突するダレス。

 

 そう、魔眼はあくまで

 『視界内の魔力』しか視ることは出来ない。

 ダレスとの戦いの中で、セリナはそれに気づいたのだ。

 

 そしてもう1つ彼女が気づいたことがある。

 

 それは―――

 

「・・・やはりアナタは、戦士ではない。

 どれだけの力を得ても、戦いの感覚や経験までは

 補うことは出来ません」

 

 ダレスが、いくら強力な力を得ても

 彼は『魔法学者』だ。

 

 普通の相手であるなら問題にならないこと。

 

 だがダレスが相手にしているのは

 

 その神族特融の魔力制御の高さと

 理論的に相手を追い詰める変幻自在の戦いから

 二つ名を得るに至った一流の戦士だ。

 

 決して力によるゴリ押しだけで勝てる相手ではない。

 

「み・・・認められるわけがないっ!!

 

 この力こそ、最強の証っ!!

 私の研究こそ、最高なのですっ!!」

 

 周囲に待機させていたゴーレム達を次々と取り込むダレス。

 

 そして5mほどの巨体となり

 もはや人間としての形ではなくなる。

 

 セリナは、儀式兵装の剣を構えると、八翼を広げる。

 

「私は・・・ただ、あの人の剣として。

 

 あの人の前に立ちはだかる全ての障害を切り払う」

 

 急激に魔力が集まり、魔法陣が出現する。

 

「我が言葉は、太古より続く盟約を代行せしもの。

 ゆえに代行者として命ずる。

 

 古の力、元素を司る精霊達よ。

 我が呼びかけに応え、あるべき力を我が前に示せ」

 

 膨大な魔力が、セリナの儀式兵装に集まっていく。

 

 そして彼女の手には、漆黒の剣が現れる。

 

「この世界は、私が治めてこそ

 永遠の楽園となるのですッ!!」

 

 化け物となったダレスにセリナは剣を構えると

 

「ハァァァァッ!!!」

 

 掛け声と共に魔剣を『投げる』。

 

 高速で迫ってくる魔剣に、圧倒的なまでの魔力で

 障壁を作るも、全てが魔剣によって分解され

 壁の意味を成さない。

 

 ダレスは、魔眼を利用して

 何とかギリギリの位置で、魔剣を避けることに成功する。

 

 魔剣が横を通り抜ける瞬間に、腕が分解されるも

 それは、さして重要なことではない。

 

 避けた今こそが、最大のチャンスなのだ。

 

 次に魔剣を作られる前に、決着をつけてしまえばいい。

 そして彼女を取り込めば、あの魔剣すら

 自分の物とすることも可能だ。

 

「―――モード・アンサラ―」

 

 勝利を確信していたダレスは

 彼女が呟いた言葉に気づいてはいなかった。

 

 残った腕に剣を持ち、強化魔法をありったけ付与して

 振り下ろそうとした瞬間だった。

 

 ダレスの後ろから、突如何かが高速で飛んできて

 彼の背中に突き刺さる。

 

 ―――それは、セリナが投げた魔剣フラガラッハだった。

 

「な、なぜ―――」

 

 何かを言おうとしたダレスだったが

 魔剣の魔力によって一瞬にして分解されてしまい

 跡形もなく消え去る。

 

「魔剣は、決して相手を逃がしません」

 

 そう言って剣を回収したセリナだったが

 回収した瞬間、その場に倒れた。

 

「・・・少し、力を使い過ぎましたか。

 

 ・・・あとは、お願いしますね」

 

 そう言うと、彼女は気を失った。

 

 

 

 

 彼女達が戦っている頃。

 

 彼女達に負けないほどの激戦を繰り広げている者が1人。

 

「アア、愚カダ。

 ドレダケ努力シヨウトモ、貴様ニ勝チ目ナド無イ」

 

 まるでこの世全ての憎悪であるかのような

 怨念をまとった巨人が、魂すらも凍り付いてしまうような

 声を発する。

 

 普通の人間なら、その声を聴いただけでも

 発狂してしまうだろう。

 

「・・・もう、何度目だ?

 いい加減、聞き飽きたぜ、そのセリフ」

 

 既にボロボロの身体にも関わらず

 ゆっくりと立ち上がる少年。

 

「諦めるのは、お前の方だ。

 

 ・・・今度こそ、必ずお前に勝つッ!!」

 

「一体、貴様ハ何者ダ?

 

 タダノ人間ガ、ココマデ戦エル訳ガナイ。

 

 カツテ、数多クノ者達ガ我ニ挑ンダガ

 ソノ全テガ、無駄デアルト気付イテ

 我ニ降ッタ。

 

 何故、貴様ハ諦メナイ?

 何ガ貴様ヲ支エテイルノダ?」

 

「・・・俺は、ただ守りたいだけだ。

 

 彼女達を。

 

 そして、あの世界をッ!!」

 

 そう叫ぶと、黒く輝く刀を手にして

 少年は、巨人に向かって駆け出すのだった。

 

 

 

 

 

 

 反撃 ―完― 

 

 

 

 

 




まずは、ここまで読んで頂きありがとうございます。

更新が大幅に遅れてしまい大変申し訳ありません。
私的に色々とありすぎて、ちょっと時間が無かったもので・・・。
とりあえず半分ぐらいは片付いたので
まあ何とか投稿を再開できるようには、なりました。

もう最後なんだから、まとまった時間が欲しいと
思ってしまいます。
とりあえずは、更新ペースを何とか戻せるように
していこうという予定ではあります。
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