【消耗品軍団】に育てられたものは日本に帰って喫茶店に努める。 作:ライダーGX
夕日が沈んで夜になり、俺は食材を調達してリコリコに戻っていた、明日の仕込みの事もあり色々やる事があると思いながらFCを駐車場に止めて、俺が店に入ろうとした時だった…。
「ぬぅあああああああああああああああああああ!!!」
突如千束の雄たけびの様な悔し声が店の中から聞こえてくる。一体なんだ…?
俺は店の中に入ると、近くのお座敷の所に千束がVRゴーグルをつけて、シューティングコントローラーを持ってゲームをしている様子が見える。
当然近くにはたきなやクルミが居た。何してんだこいつ等…?
「ああ~~!悔しい!!」
「ムキになりすぎだろう」
「だってこの人名前がムカつくんだもん!!」
「何ですかその言い訳?」
その様子には俺は何とも言えなかった、こいつ…ゲーム如きにムキになってどうする?すると千束が俺に気づいた。
「あ、浩平君。丁度いい所に! ねえこれやって!やって!!」
「ゲームを? 何だかゲームするのも久々だな」
俺はそう言いながら千束のVRゴーグルを取って、それを装着する、するとバーチャルな画像が目の前に広がる。
って言うかこれもしかしてク〇ゲーのあれか?
俺がそう思っていると、千束がシューティングコントローラーを俺に持たせる。
「はいはいこれね~。仇取ってよ~!スタート!!」
すると俺の目の前に奇妙な猫が光線銃を持って撃って来た、ってこれマジでク〇ゲーの奴じゃねえか!!
「おいおいこんなのをやってたのかお前! マジで面白くねぇ奴のじゃねぇか!!」
「ちょいちょいちょいちょい! 面白くないって言わない!これでも女子には人気のゲームなんだよ?!」
千束は俺が言った言葉に反論する、何が人気のゲームだよ!これは俺でも面白くなければあんまり操作出来ないぞ!?
ってそう思っているとゲームはあっと言う間に終わってしまった。
こう言うゲーム俺は好きじゃねえ、シューティングゲームならもっと戦争ゲームっぽい奴のが良いんだ!
「ああ~もう!使えない!!」
「うるせぇ!こう言うのはもっとエキサイティングなゲームが良いと思うぞ俺は!」
「それじゃあダメダメ! 女の子が楽しめるものじゃないと!」
くっそ!それじゃあ俺は論外じゃねえか! たくぅ…こんなゲーム俺は向かないぜ。そう思いながら俺はゴーグルを外し、千束に渡した後、今度はたきなにかぶせる。
「さあたきな!今度は君の番だよ!」
「え?私もですか?」
「そうそう!それじゃあ行くよ~!スタート!!」
そう言ってスタートさせる千束、突如の攻撃に慌てるたきな、まったく…千束のマイペースには呆れるぜ…。
俺はそう思いながらカウンターに置いた荷物を取り、厨房に仕舞いに行く。それにしても千束は一体何に悔しがっていたんだ?確か名前がムカつくとか言っていたが…。
そう思っていると…。
「勝った!?しゃああああああああ!!!」
「喜び過ぎでしょう…」
どうやらたきなはゲームに勝ったようだ。俺はそこに行き千束に問う。
「おい千束、お前ゲーム如きに喜んでどうする?」
そう俺が問いかけた時だった。
「「だってさ!/よ! こいつ名前がムカつくんだもん!/よ!」」
っと誰かとシンクロしたような感じがした、…気のせいじゃないよな?
そう思った俺だった。
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そして俺は一通りの仕事を終えて、USPを取り出して分解し始め、掃除とグリスの手入れを始める。こいつを使い始めてまだそんなに立っていないが、一応手入れはしておく。
バレル内にこべるつく汚れは射撃の妨げになるからな。
しかし俺と同じテーブルに座っている千束がそれを見て言う。
「ねえ、こんな所で手入れを始めないでよ」
「もう看板は下ろしているし、客も来ない。問題ないよ」
「そういう意味じゃなくて~…もう」
俺の言い分にもう呆れる千束はまた少しばかり考える。そう言えばこいつ…さっきから何か考え事している様な気もするが…どうした?
そう思っていると、千束がゲーム機を片付ているクルミに話しかける。
「…ねえクルミ」
「ん?」
「たきなのパンツって見た事ある?」
「ある訳ないだろう」
っとなんとも意味不明の言葉に俺は思わずこけそうになった、おい…いきなり何言ってやがるんだこいつ?
たきなのパンツって…、俺の前で言う事じゃないなおい。
そしてクルミは即答で答え、興味がない感じだった。
「ちぇ~…何でも知りたいのじゃないのかよ」
「その前に浩平が居る事を確認しろよ千束」
「え?………あ」
すると千束は俺が居る事に気づく、馬鹿が…気づくのおせぇよ。
「浩平君はあっちに行く!!!」
「って言うかその話し自体が可笑しいだろうが。それに俺が作業している所にお前が此処に来たんだろうが」
「うっ!それは…」
「まあいいか、それよりたきなはノーパン派か?」
「いやいや!」
「なら何履いてようとたきなの自由だろう?」
その事に千束は少しばかり考えた後、立ち上がってどこかに行く。どこに行くんだあいつは?
