インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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挿入投稿のテストのため9話より先行して
本パートを投稿しております。
私も投稿後に確認を行いますが
キチンと話数順になっていなかったら
筆者までお知らせください。



第10話

 

 

 

身体能力と剣の扱いの鍛錬を箒ちゃんに任せ

IS操縦のいろはを私が教えること1週間。

あっという間にセシリアちゃんとの決闘の日だ。

 

「ホントに助かったよ2人とも…!」

 

「そ、そうか。それは何よりだ」

「お礼はセシリアちゃんに勝ってから言いなさい」

 

原作だとIS関連の知識がまったく覚えられてなくて

不安しか無いなと嘆いていたはずだが

私というイレギュラーにも指導してもらった一夏君は

なんだか自信満々といった感じ。

 

箒ちゃんとのトレーニングは原作通りだったよ。

背中に箒ちゃんを乗せた状態で腕立て伏せとか

箒ちゃんの乗ったタイヤを引っ張るタイヤ引きとか

ものすごくアナログなトレーニングだった。

あでも一夏君が引くタイヤの上ではしゃぐ箒ちゃんは

とっても可愛かったと言っておこうか。

 

 

 

 

 

──で。

 

「お前の機体はまだ届かないのか?」

 

「近々来るって聞いてたんだがなぁ…」

 

やっぱり君の機体は遅刻するのだね。

何をしているのだ倉持第一は。

 

白式の武器に搭載される"特殊機能"は倉持ではなく

確か束さんが「試しに突っ込んだ」とか言ってた

遊び半分で搭載した機能だったハズなので

何者かに機体がいじられてて大騒ぎになったのだろうが

わざわざ打鉄弐式より白式の開発を優先したんだから

それぐらい責任持ってキッチリ完成させなさいよ、と。

 

 

 

「織斑く〜ん!織斑くん織斑くん!」

 

さらに少しして、廊下の向こうから特徴的な緑髪が

2つのスイカをたぷんたぷんと揺らしながら走ってくる。

真耶ちゃんだ。一夏君に"お届け物"が来たらしい。

 

しかし…あのダブルスイカが揺れる光景は目に毒だこと。

一夏君なんか顔真っ赤で目ぇ逸らしちゃってるよ。

 

 

「きゃっ?!」

 

あ、なんかつまづいた。何も無いっすよ?そこ。

 

 

「わっ、わっ…わぁ〜〜〜っ!?

 

つまづいた真耶ちゃんはバランスを崩し

おっとっと、とそのまま私の方へ──

 

私の方へ?!

 

 

 

ズテーーーンッ!!!

 

 

 

「……………」

 

前が見えない。なんだかとても柔らかいものに包まれてて

まったく前が見えないぞ。

 

「……もごごごっ(山田先生)もごごごご(大丈夫ですか)?」

 

「ひゃっ?!ごめんなさいごめんなさい今どきます!」

 

「ぷはあっ!」

 

受け身には成功して後頭部強打は免れたが

あやうく窒息死するところだったわい。

 

おっぱいに埋もれて死にたいとは思わないのか、だって?

女の子歴もう15年だからか、スイカクラスに包まれても

そんな気分にはならんのだよ。私の姉もシスコンなせいで

似たような事を何度も経験しているので余計にな。

まぁ…変な気分にはなるが。

 

 

「……ゴクリッ」

 

あぁ、一夏君には間違いなく猛毒だろうね。

 

フランスとドイツから転入生が来てすぐに

君もこのスイカの揉み心地を堪能すると思うけど

無事に乗り切るんだぞ。

 

 

 

ゴゥーーーン………

 

「来ました!織斑くんの専用機が!」

 

「これが…俺のIS…!」

 

それはそれとして、ようやく白式が届く。

 

どこか白騎士に似た意匠をした純白の機体だ。

まだ初期状態だが、男性が搭乗する機体だけあって

他の機体よりもマッシブな印象を受ける。

 

 

初期化(フォーマット)最適化(フィッティング)は実戦でやってこい」

 

「……よろしくな、白式」

 

自分より経験も腕前も格上の国家代表候補生を相手に

完全に初期設定のままの機体で挑まされるという

私だったら遠慮願いたいね、な状態を前にしても

一夏君は怯むことなく飛び立って行った。

 

頑張ってこいよ、少年。

 

 

 

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「あら、逃げずに来ましたのね」

 

「待たせてすまなかった」

 

一夏とセシリアが第3アリーナで相対する。

 

セシリアが駆る、蒼い翼を広げたような流麗な機体は

イギリスの試作型第三世代IS「ブルー・ティアーズ」。

機体名と同じ名を冠する無線式遠隔攻撃端末(ファンネル)

BT兵器の試作機でもある機体だ。

 

 

「──私が一方的に勝利するのは自明の理…

ボロボロの惨めな姿を晒したくなければ

今ここで降参することをお勧めしますわ」

 

セシリアは相も変わらずといったセリフ回しだが

その構え自体に油断や隙などは無い。

そこは伊達に代表候補生していないといったところか。

事実このカードを何回繰り返したとしても

一夏が勝てる可能性はわずかにしかないだろう。

 

「…悪いが、諦めの悪さが俺の武器なんでな」

 

だが一夏は諦めの悪い男であった。

 

どんな苦境でも諦めなければ可能性は0にはならない──

自分より遥かに年上のような雰囲気の少女から教わった

その信念が彼をここに立たせている。

 

「それなら………」

 

 

 

キィィィン…ッ

 

「お別れですわね!!」

 

バシューーーッ!

