【消耗品軍団】に育てられたものは日本に帰って喫茶店に努める。 作:ライダーGX
依頼人の松下さん、ALSを発症して余命宣告を受けて、その最後に東京観光をしたいとの事で帰国。アメリカの帰国なら俺も同じだな…、数か月前まではアメリカに住んでいたんだし。
松下さんの護衛には千束とたきなが付いて、その遠くからの様子を俺達が車の中で様子を見ながら見ている。
当然昼食は近くのハンバーガーショップ…マ〇ドに寄って買って、車の中で食べていた。
俺のFCのには斗真と一輝、信三のランドクルーザーには熊朗と力也が乗車して食べていた。
そこで双眼鏡を覗く斗真がてりやきバーガーを食いながら、ビック〇ックを食う俺に問う。
「…浩平、聞いていいか?」
「何だ?」
「お前千束が人工心臓である事を今まで知らなかったって訳ないよな?」
「当たり前だろう。俺だって初めて知ったんだ、あいつの心臓が機械だったなんて」
俺は思った事を言う。あいつにはつくづく振り回される…、隠し事は無しだって言ってるのに、あいつはどうも頑固で譲らない所がある。
言いたくない事は分からなくもないけど、ちょっとは俺達の気持ちも知ってくれよ…。
「…でも千束の気持ちもちょっとは分かるかも」
「え?どういう事だよ?」
「僕たちの事を考えて、あえて言わなかったって事もあるかもよ」
『なんだか分かるどす、千束はとても優しい…』
一輝と熊朗の言葉に俺は少しばかり考える、俺達の事を考えて言わなかった…。それは分からなくないが、それはそれで心配する方だぞ?
何も知らない方が返って不満を溜まらせるだけじゃなく、信頼も失いかねない。その事は千束も前の一件で知ったはずだ…。
千束…、俺達の事を思うのは構い。だが俺達を心配させるような真似はするな…。それこそ心配の元だ。
そう俺が思っていると、力也が双眼鏡で千束達の状況を見ていた。
『それにしても千束の奴、よくあれだけ動いても平気だよな? 絶対普通の人工心臓じゃないぞ』
『DAの開発部はよくあんな物を作ったな』
『…それは違う、DAが作ったものじゃないんだ』
「ミカ?」
インカムからミカの声がして、俺達はそれに耳を傾ける。
『DAにあれ程の人工心臓を作る事は出来ない。あれを作ったのは他の所なのだ』
『噂のアラン機関…だな』
っとクルミの言葉に俺は思わず目を見開いた。あのアラン機関が千束を…? そう言えばこの前千束の首にフクロウのチャームがあったな…。
まさかそれと関係が…?
『だがアランチルドレンには使命が与えられる筈…。千束の使命って何だ?ミカ』
『それは千束が決める事だ』
『おいおい、何でもかんでも千束任せは駄目だろう、仮にもアンタは保護者だ。少しはアンタにも決定権があるんだぞ?』
っと力也が言うが、それをミカは言う。
『いいんだ…これも千束がやりたい事なんだ』
「……」
どうしても千束の考えを否定しないミカ。アランと言い心臓と言い…一体何があるって言うんだよ?
