どいてくれませんかね…?俺、お兄ちゃんなんですよ 作:マリーを妹にし隊
「鼓膜に浸透のルーン文字を入れた。不快なノイズは全部消えるから安心して交渉しにいくぞ」
「…それにしても、よくそんなに色んなルーン文字使えますね。普通そんなん覚えているのはないと思ってましたよ。しかも、それ原初のルーンっすよね?」
露骨にサキは顔を歪めました。ルーン文字…なにか関係はあるんでしょうか?
「…いや、まあ蘭ならわかるのか?そもそも原初かどうかどう見分けたんだよ?」
「俺が知らないルーン文字なら絶対に違うってわかりますから。
これでも俺、世界中を回ったんで全部の言語を書けるし読めるし喋れるんすよ」
「蘭はなんで…って無駄か。そこいらについては痛いほどよくわかるからな」
「そうですね。サキならよくわかってると思うんですが…」
「まあそうなんだけどさぁ…だからといって執念のかけ方が凄いんだよな?普通そんなに生き別れた妹にかけられないだろ」
確かにサキの言う通りなんでしょうね。妹にかけている時間がおかしい。その為に世界を回ることは異常。
実際どうしようもなく事実でしかないんですよ。
「そうなんでしょうね。別に日本語が通じればそれでいいんですけど…ま、正直わからないこと前提で探していましたから」
「言ってて悲しくならないかそれ?」
「だって殆どの妹が5歳とかそれくらいの小さい時期ですよ?そんなの覚えてる訳ないじゃないですか」
「…まあ、そうだな」
「俺の方は妹のことをずっと覚えられてますけど、妹の方は俺のことを忘れているか恨んでるはずです。もし覚えてたのなら、俺は妹がどうしたいか…で、決めますかね」
「例えそれが…お前が死ぬことだとしても、か?」
「そうっすね。妹の手にかかって死ぬなら本望です」
どうせ、俺は妹の為に生きているだけですから。…そうやって生きることを強制させられている、とも言えますけど。
死ねないままなのも考えものなんですけどね。
「蘭…一応忠告だけはしておく。あくまでお前の妹としての視点とかじゃなく、クラスメイトとして、な。
オレは死んだ後、お前がどうやってあいつに勝ったのかは知らない。そんでどんなことを…いや、この言い方は違うか。お前の願いは『どうやって』叶えられたかは知らない。ただ、オレは少なくとも、お前が
終わった後、お前はどちらかはわからないが崩壊する。他ならない妹達によって、だ。これについては、あんたの妹のケルと立香を見て確信した。どうなのかはわからないが、殆ど狂っている人生を送ってなきゃああはならないだろうな。
正直、お前は休んでもいいだろう。中の
ただ、まだ死ねはしないのなら。生き残ることを妹に捧げるのなら。
少しでも妹以外に目を向けとけ、ってことだ」
…きっと、サキじゃなくて中の人だったんでしょうけど。
ひどく深く、事実を俺は突きつけられた気がしました。
52とv3、救われないとしたら?
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52
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v3