【消耗品軍団】に育てられたものは日本に帰って喫茶店に努める。   作:ライダーGX

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第1話

5年前…テロにより家族を殺され、更に俺自身も殺されそうになった…。でもその時自ら消耗品と名乗る傭兵軍団、エクスペンダブルズに助けられた俺は、リーダーのバーニー・ロスの養子となった事で何とか生き延びる事が出来た。

 

そして現在、俺はバーニー達と別れ…故郷の日本へと帰って来た。この日本で暮らす為…バーニーの知り合いの所に向かう。

 

「…ここか?」

 

俺はタクシーを降りて、街中の1つの店の前に立つ、そこは少々古いタイプの店…喫茶店であった。

 

そこは【喫茶リコリコ】と書いてある。

 

「…ここがバーニーの知り合いが居る場所」

 

俺はそう呟きながら此処に来る前の事を思い出す、それは3日前、荷造りをしている際にバーニーが俺に声をかけて来た時だ。

 

 

♦♢♦♢

 

 

ツールの店の上の部屋で、俺はスーツケースに必要なものを入れると、バーニーが部屋に入ってくる。

 

「浩平、俺の知り合いと連絡が取れた」

 

「へぇー、連絡が取れたんだ。それで?」

 

「そいつは今喫茶店をやっているとの事だ。どう言う訳か俺も訳を聞いた所、どうもそいつの教え子であると同時に自分の娘がやりたいとの事で始めた場所らしい」

 

「娘?その人娘さんが居たの?」

 

俺はバーニーの言葉を聞いて振り向き、それにバーニーは頷く。

 

「ああ、しかし娘と言えど血は繋がっていない。俺とお前と同じような養子関係だ、これについては俺も少々意外だったな。あいつは子を育てる感じには見えないと思っていたんだがな…」

 

「おいおい、それだったらバーニーもじゃないか。お前はずっと傭兵をしてきて、あんまり子育ての様な感じはしてこなかったじゃないか」

 

「耳が痛いな…」

 

俺が言った言葉にバーニーは少々困った顔をする、しかし俺の言った言葉に間違いはないと思うぞ。実際バーニーは最初の頃はかなり酷かったな、食事すら全て外食で、あんまり作らなかったから。その反省を生かして俺が調理する事になった訳だ…、でもそのお陰か調理の方も腕前がかなり上がった。当然これもいくつかやったら自然と身に付いた。

 

本当に俺ってすげぇや。

 

まあそんな事を思っていると、バーニーは咳払いをする。

 

「グフンッ! 兎に角だ、そいつはその店で仕事をしている様だ。そこに俺の養子が向かうと連絡した」

 

「そうか…ありがとう。それでその人の名前は?」

 

「本名は伏せていて、今は偽名を名乗っている様だ。今は【ミカ】と名乗っている…」

 

バーニーの口からそう聞いて、俺は再び荷造りを進めるのであった。

 

 

♦♢♦♢

 

 

そして今現在に戻り、俺はその店…喫茶リコリコを見る。

 

「…いかにも子供から老人まで、誰でも入れそうな店だな。まあいいか…取り合えず入ろう」

 

そう思いながら俺はリコリコの店に前に行く。扉の札が『CLOSED』となっているが、そんな事は気にせずに入ろう、俺には分かる…中には人の気配がするのを…。

 

扉を開けた俺は少し店内を見る、中は少々和式と洋式の作りとなっていて、お座敷やカウンター席やテーブルが置いてある。

俺はその中に入り、周りを少しだけ見渡すと、カウンター席には酒瓶に埋もれながら寝込んでいる緑色の和服の女性、辺りを掃除している蒼の和服の少女と、塵取りでホコリを払っている赤の和服の少女が居た。

 

その赤の和服の少女が俺の存在に気づく。

 

「あ!いらっしゃいませー。でもすいませ~ん、今開店前なんですよー」

 

「ああ、知ってる。ただ今日は此処の亭主に会いに来たんだ。バーニーに知り合いが此処にいるって」

 

