どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
「もしかして…マリー、死んだんじゃないっすか?」
俺も到底信じることはできない結論ではあるが、そうとしか思えなかった。
…考えてみればすぐに違和感に気づく。最後にここに来る前の景色が正しければ人が生きていられる空間ではなかった。マシュさんは盾があったからまだ生きれるし、俺やあの少女も変な機械に入っていたからレイシフトの時まで生きている可能性が高い。
だけど、マリーだけは違う。
マリーは生身であの火事の中にいたのだ。普通に考えれば死んでいてもおかしくはない。それで死んだことによってレイシフトに関する適性を得て、冬木にやってきた。めちゃくちゃな理論だけど、筋は通っている。
「…そんな、嘘。いや、人類定礎も、終わってるからもう意味がないのね…」
青ざめたマリーだが、まだ少しだけ手は残っているだろう。
「マリー、とりあえず落ちついて答えてほしいっす。…ここが滅びる原因、何かはわかってないですよね?」
「う、うん…」
俺は一息つき、とある嘘をマリーに教えた。
「万物の願望器─聖杯。ここ冬木に眠っているっす」
もちろん、俺はそんな情報は知らない。精々聖杯を巡った戦争に巻きこまれて死にかけた経験で聖杯の情報を知っているくらいだ。
ただ、これならマリーを死の淵から蘇る奇跡程度なら起こせる。
それに、さっきの発言の中で聖杯が関与している可能性が高まった。人類定礎なんて大層なものが無くなるならそんなものは聖杯に頼った、と見ていいだろう。
それなら使おう。使い捨てよう。
馬鹿だとはわかっている。それでも俺は、マリーを…妹を失う訳にはいかない。
「これならマリーのやりたい人類定礎もなんとかできますし、マリーも蘇らせることもできます」
そもそも、こんな不安にさせた俺が言うのも説得力ないんっすけど。
今俺がやるのはマリーを安心させること。
「それに、マリーが死んでいるのも俺の仮説ですし。もし万が一に死んでいたらの保険っすよ。ほら、魔術のことを何も知らない人の話ですし」
もちろん、こんなのは嘘だ。妹を探すために世界を旅した俺は、そういうオカルト的─マリー達の魔術の知識も全力で暗記した。だから殆どこの仮説については合っていると思っている。
…でもそんなのは、マリーを安心させるのには不必要だ。
「大丈夫っすよ、マリー。絶対、守りきるっすから…マリーに
痛いぐらい強くマリーを抱きしめる。手に温かなぬくもりを感じる。
「…情けなくなんかないよ、お兄ちゃん」
このぬくもりは…二度と手放さない。
立花ちゃんは?
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妹にする
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妹にしない
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そもそも男
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姉にする