どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
レイシフトした先で、私は死にかけていた。
「マシュ、逃げるよ!」
「は、はい」
死にかけているクーさん達を置いて走り出す。ごめんなさい、助けられなくて…
「そんなこと気にする余裕なんてないんじゃねぇの?」
後ろからの声。翻る余裕なんてないままがむしゃらに走り抜ける。
「へえ、いい
死んでくれよ」
なんでこんなことになったのだろうか。
逃げる森の中、ふと走り続けながら考えた。
きっかけは
「…結論から言いましょう。この世界は、ほぼ終わってます」
「…どういうことですか?」
本当はこんなこと、信じたくはない。でも…
(表情が、おかしい…)
マリーさんを…妹を救う時に見せた真剣な表情と殆ど変わらない顔に、嫌でも真実だと理解させられる。
「簡単に言うなら歴史が変わっている状況っす。バタフライエフェクトって知ってますか?」
「いえ、知らないです…」
「まあそうっすよね。バタフライエフェクトは小さな一つの行動でもどんなことになるかわからない…そんな効果のことを指しますね。例えば、立香は献血の為にここに来たんすよね?」
「はい…それで、こんなことに巻き込まれちゃったんです…」
「そういうことです。献血に参加しなかったらここには来ずに巻き込まれなかった…逆に言えば『献血に参加する』という小さな行動がここまで大きな事態の当事者になったんすよ。それがバタフライエフェクトっす」
「なるほど…よくわかりました…」
「それで、小さな行動が歴史の改変っていう大きな行動になったらどうなると思いますか?」
「もっと、大きくなる?」
「そうっす!」
そう言って私の頭を撫でてくれる
髪の毛が崩れないように慎重な手つきだけど、それでも心はほんわかした。
「で、そのバタフライエフェクトの基準点を正さないと世界が滅びた世界がそのままで終わって死ぬ、ということです」
「その、滅びた世界にいる私達って…?」
「ここはさっき体験したレイシフトの装置がある機関なので、歴史の特異点にまだ侵食されてないんすよ。最も、時間の問題なんすけど」
「止めるには、どうしたら…?」
「その原因を壊すことっすね」
聖杯を手に入れられたら問題ない、とのことだ。その為にクーさんを呼んだりしたのだろう。
「で、もし失敗したら終わります」
「……ふぇ?」
「そういう感じなんで、俺に任せて寝ててください」
意識がぐるぐる回って消える。
すこし見にくい視界に見えたのは、優しい目だった。
52とv3、救われないとしたら?
-
52
-
v3