「え?」

 

その少女は一瞬頭を傾げ、それに蒼の和服少女も振り向き、緑色の和服女性も思わず身体を起こす。

するとカウンターの奥から1人の黒人男性が現れて、付いているテレビをリモコンで消して、俺の方を向く。

 

「君か、知り合いのバーニーの養子の子は。彼から話しは聞いているよ」

 

「え?先生…知ってるの?」

 

赤い和服の少女がその黒人の男性に聞いて、それに黒人の男性は頷きながら言う。

 

「この前話しただろう、うちの知り合いの者が此処に来ると…。自己紹介がまだだったな、私がミカだ。そしてカウンターにいるのが【ミズキ】、蒼い子が【たきな】で、君と話している子が私の娘の【千束】だ」

 

「ええ~!! この人が~!!」

 

ミカがそう言った直後に、俺の前に居た千束って子が思わず喜びの表情をして、俺の手を握って来た。

 

「私!【錦木千束】!よろしくね! ねえ名前は!」

 

「俺は鈴原浩平」

 

「浩平君ね!歳は!?」

 

「18になる」

 

「18歳か~、となると17歳の私より1つ年上って事ね。でも私は関係なく浩平君って言うからね!そっちも私の事は千束って呼んでいいから!」

 

っと明るく振舞ってくる千束、おいおい…随分と明るい奴だな。でも返ってその方がいいかもしれないな。

すると千束が辺りを掃除していた少女を連れてくる。

 

「この子が【井ノ上たきな】!歳は16歳だよ!そしてあっちで酒浸りになってるやつがミズキね?」

 

「こ、こんにちは…」

 

「誰が酒浸りだってんだ!!」

 

その言葉にミズキが反論して、千束と言い合いなる、それを見た俺は何とも平和な感じで見ていて、俺はミカの方を見る。

 

「とにかく、アンタの所に行けば普通に働けるって聞いたんで」

 

「その様だな。私も君を雇うのは勿論賛成だ。ただ意外なこともあるものだ…あの傭兵一筋の男が君を養子にするとは…」

 

「「「え?」」」

 

ミカの言葉に千束達は思わず振り向き、俺はその事に少しばかり思いつめた顔になりながら言う。

 

「…あいつは、俺がアメリカで家族と旅行に行った矢先にテロに遭って、家族が死に…俺も殺されそうになった時に助けてくれた。その際に俺は身も心も憔悴しきっていた時に、あいつが俺を養子にして、5年間育ててくれた…命の恩人だよ。でも流石に守られる側じゃいやだから、護身術程度の訓練を仲間達とやってみたんだ。そしたら皆が俺を強者の極みとか言っていたらしくて、バーニーが俺のそれを見て【才能】だなって言ってたよ」

 

っと俺がその言葉を言った際、ミカは思わず目を見開き、ミズキは一瞬驚きの表情をした。

 

それに俺は思わず顔を上げる。

 

「ん?どうしたの?」

 

「あ、い、いや…何でもない。それにしても護身術程度で強者の極みか…、特殊部隊以上の腕前と言う事か…。でも私は出来ればそれには関わらせない様にする」

 

「そう…、でもここって普通の喫茶店だよな? バーニーの知り合いなら、裏社会関係は必ずあると思うし」

 

「…ああ、勿論…君の察しの通りだ。私たちは裏社会の関係を持っている。ここに努める以上君も一応知ってもらうとする」

 

「おいオッサン。いいの?」

 

ミズキがその事をミカに問うと、ミカは頷きながら言う。

 

「ああ、勿論だ…。少しばかり話しがそれるが聞いてくれ。この日本は8年間平和が続いていると言うニュースを聞いた事あるかい?」

 

「勿論…、アメリカの方でもニュースでそう報じていたから」

 