 

「くっ!」

 

セシリアが握るレーザーライフル「スターライトmk.3」が

この試合の火蓋を切った。

 

 

「これを避けるだなんて…褒めてさしあげますわよ」

 

「特訓は裏切らないな…っ!」

 

正確にロックオンされていたはずの一射を

一夏は機体を思い切り横へずらして回避する。

鬼気迫る剣道少女の刃を避けるという特訓は

彼の「攻撃の察知」というスキルを伸ばしたのだ。

 

 

バシューーーッ!

 

バシューーーッ!

バシューーーッ!

 

「私に近接格闘武装で挑もうだなどと…笑止ですわ!」

 

「悪いが武器はこれしか無いんだ!」

 

降り注ぐレーザーの雨の中を、刀に似た形状の武装

雪片弐型(ゆきひらにがた)」を手に駆け回る一夏。

中~遠距離での射撃に特化したブルーティアーズを相手に

初心者の一夏が剣1本で挑むのは無謀極まりない行為だが

白式に搭載されている武装は雪片弐型のみなので

それを使って戦う他に道は無い。

 

それでも一夏は決して諦めずに戦い続けた。

 

 

 

「──27分。持った方ですわね」

 

「そりゃどうもっ!」

 

[シールドエネルギー残量:7]

 

とはいえさすがに分が悪い。

 

攻撃を殆ど当てられないまま、あと一撃でも貰えば

負けてしまうところまで追い込まれてしまった。

 

「では、閉幕と参りましょう!」

 

スターライトの銃口が輝く。

 

 

 

「そうは行くかよッ!」

 

「外したっ?!」

 

だがここで、一夏の動きが変わった。

 

「お、往生際の悪い…っ!」

 

ザシュッ!!

 

「私のビットが!?」

 

一夏はなにもただ単に逃げ回っていた訳では無い。

セシリアの癖を見抜き攻略の糸口を探していたのだ。

 

この戦闘の最中、彼女がライフルとビットを

同時に撃ってきたことは一切無かった。

さらに、ビットが攻撃してくるのは毎回決まって

一夏の死角になる場所からだった。

それだけの要素が重なれば嫌でも分かるだろう。

 

 

「有り得ませんわ!こんな…こんな事っ!」

 

「甘いっ!」

 

ザシュッ!!

 

セシリアがライフルでこちらを狙っている間は

ビットから攻撃される心配は無い、と。

ビットが死角へ回り込むように動き始めたら

ライフルによる攻撃を意識する必要は無い、と。

 

 

ザシュッ!!

 

「これで3つ目!」

 

「くっ…」

 

セシリアがもう少しビットを柔軟に使えたら

結果は違ったのかも知れないが…。

 

 

バキィッ!!

 

「これで最後!」

 

「そんなっ!」

 

現実はこの通りだ。

 

 

「残りはセシリア!お前本体のみだ!!」

 

射出されていた4基のビットを全て破壊した一夏は

これを好機と見て一気に攻勢へ出る。

 

シールドエネルギー残量は相変わらず7のままだが

武器がライフルのみとなったセシリアなら

回避して本体へ斬撃を当てることも難しくない。

 

 

 

──残りの武器がライフルのみなら、だが。

 

「お生憎様!ビットは6基ありましてよ!!」

 

「!!」

 

リアスカートだと思っていた部分が前方へ向けられ

2発のミサイルが発射されたのだ。

 

ドォォォンッ!!

 

加速が乗っていた一夏にそれを回避出来るはずもなく。

 

アリーナに爆発音が轟く。

 

 

 

 

 

 

 

[初期化と最適化が終了しました]

 

「ま、まさか…一次移行(ファーストシフト)?!」

 

そこには、新たな姿へと進化した白式が立っていた。

ミサイルの着弾と形態移行が重なったことで

受けるはずだったダメージが無効化されていたのだ。

 

雪片弐型も新たな機能に目覚めている。

 

 

「そっ、それが何だと言うのです!!」

 

「俺は負けねぇっ!」

 

更に動きが軽快になった白式にミサイルは当たらない。

飛行速度自体が早いのもあるが、最適化によって

白式が真の意味で織斑一夏専用機となったことで

機体を意のままに操れるようになったのが大きかった。

 

 

「これで終わりにするっ!」

 

[特殊機能:零落白夜]

 

振るわれた雪片弐型が光の刃を纏う。

 

それは、かつて戦女神(ブリュンヒルデ)が手にしていた光の剣。

 

 

 

ひっ!?

