フクロウが、頑張るお話です!!
「駄目だ......。何も思いつかない......」
時刻は深夜1時、フクロウは自室の机に突っ伏して頭を悩ましていた。
薄暗い室内で光を発する端末には、大量のタブが開かれている。
ページの内容は『お部屋デートの極意』『お家デートで楽しめること10選』『初デートで家デートはありですか?』など全てデートに関連するページばかりで。
「そもそも、このページと今の状況が違いすぎるよぉ......」
フクロウは突っ伏したまま、大量に開かれたタブを指でスライドさせて消していく。
SKYが襲撃したあと、フラミンゴとフクロウはお互いの気持ちを理解し付き合い始めることとなった。
しかし、CAGE復興作業が忙しことや得意分野が異なることからここ最近は別行動が多い。
そこでなんとか時間を作って簡単ではあるがデート的なことが出来ないかと考えたフクロウは、寝る前に調べ始め今の状況に至る。
「はぁ......困ったなぁ」
何もいい案が決まらず、いたずらに端末を触り始める。
気晴らしに何か動画でも見ようかと思い立ったフクロウは動画サイトを開くとぼーっと動画を見ていた。
そんなときふと、1つの動画が目に留まる。
「これって......!」
その動画を見るや否や、フクロウは自分の持っているゲーム機を探してソフトを確認する。
「やっぱり!これなら......!」
そうしてフクロウは思いついた事をしっかりと実行するために計画を立て始める。
フクロウがその日眠りについたのは太陽が少し顔を出すような時間帯だった。
「えっと、ここの構造がこうなっていて......」
次の日、フクロウは自室で端末で調べ物をし、調べた結果をノートにまとめていた。
そこには建物のスケッチが多くあり、部屋の内装などが丁寧にまとめられていた。
「フクロウさん!お部屋にいますか?」
「いっいます......!今開けるね」
部屋をノックされると無邪気な声が聞こえてくる。
フクロウは急いで部屋の扉を開けると、そこにはエナガとスズメが立っており2人の手には書類の束が抱えられていた。
「ウグイスさんから頼まれて、資料を持ってきました!」
「フクロウさんも、こんなに沢山の資料を見ないといけないなんて大変だね」
「私は、そういう仕事の方が得意なので......エナガさんとスズメさんも、資料を持ってきてくれてありがとう」
お邪魔しますと2人は部屋に入り、机に資料を置いていく。
資料を置いていたエナガは、ふと机に広げられているノートが目に入る。
「わぁ!綺麗なお家ですね!」
「あぁぁぁぁ!えっとこれは......!そそその、建物作ったりできるゲームがあって、その設計図で!」
「そんなゲームがあるんですか!いいなぁ、もしフクロウさんが良かったら今度一緒にやらせてください!スズメもやってみたいよね?」
「確かに、少し興味あるかも!」
「じゃあ、今日の夜とかにやってみる......?私も少し、素材とか集めたいし......」
「分かりました!楽しみにしてます!」
「約束、忘れないでよね!」
お邪魔しましたー!とスズメとエナガは元気よく、部屋を出ていった。
フクロウはチラリと鏡を見ると、少しだけ顔が赤くなっているのに気付き、フードを深く被り直した。
「こんばんは、フクロウさん!少しだけお菓子も持ってきちゃいました!」
「いらっしゃい、お菓子は......程々にしないとね。ハクチョウさんに怒られちゃうかもだから......」
夜になると、約束通りエナガとスズメはフクロウの部屋を訪れた。
「えっと、このゲームなんだけど、素材を集めて好きなように建物だったりモンスターと戦うとか動物を飼うとか、自由度が高いゲームなんだ......」
「全部四角いんだ、昔買ってもらったブロックみたいだね」
「確かに!よくあれでお城とかお家を頑張って作ったよね!」
「鉄とか、木材とか素材も色々あるから......色んな見た目で作れると思うよ」
一通り操作方法や注意点を説明すると、2人は冒険に行ってきます!とフィールドを駆け始めた。
「よし......!私も頑張らないと......」
フクロウはテキパキと素材を集め始めた。
動画で確認して効率的な素材の集め方は、しっかりと覚えているのでかなりのスピードで集まっていく。
「エナガ!そっちは危ないよ!」
「え?あっ......倒されちゃった......」
声が聞こえてフクロウが2人の方を見ると、強いモンスターと遭遇してしまったらしくエナガが倒されてしまっているところだった。
それを見たフクロウは、素材集めを中断して装備を整えていた。
「スズメさん、今のままだとエナガさんの集めてたものが無くなっちゃうから......今いる場所の座標が画面に書いてあるから......見せてもらってもいいですか?」
