どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
……私、オルガマリーはありえないものを見た。
「まさか、そんなことがあるなんて…」
「どうしたんだい、マリー所長?」
私が見た写真には死体の海で槍を構えた衛宮防人という人物─
いや、本当にそうなのかはわからない。事実を確認しないと。
『秘匿資料:エルメロイ二世の防衛について
概要:二世の活躍に嫉妬した一部の魔術師達が屋敷に侵入を試みるも失敗。夜間であるにも関わらず、また珍しく徒党を組んだ魔術師達が全て防衛されて殺された為に知る人ぞ知る事件となった。
本来ならば容易に侵入できたはずの屋敷だが、二世がその日に雇った門番によって防がれた。最もこの事件で不可解なのは、門番である人物は12にも満たず、魔術すらも知らなかったことである。
深夜で一寸先も見えないような状態にも関わらず、全てを殺しきった人物は後日、二世から【衛宮防人】と偽名を与えられた。
その後、この人物は4年後にスカウトされて日本にある【私立希望ヶ峰学園】に留学した後に消息を絶った。
【衛宮防人】
人物について突き止められることは一切なかった。辛うじて言えるのなら名前が贈られたのから日本にルーツを持つと推測する。以下は二世へインタビューをした時の内容である。
─衛宮防人と出会ったのはどのような経緯ですか?
「どのような、か。内弟子に知らぬ間に張り付いていた、としか言えないな。その時追い出すには余りにも酷だったから1日保護して孤児院へ送りつけようとしたのだが…」
─勝手に門番をやった、ということですか?
「いや、そこはどうやら愚妹が唆したようでね。一宿一飯の恩を返さなければ人としてどうなんだか、と食事の場で言ってしまったから…まあ、成り行きで門番をやったと言えるな」
─正直、夜襲撃されたことについては気づきましたか?
「そもそも魔術工房に入らなければ気づかない。つまり、門にすら触れられていなかったようだね。監視カメラの設置をしていなかったこちらの落ち度だ」
─なるほど。衛宮さんの行動は記録されていなかったのはその為ですか。
「そうだ。最も、愚妹がイタズラで置いていた隠しカメラがあったから残っているのだがな…正直、見たくないものだ」
─では、衛宮さんの戦闘はどう思いましたか。
「避けることに特化していた、というのが最初の方に感じた。最初は死なないように立ち回っていたのかもしれないと思ったのだが、よくよく見たら門に当たる攻撃は全て斬っていたんだ。後々の為の布石、とでも言うべきかな。かなり大げさに避けることもあったし相手の油断を誘う為だったのだろう。後半とは大違いだよ」
─後半、とは?
「まあ、タイミングとしては一人殺した瞬間からだろうか─なんというか、殺し合いとすら呼べない殺戮劇に変化した。相手の攻撃など無駄だと言わんばかりに払って突き殺す。ご丁寧に心臓を狙ってだ。無論、魔力にも魔術にも関わってすらいない、ただの年相応の人間が、だ…正直、ある種の天才だと恐怖しているよ」
─なるほど。名前を送った理由は?
「単に名前を言いたがらなかったからだ─なまじ誰かから教えられたからは知らんが名前だけはやけに拒んだ。しかし、ここまで暴れた以上隠せないことは明白─となれば名前を決めた方がよいと思ったまでだ。
名前の由来は屋敷、つまり宮を護衛したことを称する衛宮。それと防人…北九州の要地を守った職業を組み合わせて衛宮
─最後に二世から彼への総評をお願いします。
「魔術師としての根源には辿りつけはしない。が…魔術師の天敵た。魔術師殺しとは違う、純粋な暴力によって魔術をねじ伏せる人物。奴にとって、私のことを助けたのは単なる善意なのだろうが…もし敵に回したらどれほど恐ろしいことか。私としてはやらせたいようにやらせるのが一番だと思う。死にたくないのなら、な…」
追記:衛宮防人は『超高校級の門番』としてスカウトされた。殺害人数、在学前のみで1000人を超える』
「…化け物ね。秘匿資料も納得だわ」
「同感だね。これに英雄の力も加わるのかい?」
よくこんなのとお兄ちゃんは聖杯戦争をしたわね。そもそも、叶えたい願いもわかるのがむかつくわ。どうせ『妹に会いたい』とかそんなもんでしょう。
「さて、と…どう見ればいいのかしら?」
「弱点は見つからなさそうだね…」
でも、どこかおかしな点があるかもしれない。
「調べておいて。私はもう一つ見なきゃいけない資料があるのよ」
パソコンのファイルをクリックして、お兄ちゃんの資料を開く。
「それは…天海くんの資料?」
「そうよ。お兄ちゃんに謎が多過ぎるのよ」
私はお兄ちゃんの資料を開いた。
52とv3、救われないとしたら?
-
52
-
v3