「実はこの日本は他とは変わらない場所だ。治安も悪いし、犯罪も多発している…。そんな犯罪を事前に決して、情報をもみ消している組織がある。それが私達が所属していた機密治安維持組織である【DA、DirectAttack】だ。この組織は明治時代から続いている組織で、今でも政府公認の組織として活動している組織だ。今現在主にその犯罪を始末しているのが【リコリス】、彼岸花と呼ばれる実働部隊だ。そのリコリスに所属していた者が此処にいる千束とたきなだ」

 

「この2人が?」

 

俺は思わず千束とたきなの方を向き、千束は面白くなさそうな表情をする。

 

「私達はもうDAじゃないけどね、一応…」

 

「一応じゃなく、今でもです」

 

「そうだけどさ~…」

 

千束は自分はDAじゃないって言っているけど、たきなはどうも此処にいる以上はDAだと思っているだろうな。

しかしこの日本にそんな組織があるなんてな…。

 

「普通だったら殺し屋のJKなんて存在自体がご法度じゃあ? 昼間から殺しをしたら見られるだろうに」

 

「その所は問題ないんだよ。組織には監視AIの“ラジアータ”が存在する。そのラジアータを使って事前に指定のポイントで殺し、その後“クリーナー”を使って後始末する。そうする事によって何もなかったかの様子するんだ」

 

「…何でもありなんだな、DAって組織は」

 

俺の言葉に千束は若干苦笑いをし、たきなは少しばかりうつむく状態になる、なんでも隠ぺいしてしまう組織…それで日本は約8年間平和を言う偽りのものを見せて来たのか…。

 

「…悪い所はCIAと一緒だな」

 

「CIA…?」

 

たきながその言葉を聞いて来た。

 

「いつも消耗品等に依頼してきて、後始末を押し付けてくる奴等さ。正直あきあきしてた所だけど、もう俺には関係ない話し。俺は普通に働くつもりだよ」

 

「おお~!それはいいこと聞いたね! よ~し!この千束様が難なくお手伝いしちゃいますよ! 堂々と頼んできてね!」

 

「おうよ」

 

千束が元気よく俺に言ってきて、その言葉に俺は頷きながらミカの方を見る。

 

「ミカ、俺は何時からここで働くんだ?」

 

「な~に、そう焦らなくていい。今はまず住む所が必要だ。場所なんだが千束のマンションの所で構わないかい? あそこなら問題ないと思うし、何より千束の面倒を見てくれると思うからね」

 

「ちょいちょいちょい!先生酷ーい!!私そんな風なぐーだらじゃないよ!」

 

ミカの言葉を聞いた千束は思わず反論して、それを聞いたミズキは大笑いしていた。

 

 

 

───────────────────────────────────────────

 

 

 

そして俺は店を出た後、千束と一緒にマンションへと向かっていた。

 

「すまないな千束、一緒に行ってもらって」

 

「良いの良いの。私も君を自分のマンションに連れて行くのがうれしいから! まあ流石に相部屋じゃないから、鍵は先生から貰ったでしょう?」

 

「ああ、勿論」

 

俺はミカから貰った鍵を見せる、鍵の番号は千束の家の隣らしいが、そりゃあまた大胆な事。

 

まあいいか…、仕事は明日からと言っているし、俺はしっかりと休むことにするか。

 

そして千束のマンションに到着し、俺は自分の部屋の鍵を開けて入る、そこはまだ何もない場所だが、後々家具は揃わせるつもりだ。

何より資金の方はバーニーからの贈り物がある。あっちで500万ドルを貰った。日本円だと7億9,176万5,637円だ。

 

このぐらいの金があれば問題ない、でも正直言ってバーニーは大胆だな。いや…きっとバーニーだけじゃない筈だ。クリスマスやヤン、トールにツールも俺の面倒を見てくれていたんだ。あいつ等もきっと金を送金してくれていたに違いない。

 

まあガンナーは酒浸りだし、シーザーは筋トレばっかで論外だし…。

…っま、いっか…俺はとりあえずシャワーでもあびるかな? 帰って来てそうそう汗を流そう。

 

俺はそう思いながら服を脱ぎ、風呂場に入ってシャワーを浴びるのであった。

 

 

 

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