どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
…昔の、夢を見る。
あの頃の俺は、死ぬことを過度に恐れていた。いきなり故郷から引っこ抜かれて、生きることに必死で。
周りからどう見られようと知ったこっちゃなかった。
あいつからの一言がなければ。
『別に詮索はしないっすけど…困ったなら話してみてくださいね?』
そう言って差し出された手を取ってから、どれだけ世界が変わっただろうか。
護ることすら満足に出来なかった俺がどれだけ救われただろうか。
目標を求める日々を終わらせてくれたことがどれだけ救いをもたらしてくれただろうか。
限りなく灰色の世界から色がついたのがどれだけ安息をもたらしてくれることか。
いいことばかりではなかった。
死体になった仲間を検視することもあった。
可憐な少女を糾弾することもあった。
疑われて逆上することもあった。
寝ている間に毒殺をされかけることもあった。
それでも、幸せだった。
彼がもたらしてくれたささやかな夢のような日常に、オレは確かに希望を抱いた。
だから。
そう、だからこそ。
「君をここで止めなければならない…!」
私は目の前の人物を止めなければならなかった。君を護らなければ、私は今度こそ立ち直れないだろう。
「…」
無言で向けてきた包丁。
徒手で戦うのは問題ない。後ろに下がれないのも問題ない。問題なのは─
「…本当に、君は殺そうとしているのかね?」
─相手を殺してはいけないことである。
間違いなく殺すのはたやすい。そちらの方が長い夜を乗り越えるのなら簡単だろう。だからといって、そうしてしまえば黒幕の思う壺だ。
恐らくは私か彼のどちらかを殺したいのだろう。それほどまでに私達は目立ち過ぎた。皆の支柱になっていた。そんな人物が人を殺したなら?
疑心暗鬼になる引き金になる。
ただ、私を殺そうとせず彼の部屋に入ろうとしている時点で狙いは知れている。
(結局、彼に気づかれないように戦わなければならない訳か。あいつのことだ、気づいたら外に出かねない)
さて、方法そのものは簡単なのである。ルールで縛ればいいのだから。
元々、ルールの穴を付いた行為を2人共しているのだ。
『夜時間中は部屋からの外出を禁じる』
本来ならこのルールで外に出れないのだが…いやはや、考えることは同じである。
このルールで禁じられているのは『夜時間から外に出ること』なのであって、『夜時間以前から外に出ている人』には効果はないのだ。
なので、仮にこの状況で部屋に押し入ったなら、外に出れない密室が完成する訳だ。
その考えを利用して、元々開けていた私の部屋に押し込めばいい話なのだが…
(その方法を行うと私は死ぬ、か…)
確実に入れるのなら自分もろとも入れなければならない。もちろんその状況で私を生かす理由はない。とはいえ、この機会でしか黒幕の内通者を葬る機会はないだろう。
迷った末に、私は人影に突進して押し倒した。
「ははっ…これで君に選択肢はなくなった」
「衛宮…貴様…!」
突如、腹に衝撃。更に3回。
血にまみれながら最後、相手の全身に血を浴びせる。ドアの前で力尽きる。
叶うことなら、彼と…蘭太郎と共に最後まで戦いたかった。
そして、私の─『超高校級の門番』衛宮
召喚したのは
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セイバー(円卓関連)
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アサシン(v3)
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その他(感想で教えてほしいっす)