アイドルに捕まってしまった青年の幸運で不幸な話   作:rideru

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特に何も言いませんが、匂わせる描写があります。
ご注意下さい。


第二十七話

 

 「ねー、あたしの下着知らない?」

 「なんで俺が知ってると思うんだよ」

 

 

 色々関係が進んでから、すいせいはなんというかこう……、隙だらけになった気がする。これで人前ではきっちりしてるのはさすがなんだろうが……。

 

 

 「昨日ここらへんで脱ぎ捨てちゃった気がするんだけどー」

 「そもそもそんな格好で出てくるなよ。寒くないのか?」

 「めっちゃ寒い」

 

 

 思い返せばとある日。特に理由は言わないが、俺の布団からシャツだけ着てる状態で這い出てきたすいせい。

 

 

 「なんでもう起きてるのよ……。お布団でイチャイチャするの好きなのにー」

 「今日は朝から大学あるって言っただろ。お前は休みだからって昨日の夜うちに来たが」

 「……言ってたっけ?」

 「あんだけ飲んでりゃ記憶も飛ぶか。二日酔いしてないのがむしろ驚きだよ」

 

 

 すいせいは普段は酒を飲まない。これはAZKiもそうだが。ただ、うちに来ると気が緩むのかたまに飲もうとするんだよな。

 

 

 「そんなに?」

 「俺に作らせたカルーアをパカパカ飲んでたぞ。前ので気に入ったのか知らんけど程々にしろよ?途中から薄めにしたし、様子見ながら水も飲ませたから問題はないと思うけど」

 「うへー、全然覚えてないや……」

 

 

 普段からはとてもじゃないが考えられん位の、人様に見せられない顔をしてるな。

 

 

 「洗濯はよくわからないから俺のと分けてある。風呂場は昨日洗ったばかりだから好きに使ってくれな」

 「ありがとー。もう少ししたらちゃんと起きるから……。何か買っておいてほしいものとかある?」

 「特にはないが……、今日も泊まるのか?」

 「うん。ダメ?」

 「ダメじゃないが、だとしたら今家に食べ飲みするものがないな。昼は好きにしてくれて良いけど、夜はどうする?食べに行くでも俺が作るでもいいぞ」

 「んー、折角なら甘えたいな」

 「ならその材料だけ頼むわ。後で食べたいものと買ったものだけ教えてくれ。あ、俺の作れる範囲にしてくれよ?」

 「やった!ありがと!」

 「なら俺はそろそろ行ってくるぞ」

 「はーい。あっ、ちょっとまって!」

 

 

 話しながら靴履いてたら、背後からバタバタと走る音。

 

 

 「忘れ物してたか?」

 「そんなとこかな。こっちむいて?」

 「なん……!」

 

 

 振り向いたら目の前には、吃驚するくらい綺麗な顔と、口元に湿った感触。

 

 

 「……えへへ、こういうのちょっと憧れてたんだ」

 「……不意打ちはズルいだろ」

 「なら次はもうちょっとふかーいの、してあげるよ。あ、あと出来れば貴方からも、欲しいな?」

 「はいはい……、いってきます」

 「いってらっしゃい!」

 

 

 ニコニコのすいせいが手を振っているのをみてから、俺は家を出た。

 

 

 「……あっつい」

 

 

 絶対そんな気温じゃないのに、妙に暑いと感じた1日だったな。

 

 

 

 

 

 「首元赤いのはどうした?」

 「ん?……うげ、虫にでも刺されたか?」 

 「この時期にか?毒性強いかもだから気をつけろよ?」

 「おう、ありがとな」

 

 

 (人前に見える所に痕付けるなって言ったのに……)

 (こいつがこんな隙見せるなんて珍しいな。どう考えてもキスマークだし、よほど昨日はお熱い夜を過ごしたんかねぇ……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方でAZKiはどうかというと、

 

 

 「えへへ、家族風呂があるんだから、一緒に入るよねぇ」

 「わざわざ場所までお前が予約してたのはそういう事だと思ってたよ……」

 

 

 やたら俺と一緒に風呂に入るのを望むようになった。すいせいもたまに甘えがてらに入ることはあるが、AZKiはそれこそ出来ることなら毎回そうしたいらしい。お互いの家にある浴室はどう考えても狭いからまだ我慢してる(たまに無理やり入ってくる)が、旅行とかになると家族風呂が付いている部屋を予約するなど、なんとしてでも真っ先に叶えようとしてるあたり、かなり本気みたいだ。

 

 

 「ここは家族風呂が全部屋露天付きな上に、一つ一つの部屋が独立してるから音漏れとかもないんだって!」

 「もうなにも考えないことにしてる。設備も凄いしどう考えても高いだろここ」

 「その為の蓄えだもん」

 「絶対違うだろうが……」

 

 

 前々から思ってはいたが、AZKiは結構頑固だ。配信活動を見てる人からすると、たぶんすいせいの方が気が強いと思われていそうだが、絶対そんな事ないと思う。

 

 

 「そんな事言って、着いて早々に私が引っ張っても抵抗しなかったくせに」

 「……なら俺が抵抗したら諦めたのか?」

 「まさか」

 「だから諦めたんだよ」

 「こうやって刷り込まれていくんだね……よしよし」

 「しみじみ言ってんじゃないよ」

 

 

 何をウンウンと頷いてるのか、この小悪魔は。 

 

 

 「それに、こうしてくっついてても何も言わなくなったもんねー」

 「いつの間にかタオル使わなくなりやがって……」

 「あれ?『湯船にタオルつけるのは本来はマナー違反だぞ』って教えてくれたのは、誰だったかな?」

 

 

 ホントのこと言っただけなんだが。

 

 

 「えへへ、現役バリバリなアイドルの身体の感触はどう?」

 「生々しい表現するなよ」

 「誰もいないからいいんだもん」

 「俺がいるだろうが」

 「貴方だけがいるから、してるんだよ?」

 

 

 あー、もう……。

 

 

 「……俺には勿体ないくらいだよ」

 「しってるよー」

 「毎回このやりとりしてるが、要るのか?」

 「うん。貴方を世界一幸せにするし、私達もなるつもりだからね。小さな事からコツコツと、ね?」

 「……これは小さな事ではないだろう」

 「この後もっと大きな事するつもりだから、小さい事だよー」

 

 

 何するつもりかは聞かないことにしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 「結局ノリノリな辺り、君も結構変態さんだよね」

 「言うなよ……、自覚してるから……」

 「将来建てる予定の家にも露天設備つける?」

 「おまっ、市街地でやる気か!?」

 「えー、まだなんにも言ってないのになー♡」

 「ぐっ……」

 「今度はすいちゃんも一緒に連れて来ようね!」

 「勝手にしてくれ……」

 

 

 




別作品(ホロライブではありません)を書き始めた影響で、行間を広げました。
読みにくい等ありましたら感想にて教えていただけるとありがたいです。



書き始めた別作品はコチラ↓
https://syosetu.org/novel/390906/
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