東方青透園~the Blue Sky of Myth Archive 作:架空柿
「あ、ちょっと待ってもらえる?」
レミリアは立ち上がり、近くにある棚からワインと複数のグラスを取り出し注ぐ。
「おひとつどう?」
「いや、私は遠慮しましょう」
"私も、勤務中だし……"
「あまり好きじゃない」
「釣れないわねぇ」
レミリアはいくつかのグラスを棚に戻し、注いだワインの入ったグラスを思い切り傾け、飲み干した。飲み干した後レミリアは良い感じの置き場がなくて困った様子を見せるが、咲夜が自ら回収していったために解決した。
「ごめんね咲夜、そんなに傷負ってるのに……さて、待たせたわね」
「ええ、待ったわ」
「ではまずこちらから良いでしょうか?」
「ああ、ちょっと調子狂うから敬語じゃなくていいわ」
「……そうか」
「多分この館のことでしょう?」
「ああ、よくわかったな……あぁ…………」
「霊夢よ」
「そういえば自己紹介していなかったわね。レミリアよ」
「……感謝する」
この時、少しだけ地面が揺れたが、霊夢を除く誰もが気が付かなかった。とはいっても、未知地の人を目の前にしながら気にする程の揺れでもなく、気がついたとしてもわざわざ明言しないだろう。これは霊夢も例外でなかった。そもそも幻想郷では日常茶飯事ともいえるような揺れだったのもあるだろうが。
「ここは紅魔館。元々はとある湖のほとりに建っていたのだけれど……何故かここに来てしまったわ」
「ほう……犯人に心当たりはあるか?」
「ええ」
「あ、紫は違うらしいわ」
「じゃあ分からないわ」
"あの子ってそんなに信頼というか……なんか……やんちゃしてるんだね"
一瞬、その部屋にあるレミリアの椅子の前にある空間が揺れた。しかし霊夢が揺れる空間を睨むと揺らぎは止まってしまう。
「こっちからも良い?」
「構わない」
「ここってどこなの?」
"ここはキヴォトス。数多の学園が集って構成された都市だよ"
「その中でもここはトリニティ総合学園だ」
「へえ……じゃあここに漂っている不快感の正体は?」
レミリアがそう言うと、霊夢が少し疑問を持ったような表情を浮かべた。
「……何それ?」
「あら、霊夢は感じない?」
「ええ」
"うぅん……多分神秘"
瞬間、大きな爆破音と瓦礫の散る音が鳴り響いた。片方は部屋の床から、もう片方は壁の扉から。
床から上がったのは炎。しかしながらその炎はやがて中にある人影の手に集積され……時計の針の形を成した。炎が薄くなり、煙のみになったころ、七色の宝石が光を増してその存在を燦然と主張していた。
一方、壁は最早意味を成しておらず瓦礫と化していた。頭上にはキヴォトスの生徒であることを示すヘイローが浮かんでいたが、あまりにも大きなそれは銀河と思わせるようであった。桃色の髪は床の爆破によって揺れ、双眸が部屋の至るところに向けられていた。
霊夢台詞少ない気が……