どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
運がいいのか悪いのか。
フィンを強襲してきた存在は人間であった。この時代にはいないような服装。自身の臣下と同じような声帯。
それがどうした。敵であるなら殺すのみ。仮にも第一線で戦うサーヴァントに人間が敵うことなどありえない。
ただ、ありえないことは現実として彼に牙をむいた。
「だーかーらー!自分の趣味と相手の趣味が似ない場合はどうするんすか!」
馬鹿みたいな理論を言い合いつつ、武装は最低限であろうと当たらない天性の才能。それと同時に投げられるナイフ。真っ先に真名に気づいて手首を狙うその頭の回転。
しかし、何よりも恐ろしいのはその手の器用さにある。拘束する為に足にかぎ縄を投げた直後には燃えた枯れ草ごと投げられる武器の数々。本来の真剣勝負では不利な間合いさえも彼には無意味と言わんばかり。
「……もらった!」
フィンは狙いをつけ、かすかに見つけられた隙に向けて渾身の槍を穿つ。避けられない攻撃。
一拍して直撃した手応え。
だかそれは敵を殺した訳ではなく、下に着込まれた鉄の塊に当たった手応えだった。
無論、攻撃の威力が無かった訳ではない。寧ろ鉄すらも穿ち抜けるような威力が一撃一撃にあるのがサーヴァントである。例えミスリルであろうと容易く貫いたであろう。
それを一切通さなかっただけである。だからといってフィンが諦める理由にはならなかった。頭を狙うだけである。
「─」
計ったように落ちてくる手榴弾。無論弾くことは可能だし、もちろん回避すらもできた。しかし、その先にいるのはどちらもディルムッドだった。どちらに当たってもいいような位置取り。先ほど自身が見つけた隙すらも計算尽くで行っていたのだろう。ここまで思いつくような彼がそんなことがわからないことはあるまい。
迷った末に彼は無理矢理上に弾いた。確実に相手から攻撃される代わりに手榴弾を避ける。その判断は結果として正しかった。
手榴弾が弾け、一瞬にして体が震える。冷凍手榴弾と呼ばれる敵味方問わず攻撃する兵器。この中で最も被害を被る存在は言うまでもなくディルムッド。
しかしそれは自身の運命を決定づけた。もしここで回避を選んでいたのなら多少は彼の命は延命されただろう。
後ろから刺さったのは先まで弾いていたナイフ。理解した刹那、眼前には橙色しか映らなくなった。
燃やされた枯れ草、と気づくのには一瞬。
その一瞬で、彼は死んだ。
首をかき切られ、血が噴出する。咳き込む暇すら与えず、心臓に一刺し。
フィン・マックールは、天海蘭太郎に負けた。
水着徐福とフィンとディルムッドが同時に当たりました。なんで?
52とv3、救われないとしたら?
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