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そして場所は変わりアメリカ、アメリカの刑務所では収監されたチャーチの元に1人の男がやって来る。
その男はバーニー。彼がチャーチと面会をしに来て、チャーチはバーニーが来た事に薄ら笑みを浮かばせる。
「…やあ、よく来たなバーニー・ロス」
「本当だったら俺はお前をすぐに殴りたい所だが、お前の様子を見て抑える事にする」
そう言ってバーニーは椅子に座って、チャーチと対面する。
チャーチはここにバーニーが来たことを問う。
「…それで、此処に何しに来た?バーニー・ロス」
「何故浩平を巻き込んだ? あいつは俺達とは違って一般人だ。俺達消耗品とは違う…」
「…彼は素晴らしい能力の持ち主だ。お前達が護身用として教えた技を習得し、更にはそれを上回る程の腕前になっている…。そんな人物を他の連中が野放しにする筈がない…、だから私は利用される前に彼を使う事にしたのだ」
「その結果…あいつは裏の世界に関わる事となった。俺達はあいつに身を守らせるために教えただけだ」
「しかし今の日本は彼が考えている以上に犯罪大国だ、今はDAによってその犯罪は隠蔽されているがな…」
チャーチの言葉にバーニーは黙り込んでしまう。
その言葉通り…今の日本は犯罪大国、このアメリカとほぼ変わらない治安。さらにテロが起こるとそのDAによってテロが無かったかのように隠蔽される。
バーニーはそれに怒りを覚えながらも、チャーチの正しい正論に言葉が出なかった。
「バーニー・ロス。君の養子が心配するほどやわじゃない事は知っているだろう? 彼を見守るのもまた成長の1つだ」
「お前が余計な事をしなければの話しだったがな…」
そう言ってバーニーは立ち上がり、その場を去ろうとした。だがその時チャーチはこう言った。
「バーニー。私は常に最善の事をしているだけに過ぎない。どんなに言われようとな…」
「…その態度だけは変わらんな」
そう言ってバーニーはその場を去り、刑務所を後にするのであった。
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お昼時が過ぎてから数分、俺達が松下さんを護衛しているとクルミから連絡が来た。
『おい、お客さんだぞ』
「お客?」
俺達はその通信を聞き、タブレットを取り出してクルミから送られる画像を見る。
その人物は少しやせていて、年齢はミカと少し同じか上くらいの者だ。
そして名前も表示されて、俺達は見る。
「サイレント・ジン?」
『ああ、凄腕の殺し屋だそうだ』
『サイレント』
っとその事にミカは思わず振り向き、それに俺は問う。
「ミカ、知っているのか?」
『ああ、昔バーニーとの仕事から離れた際、警備会社で共に仕事をしていた。私がリコリスの訓練教官としてスカウトされる前の事だ』
へぇー、バーニーの仕事から離れた際に一緒だったわけか…、じゃあミカの旧友って事だな。
俺がそう思っていると、信三がサイレント・ジンの事を問う。
「それで、どういう人物なんだ?」
『本物だ。直接声を聞いた事は無いが…』
「腕前は本物か…、なら松下さんの危害が及ぶ前に何とかする必要があるな。おい千束、今から『ちょっと待て、何だいこいつ等』ん?」
突如クルミがある異変に気付き、それを俺達に言ってある映像を見せる。
それはビルの隙間にある戦闘服を来た集団が何やら動き回っている映像だった。って言うかこいつ等…あの港の倉庫に居た連中か?服装がどうもそれらしいし…。
俺はその事に首を傾げるが、斗真達がそれを見て驚きを隠せないでいた。
「こいつ等は…アポロの夜明け!」
『なんでこんな所に!?』
「って言うか誰か狙ってる…?」
斗真達の言葉に俺達は思わず耳を疑った。おいおい…まさかこんな所にアポロの夜明けが居るとは思わなかったな。
アポロの夜明け…あの地下鉄事件で関わっていた奴等がどうしてこんな所にいるんだ? 直接行くしかないな…。
「…ミカ、俺達はアポロの夜明けの所に行って、叩き潰して情報を聞き出す」
『大丈夫なのか!?』
「ああ、殺さない様に何とかして情報を聞き出す。ただそっちにミズキが手薄になるから誰かそっちに向かわす」
『分かった』
『早くしなよ?こっちはレディなんだから』
その言葉を聞いた俺達は耳を疑った。
「はぁ?レディだって?」
「毎晩晩酌する奴がか? あり得ないな」
『んだとテメェ等!!!!』
俺達の一言にミズキはキレたが、そんなのお構い無しだ。そして俺は一輝の方を見る。
「一輝、ミズキの所に行ってほしい。唯一身軽なお前が頼りだ」
「いいよ」
そう言って一輝は車から降りて、近くに止めてあるバイクの所に行く。
それは一輝のバイク【BMW・G310GS】。中型バイクのオフロード型バイクだが、オンロード仕様となっているため小回りがかなり効く。
このバイクなら狭い道でもすいすい行ける。
「じゃあ行ってくる」
そう言って一輝はミズキの所に行き、俺達は銃を取り出す。
USPとグロックの弾倉を確認し、そしてチャンバー内の弾も確認する。
よし…それじゃあ行くか…。
そう思いながら俺達は車を走らせ、アポロの夜明けの下に向かった。