 

──あれを受けたらどうなってしまうのだろう。

 

セシリアは恐怖した。ISは凄まじいまでの防御能力を誇り

並大抵のことでは搭乗者が傷付くことなど無いが

あの光り輝く剣は間違いなく「並大抵ではない」武器。

 

 

「こ、来ないでっ!!」

 

そんな武器を前に、命のやり取りを知らない少女が

正気でいられるはずも無かった。

 

 

 

 

 

…しかし、忘れてはいないだろうか。あの武器の特徴を。

 

 

『白式、シールドエネルギーエンプティ!!

勝者、セシリア・オルコット!』

 

「「えっ?!」」

 

零落白夜とは。自身のシールドエネルギーを犠牲に

敵機のシールドを打ち砕く、いわば諸刃の剣。

鞘から抜いただけでも持ち主の命(シールド)を削る魔剣なのだ。

シールドエネルギーが残り7しかない白式が

そんなものを使えば、自滅するのは当たり前だろう。

 

 

 

 

 

…なんだ、その………大丈夫か?」

 

「一夏…さん…」

 

緊張の糸が切れてへなへなと座り込んだセシリアへ

バツの悪そうな顔の一夏が手を差し伸べる。

 

「あそこまで啖呵切った手前あんな恥ずかしい負け方は

したくなかったんだがな…」

 

男の意地を見せてやるつもりだったというのに

まさか自分の使っている武器の特性を忘れて

自滅してしまうとは、と自嘲気味に笑うが──

 

 

「いいえ…貴方は強いお方ですわ。…とっても」

 

「そうか?」

 

セシリアは一夏の差し出した手を取った。

 

彼はハンデのある状態で戦い、その中の短い時間で

自分の癖を正確に見抜いて攻撃に活かしたのだ。

シールドエネルギー残量7まで追い込まれた状況から

一度も被弾せずにビットを4基も落として

奥の手だったミサイルビットまで切らせたのだ。

運命が違えば負けていたのは自分だったかも知れない。

 

殆どISに触れたことが無い彼が代表候補生の自分を相手に

そんな戦いをしてみせたのだ。たとえ負け方はあれでも

それほど強い意志を見せた男を嘲笑うなど出来るものか。

 

「誇ってください。その意志の強さを…」

 

「そうか。ありがとう」

 

 

 

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──少し休憩を挟み、第2試合。

 

 

「世界を広く見れるようになったみたいだね」

 

「えぇ…先程までの私は未熟でしたわ」

 

セシリアちゃんの顔つきが試合前と変わっている。

高圧的な態度が消え一定の余裕が戻った感じだ。

 

「私はセシリアさんが抱える事情は分からないけれど…

物事を見る時は常に冷静に客観的に、だよ。

そのビットの扱いにも、きっと通ずるはず」

 

「冷静に…客観的に…。そうですわね」

 

うむ、いい顔だ。

 

ビット兵器の類いは扱うのに並列思考を要求されるので

使用者が冷静さを失ってしまえば性能は激減する。

しかし裏を返せば、常に冷静さを保つことが出来れば

ビットの性能を遺憾無く発揮出来ることだろう。

 

 

 

 

 

「その機体は…ラファールですか?」

 

セシリアちゃんが疑問を投げかけてくる。

私の乗機についてだ。

 

「うん。ラファール・リヴァイブのカスタム機だよ。

学園のものだからカスタムには限度があったけどね」

 

「…正直に言いますとラファールとは思えないのですが」

 

私の乗機は、フランスのIS装備開発企業「デュノア社」が

生産ライセンスの販売を行っている第2世代型汎用機

「ラファール・リヴァイブ」をカスタムしたものだ。

 

ラファールの特徴とも言える4枚羽のうちの2枚

懸架アームに取り付けられていたシールドは撤去され

両腕にはマニピュレーターの動きを阻害しない形で

レーザーライフルが一丁ずつ固定されている。

ウォーマシンのF2000みたいにね。

コイツはいわゆる「急造仕様」というやつである。

 

 

…えっ?アイアンマン(ISver.)じゃないのか、だって?

ISにアークリアクターなんて積めるわけないでしょ。

拡張領域不足然り、技術漏洩対策然り──。

仮に専用機支給の打診が来てても…いや来てるんだけど

白式と打鉄弐式の件が示す通り倉持とて一枚岩ではない。

リパルサーといいジュピターといい、スーツが持つ機能を

まるっと企業のISに積んだら大変なことになるって。

世界中からこう…屍肉に集るハエのごとく…

クソみてぇなヤツらがお出ましになるって訳よ。

 

 

 

 

 

まぁそれはそれとして、だ。

 

「……訓練機とは言えど私は手加減などしませんわよ」

 

「望むところだと言わせてもらおう」

 

試合に集中するとしようか。

 

セシリアちゃんがスターライトを構えるのに合わせて

私も両腕のレーザーライフルへエネルギーを回す。

 

 

 

「行きます!」

 

「来いっ!」

 

 

 

私の戦い方はちょーっと荒っぽいが…手は抜かんぞ!

 

 

 





次回は主人公ちゃんvsセッシーです。

一夏君って中々にえげつないことしてますよね
シールド残り7からビット4基破壊まで無被弾って…
伊達にちーちゃんの弟してないってことだ

この10話で書き溜めが尽きたので
ここからは不定期更新になります。
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