「えっ、うん。ここだよ。今僕は倒されないように隠れてるから少しずれてるかもだけど。」
「良かった......思ったよりも近いみたいだから、すぐに向かいます」
フクロウが確認した座標に向かうと、散らばったアイテムの近くに弓を構えるモンスターが目に入る。
「うん、このモンスターなら倒せると思う......」
盾を構えたフクロウは放たれた矢を盾で弾きながら近づいていき、あっという間にモンスターを倒してしまった。
「良かった......スズメさん。もうこの辺は安全になったから、エナガさんのアイテム回収して戻りましょう......!」
「うっうん!ありがとう、フクロウさん」
「ありがとうございます!フクロウさん!助けに来てくれたフクロウさん、かっこよかったです!」
後ろで画面を見ていたエナガは無邪気な笑顔でお礼を言う。
そんなことをしていると、時間も大分遅くなっていた。
「今日はここまでだね......このゲーム、私の部屋に来なくても好きなときに出来るようになってるから好きなタイミングで進めてみてね......分からないことがあったらいつでも聞いてね」
「分かりました!今日はありがとうございます!お休みなさい!」
「お休み、フクロウさん。今日は、助けてくれてありがとう。エナガ、多分集めてたアイテム無くしてたら落ち込んでたと思うから......。」
そうして2人は、廊下を駆けていき自室に戻っていく。
フクロウは椅子に座ると少しだけボーっとしていた。
「かっこいい......か」
ゲームの中だったら、少しは頼りになる姿を見せられるのにな。
そんなことを思いながら少しだけ考えてしまう。
「よし、頑張るぞ......」
再び、ゲームを起動させるとフクロウは素材を集め始める。
そんな日々が数日続いた。
「はぁ......絶対いらっしゃいますよね......」
フクロウは廊下の端で呼吸を整える。
緊張した顔で、ある部屋の扉をノックする。
少しの間のあと、扉が開き中からタカが現れた。
タカはフクロウを見ると、鋭い視線を向ける。
「貴様が1人で人を訪ねてくるとは珍しいな」
「あの......その、今日はカモメさんにお願いしたいことがありまして......!」
「カモメに?」
タカの視線が更に鋭くなったのを感じて、フクロウは内心とても焦っていた。
「はっはい......!なんとかお力をお借りしたくてですね......」
「はぁ、本来ならペア相手を置いていくようなやつに協力をする気にはなれないが。貴様はここに私がいることが予想できていたはずなのにそれでもここに来た事に関しては好感が持てる。中で話を聞く、入れ。」
「あっ、ありがとうございますぅ......!」
招かれたフクロウはそのまま部屋へと入っていく。
その様子を廊下の奥で、見ていた影が1つ。
「フクロウ、タカと何を話していたんだろう」
フクロウの姿を見かけたので、話しかけようとしたところ先にフクロウがタカを訪ねていたため廊下の奥からその様子を観察していた。
「最近忙しそうにしてるし......少しだけ寂しいなぁ」
ボソリと呟きながら後ろを振り向くと、そこには2人の人影があった。
「わぁ!ビックリした!カラスにハクチョウ!なんでそんなところに立ってるの!」
そこに立っていたのはカラスとハクチョウで、ハクチョウは少し申し訳無さそうにしていた。
「いや、廊下を歩いていたら何かを見ているフラミンゴを見かけたから何を見てるのかと思ってな。」
「すみません、フラミンゴさん。私は止めたんですが......」
「それで、なんでこんなところでフクロウを見てたんだ?」
フクロウを見ていたところを、見られてしまってフラミンゴは少しだけ恥ずかしそうにしながら事情を説明する。
「フクロウに話しかけようとしたんだけど、丁度そのタイミングでフクロウがタカと話してて、気になってそのままここで見ちゃってたの......」
「フクロウがタカに?それは確かに珍しいな」
「そうなの!だからなんの話をしているのかなって」
3人がそうして廊下で話していると、扉がガチャリと音を立てて空き中からフクロウとタカとカモメが出てくる。
フクロウはタカとカモメに何度も頭を下げながら、フラミンゴ達がいる方向とは逆方向に歩き出していた。
「気になるなら直接聞いてみるしか無いんじゃないか」
「そうですね。モヤモヤした気持ちは任務にも支障が出てしまいますからね」
「そうだね......!うん、今日の夜にでも聞いてみる!ありがとう!カラス、ハクチョウ!」
そう言うとフラミンゴはその場を離れていく。
その姿を見たハクチョウは微笑んでいる。
「やけに上機嫌だな」
「えぇ、フクロウさんが1人でタカさんに話しかけている時点できっとフラミンゴさんの為に何か用意してるんだろうと思いまして」
