せっかくリニアでコガネシティまで来たから寄り道をして友人に会いに行くつもりだ。
皆さんご存じのマサキである。ポケモン転送装置を開発し、ポケモン預かりシステムを作り上げた天才である。以前まではハナダシティの近くの岬に住んでいたが、カントー地方の野生が強くなりすぎたためバトルが苦手なマサキが生活できなくなってしまい、実家のあるコガネシティに元って生活している。
ゲームではポケモンと合体した姿で登場したために一部の人にはトラウマを遺したコイツはこの世界でもポケモンと合体していた。
本人曰く
「俺はイーブイたんと話してみたがったんだ!そして一緒になりたがった!そのためにポケモンと合体できるシステムを開発したのになぜ、転送装置として使われている?」
とのこと...途轍もない変態なのだ。
まさかポケモン転送装置という世紀の大発明がこのような考えから生まれたとはだれも思わないのだろう。このことを知っている人は直接合体しているところを助けたレッドと飲み会で酔っているところを介抱した私ぐらいだろう。
そんなマサキと仲良くなったのはタマムシ大学に入学し、がくしゅうそうちについて研究をしていた頃だった。
ピカブイ以降からゲームを始めたプレイヤーは知らない代物だろうがそれ以前のプレイヤーはこのアイテムに大変助けられたに違いない。
バトルの際に持っているだけで経験値を分けてもらうことが出来るために、ポケモン育成には大変重宝された代物である。
私がこの世界に生まれて一番驚いたことはレベルシステムが認識されていない点だった。ポケモンには強さの差があることは認識されていたが、区別する際にバッジで「俺のポケモンはジムバッジ7個分の強さだぜ!」という風にこれぐらいのジムバッジを取得できるという区分だけであった。
もちろん、地方によってジムの難易度が変化し、さらには発言者本人がジムに挑戦しているとも限らないため、この区分は形骸化していた。ちなみに、最も多く発言されていた区分は「俺のポケモンはチャンピオンぐらいの強さ」と言われている。大体一つの町で10数名のチャンピオン級が居た模様。
さすがに、レベルシステムが無いとチャンピオンの強さや野生の強さが分からないためにリーグ挑戦をするにしても旅をするにしても不便でしかない。
特に旅では野生のポケモンの強さは実際に戦うか進化しているかどうかでしか分からないため、かなり危険だ。
そのために、早急にレベルシステムを考案しないと私が安心して旅できないからレベルシステムを構築するべく勉強を始めた。
この際に着目したのが先ほどから名前が挙がっているがくしゅうそうちなのだ。
まず大前提として、このがくしゅうそうち驚くことになんと人工的に作られていない。
入手法はポケモンの特性で拾うことだけだ。そのために市場に出ておらず、一般的にはあまり知らない道具である。
しかも、15年ほど前まではポケモンに道具を持たせるという概念が進んでおらず、ゲームに登場する多くの道具の効果すら分かっていない状況にあった。
そのため、がくしゅうそうちは一部のポケモンがいつの間にか拾ってくるオブジェクトという認識だった。
そこから6年掛けてがくしゅうそうちの経験値とは何なのかを研究することによって経験値を数値化し、レベルシステムを構築した。
この間に道具の有用性がゲームでは登場しないポケモン博士が発見し、発表したことでポケモン対戦環境が大きく変化した。
昨日チャンピオンになった人が明日にはボロ負けしている。そのようなことが珍しくない激動の数年間であったと言われている。
ちなみに、ここの期間で勝ち残った人たちが皆さんよく知っているゲームのチャンピオンの方達だ。ただし、ガラルチャンピオンはマスタードだった。
あれこれ考えているうちに目的のマサキの家に着いた。見えている範囲の窓枠やカーテン、郵便ポストまですべてがイーブイで構成された非常に目立つ家である。きっと若い子達の待ち合わせ場所になっているに違いない。
そんな、非常に目立つイーブイ塗れの家のイーブイの形をしたインターフォンを押した。
主人公含めて誰一人喋らないってマジ?
本当はシンオウに行く予定だった。