ちょっとばかし気になった俺はクルミに問う。
「なあ、あいつどうしたんだ?」
「僕が知る訳ないだろう、それにパンツなんてこう言うのは男の方が興味あるんじゃないか?女の下着に」
「まあ興味はあるがな、俺も男だし18歳だしな」
「ほらな、興味が無い訳がない」
そんなバカな話をしていると、更衣室から何やら声が聞こえてくる。
『…何ですか?』
『何…これ?』
『下着です』
『そうじゃなくて男物じゃん!!』
…今、何やらとんでもない言葉が聞こえたような気がするが、このせいだよな…?
すると千束が強張った表情で俺の所に来て、俺を少しばかり見下ろしながら言う。
「もしかして浩平君じゃないよね…?、たきなに変な噂を吹き込んだの」
「馬鹿抜かせ、俺がいつたきなに変な事を吹き込んだと思い込むんだよ。それに俺はまだ此処に来て日が浅いぞ」
「じゃあ誰よ一体!? あ、まさか…」
すると千束がその事を呟きながらどこかに行き、俺はそれに呆れながら銃の手入れをし直す。
後は銃を元に戻すだけだ。スライドをフレームに装着し、スライドストップを装着したら完成、よし、あとはスライドを引いて確認だな。
そうした後、千束はある人物を連れて来た。
その人物は意外な事にミカだった。
バンッ!!
「聞かせて貰いましょうか!」
千束はカウンターに勢いよく手を叩いてミカに問い掛け始めた。っておいまさか…ミカ、犯人はお前なのか?
「“店の服は支給するから下着だけ持参して来い”っと」
「どうしたらいいか分からなかったので、店長に相談を…」
っとミカがそう答えた後にたきながそれを付け加えで言ってきた。おいおい…マジかよ。
「だからって何でトランクスなの~?」
「いえ、店長が…」
「好みを聞かれてな…」
「アホかッ!!」
ミカの言葉に千束はミカに怒鳴る。これは俺も流石に同意だ、ミカよ…お前馬鹿なのか?
「おいミカ、普通そんな事言わないだろう、これバーニー達が聞いたらもの凄く呆れられるぞ? それにたきなもだ、そういう時は千束に聞け、もしくはミズキにもだ」
「そうなんですか?」
「むっ、そうだな…」
ミカはそれに少しばかり反省する、全く…そのせいで俺は少し千束に冷たい目線を向けられたんだぞ。とんだとばっちりだよ。
だがそんな感じをたきなが崩す。
「でもこれ穿いて見ると、結構解放的で…」
「もう~!そうじゃない!! たきな!明日12時駅に集合ね!」
「仕事ですか?」
入り口に向かう千束にたきながその事を聞くと、千束は大声で言う。
「ちゃうわ!!パーンーツ!!買いに行くの! あっ、制服着てくんなよ?私服ね私服♪」
そう言って千束はお店を出て行った。俺達がそれを見届け後、たきながミカに向く。
「指定の私服ってあります?」
「ん~…」
たきなの問いに考え込むミカ、ってこらたきな、私服に指定は無いから…。
「全く…、ミカ、俺はあがるぜ」
「ん?あ、ああ…ご苦労さん」
「浩平さんは来ないんですか?」
っとたきながそれを言い出して、その事に俺は振り向く。
「…俺が行って、メリットがあるのか?」
「いえ、どうせなら浩平さんにも確かめて貰おうと…」
「馬鹿言え、そんな事で俺が行くわけないだろう」
「そうなんですか?」
たきながそう首を傾げながら言う、…たきな、お前本当に日常的な事は分からずなんだな。いや…むしろそれが当たり前か…。
DAは孤児を引き取り、ただ普通に育てるのじゃなく、暗殺者として育て、その後は使い捨てにする場合があると、ミカから聞いた事あるな。むしろ必要以外な所は教えない…それがそうなんだろうな。
以前たきなは此処に来る前はDAに戻りたいばかりで、あまり乗り気じゃなかったらしい、…でも今は千束のお陰でこのリコリコに馴染んだそうだが…。
これは大変そうだな。
「千束には私が言いますので、どうかお願いします」
そう言ってたきなは頭を下げて来やがった。
「だからたきな、そこはお願いする所じゃないだろうに…」
全く…そんな風に頭を下げられちゃ、断れないだろう。
「…分かったよ。千束には俺が言っておく」
「ありがとうございます」
それにたきなは少しばかり表情を明るくする、全く…これは千束に睨まれても仕方ないぞ。
俺はそう言って店の外に出る。
すると外には千束が何やら壁にもたれながら俺を見ていた。なんだ…?
「どうした?」
「浩平君…、実はさ…浩平君はこの日本に帰って来てそんなに経ってないでしょ?」
「まあな、…その事でちょっと話があるんだ」
「うん、さっきの会話聞いてた。全くたきなったら…下着はこっちが見るから、それ以外だったらその…出来たら一緒に回らない?」
っと少しばかり恥ずかしながら千束は言う、…参ったな、それを聞いたら断れない。
「…OK、じゃあ明日な?」
「よし!決まり!」
そう言って俺達は明日に備えるのであった。