至らぬ点しかありませんがどうか温かい目で見てもらえるとありがたいです
どんな時でも弓矢は答えてくれていた
弦音が響き、矢が宙を駆ける
的の中心に当たらなかったとしても、それでも弓道が好きだった
努力を積めば積むほど彼らが答えてくれていたから
(ここまで百発百中、次が最後、外しはしない)
そう、あの日までは調子が良かったな
相手の中学も府内屈指の強豪だった、だけど負ける気がしなかった
矢を射れば全てが的の中心に飛んでいく気がしていたんだ
カァァァァン!
あの一発が僕らの中学を勝利へと導いた 間違いなく
ああ、楽しかったな
次の試合もあんな風n
「…くそったれめ…......」
最悪な夢だった
思い出したくない過去を夢に出すとは、神様もお人が悪いな
時計を見る、かけておいたアラームの十分前
いつもよりも少し早く家の扉を開ける
弓道場へと少しゆっくりと自転車を進め、海岸沿いの道を走りながら時計を覗き込む
四時二十二分、いつもならまだ家にいる時間だ
まだ日は登らず、人もいない
とても静かで…落ち着く…
途端に視界が明るさを増す
「日の出か…」
柄にもなく拝んでおこうかと思い、海のほうに目を向ける
水面が光を弾き、輝きが散らばる
防波堤に止まるウミネコたちが飛び立つ
なかなかな景色だ
きっとこの景色を見ているのは自分一人なのだろうと思った
視界の隅に何かが、人だろうか どうやら観客は俺以外にもいたらしい
女の子が砂浜に、俺と同じぐらいに見える
…
しばらくの間、目を奪われて弓道場を通り過ぎた
慌ててUターンし目的地に向かう
古臭い扉を開け、中に入る
道場の掃除を済ませ神棚に礼拝をし、いつも通りの稽古をする
毎日続けているが一向に上達する気配がしない
今日の朝稽古を切り上げ瞑想を始める
弓道は嫌いなのに何だかんだ続けていた 自分でも良く分からないのに
この道場は爺ちゃんのもので昔は繫盛していたらしいが、今は見る影もない
ダメだ…ネガティブな事を考えてしまっている ここしばらく鬱気味だ
ボーーン
振り子時計がなる
現在、七時半…七時半!?
「やばすぎだろ!?」
瞑想しつつ半分寝ていたのだろうかと考えつつ最低限の物を持ち出し飛び出す
ここから学校まで四十分、八時までにつかなければならない
全速力ならどうにかなるか?
自己ベストは三十二分、ここが正念場か…
腹をくくりペダルを踏み込む
ジャララ
ん?
んんん?
本来つながっていなければならないものが途切れている…
「チェーン切れてんじゃねえか…」
最近何一つうまく行きやしない、世界の全てが敵なんじゃないかと思える
ストレスで気が狂いそうだ
もう…なんかいいや…
自転車と思考を放棄し、徒歩で学校に向かうことにした
しばらく歩くと後ろから声をかけられた
「おーい、そこの不良学生さーん」
不満を抱きつつこの辺りには俺しかいないので振り返る
さっきの女の子だった
「道を訪ねたいんだけどー」
クラスの女子と同じセーラー服、転校生だろうか かなりの美人だ
「東雲第一中か?案内するぞ」
俺の通う中学は 東雲市華鏡台にある東雲第一中学校だ
多少道が入り組んだ場所にあるので転校生がわからないのも無理はない
「もしかして同じ中学!?ありがと不良くん!」
初対面なのに結構ぐいぐい来るな…
「那須 風丸だ、不良くんはやめてくれ」
「不良じゃないならもう学校にいるはずでしょ」
…何も言い返せねえ……
「私、加賀宮 奈波!よろしくねー」
「…よろしくな…」
学校やこの町の事を質問攻めされながら俺は学校に足を進めた
非常に短く申し訳ない気持ちでいっぱいです
時間が空き次第もっと書いていく所存でございます
お許しください