「なるほどな」
カラスは妙に納得したように頷いた。
その日の夜、フラミンゴはフクロウの自室の前に立っていた。
少しの緊張と少しの不安が入り混じった気持ちで中々ノックまで進まない。
そうして部屋の前で少しうろうろしてると、突然スマホが鳴り始める。
「フラミンゴ......?」
スマホの音を聞き、控えめな音と共にゆっくりと扉が開くと、フクロウが様子を見るように廊下を覗いていた。
「もしかして、私の部屋に遊びに来る途中だった......?」
「そっそうなの!フクロウもワタシに何か用があったの?」
「うんっ......!ちょっと着いてきて欲しいところがあって......時間って大丈夫?」
「着いてきて欲しいところ?うん!時間は大丈夫だよ!」
「良かったぁ......!すぐに準備するね......」
フクロウは自室に戻り、少しすると荷物を持って部屋から出てきた。
荷物はそこまで大きくもなく、重そうにも見えない。
「それじゃあ、行こっか」
というとフクロウは恐る恐る、フラミンゴの右手を握る。
さっきまで不安な気持ちがあったフラミンゴも、フクロウから手を繋いでくれるとは思っておらず、少しだけ恥ずかしそうにしながらその手をギュッと握り返す。
そのまま少し歩くと、休憩スペースのような場所に辿り着いた。
そこには、ゲーム機で何かをしているカモメとコーヒーを飲みながら読者をしているタカが椅子に座っていて。
タカは2人が近づいてくる事に気が付くと、本に栞を挟んで顔を上げる。
「タカにカモメ!2人共奇遇だね!」
「奇遇ではない。フクロウに頼まれてここで待っていたんだ」
「そうなの!?」
「うっうん、私がお願いして時間作って貰ったんだ」
そう言うと、フクロウは荷物を漁って2つのゲーム機を取り出した。
そうして片方をフラミンゴに渡すと2人で椅子に座った。
「カモメさん、お願いしてもいいですか......?」
「うん、わかった」
ゲーム機から顔上げたカモメはそのままフラミンゴの隣に座わり、触れる。
カモメのギフトの効果によって徐々にフラミンゴの世界に元の色の世界が戻っていく。
「その、この頃CAGEの復旧で忙しくて、中々遊べなかったから。たまには一緒にゲームでもどうかなって思って。でも、色がちゃんと見えないと楽しめないと思って、カモメさんにお願いしたんだ......」
「フクロウ......!ありがとう!これはどんなゲームなの?」
「自由に建物とか作ったり、冒険するゲームなんだ。それでね......このゲームの中で見てもらいたいものがあって......」
ゲーム内のキャラクターを動かしてフクロウが案内した場所には、西洋風の一軒家が建っていた。
「わぁ!綺麗なお家!フクロウが作ったの?」
「そうだよ、!中も見てみて」
言われるがままに、扉を開けると中も綺麗に整えられている。
所々に鮮やかなピンク色や濃い青色の装飾が施されており、その内装からか、まるで。
「なんか、2人の家って感じだね!」
フラミンゴがそんなことを言うと、フクロウの顔が徐々に赤くなっているのがわかる。
「そっその、!ここは、2人で暮らす家をイメージして作って......あの、本当はもっと、恋人らしいことをしようと思ってたんだけど、中々思いつかなくて......」
タカやカモメには聞こえないように、ただしっかりとフラミンゴには伝わるように赤くなった顔を向けて告げる。
「けど、今後はもっと、エマを楽しませてあげられるように頑張るので......!その、今後ともよろしくお願いします......!」
ペコリと頭を下げるフクロウに、フラミンゴはまるで花が開花したような笑顔でフクロウを抱きしめる。
「その気持ちだけで十分嬉しいよ!ワタシの方こそ、今後もよろしくね波瑠!好き!大好きだよ!」
「ああああの!カモメさんと、タカさんも見てますのでぇぇ......!」
〜〜余談〜〜
その後、その場は解散となりタカはカモメと2人で帰っている途中だった。
「ところで、カモメ。あのときゲームをしていたが何をしていたんだ。」
「フクロウに教えてもらったゲームで、私も家を作っていた。タカとお母様と暮らす家」
「......そうか」
「因みに私とタカは同じ部屋」
微かにドヤッとするような顔に、タカは思わず笑ってしまう。
「私もたまにはゲームでもしてみるか」
作者の猫又です!
このトワツガイという作品ですが、7月23日にサービスを終了となってしまいました。
しかし、これからはトワツガイファンスとしてストーリーや二次創作を中心に活動していくみたいです!
今後とも少しでもトワツガイが盛り上がるように頑張っていきますので、興味のある方は是非YouTubeの方でストーリーが全編見れますので見てみてくださいね!