インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

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クラス対抗戦回でございます。

ただし今回フォーカスするのは主人公ちゃん。
つまり、アイアンマンの初陣です。



第13話

 

 

 

『間もなく、クラス対抗戦第1試合の開始時刻となります!

出場する生徒の皆さんは──』

 

 

入学してから早くも1ヶ月ほどが過ぎ

私達新入生は初の学校行事を迎えていた。

 

──クラス対抗戦。

それぞれ選出されたクラス代表の生徒たちが

優勝賞品を巡ってしのぎを削るアツいイベントだ。

今年の賞品が学食デザート半年フリーパスなだけあって

例年以上の盛り上がりとなっているらしい。

 

『1組、2組は第1アリーナとなります!』

 

我らが1組代表織斑一夏君は、第1試合で早速

急遽2組代表に就任した鈴音ちゃんと激突する形に。

全16クラスあっていきなりここがぶつかるとは。

 

 

「どっちが勝つかランチのデザート賭けようよ!」

 

「じゃあ私一夏くんに賭けるー!」

 

「ヒナちゃんはどっちが勝つと思う〜?」

 

「私?私は鈴音ちゃんに賭けようかな」

 

「「「えーーーっ?!」」」

 

君たちにはものすごーく悪いと思ってるけどね

この試合、もし"無事終わるなら"鈴音ちゃんに

勝って欲しいと思ってるよ。

 

何でかって?鈴音ちゃんがmk.5を試着した数日後に

今度はプンスコ怒った顔で私の部屋にやってきたのよ。

で、バストアップに良い飲み物とか食べ物とか

マッサージ法とかをアレコレ聞きに来てね。

何があったのか聞いたら、なんと一夏君のヤツ

鈴音ちゃんに「貧乳」って言っちゃったらしいんだ。

 

Gカップに突入しそうな私が言うのは変かも知れないが

スタイルを気にしている女の子に、たとえうっかりでも

そんな事言う男は一度ぶっ飛ばされるべきだと思うの。

 

「──それは織斑くんが悪いよー!」

 

「幼なじみでもそれはね〜」

 

「私やっぱり鈴音ちゃんに賭ける!」

 

「がんばれー鈴音ちゃーん!」

 

軽く理由を説明したら一気にオッズが傾いたな。

やはり女の子にスタイルの話はNGなのだ。

 

 

 

『一夏!死なない程度に殺してやるわよ!』

 

『望むところだ!全力で来い!』

 

アリーナ内へ視線を向ければ、丁度両者が対面していた。

 

さぁあと少しで試合が始まるだろう。

せめてこの試合だけでも無事に終わるといいが──

 

 

 

『ヒナタ様。学園へ接近する所属不明機を確認しました』

 

そうはいかないらしいな。

 

学園周辺を監視させていたジュピターが

怪しいヤツを発見したようだ。

 

 

mk.4を出すわよ。…私少しお手洗い行ってくるね!」

 

「えーもったいなーい!」

「早く帰ってきなよ〜?!」

 

「…うん!なるべく早く戻ってくるよ!」

 

 

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

プルルルルッ…プルルルルッ…

 

 

未確認機のハッキングでアリーナに閉じ込められる前に

上手いこと抜け出せた私は、専用の回線を通じて

第1アリーナ管制室に居る千冬さんに電話を掛けつつ

学生寮の自室へと全力ダッシュする。

 

『ヒナタか。何かあったのか?』

 

「J.U.P.I.T.E.R.が接近する未確認機を捉えました!

私はスーツを取りに向かってます!」

 

『…そうか、分かった。万が一の時は頼むぞ』

 

一応mk.4には原作mk.7が「アベンジャーズ」で見せた

本人の元まで飛行し自動で装着する機能も

備え付けてあるのだが、寮を改造する許可が降りず

学生寮からでは射出する事が出来ない。

 

よって、こうやって走って取りに行くしか無い。

自動キャッチ型スーツの完成を急ぎたいものだ。

 

 

 

『接近する機影を光学で捕捉。数は2機のようです』

 

「2機?!…正体は分かる?」

 

『機体形状から推察するにISかと』

 

「やはりISか…」

 

状況は正直言って最悪だ。

 

今ここへ向かってきているヤツらの持つ武装は

並の武器ではビクともしない観客席保護用のシールドを

いとも容易くブチ抜ける火力を誇っている。

 

まぁ火力に関しちゃリパルサーレイ最大出力なら

同じように軽くブチ破れるんだけど、問題は防御面だ。

 

「J.U.P.I.T.E.R.。ISの高威力なレーザーライフルが

スーツに直撃した際の被害はどのくらいになる?」

 

『当たり所が悪ければ致命傷になります』

 

一応複数機のISと戦闘する事もしっかり考慮に入れて

対ビームコーティングとでも言うべき塗装はしてあるが

シールドエネルギーなんて便利な物は無いので

塗膜が剥がれれば防御力はガタ落ちしてしまう。

 

良くて四肢欠損、最悪死に至る。

 

 

 

ガチャッ!!

 

とはいえここまで来たんだ。やるしか無い。

 

「よし間に合ったっ!」

 

 

 

さぁ。アイアンマンの初陣と行こうか!

 

 

 

 

 

 

 

『一機こちらへ接近してきます!ご注意を!』

 

「片方引きつけるぞ!」

 

歪な形をした黒いISが学園上空へと現れる。

 

その機体は、ISとしては類を見ない形式──

全身装甲(フルスキン)」と呼ばれる、搭乗者の素肌が露出しない

特殊なタイプをしていた。

 

 

バシューーーッ!!!

バシューーーッ!!!

 

「おっと!」

 

片方は私の方へ。もう片方は一夏君が試合をしている

第1アリーナの方へ腕のビーム砲を撃ってきた。

 

 

「さて。そっちは任せたぞ、少年…!」

 

アイアンマンスーツでISを相手するのは初めてだが

こちとらそれを想定して鍛錬を積んできたんだ。

そう簡単にやられると思ったら大間違いだぞ。

 

 

バシュウッ!!

 

バシュウッ!!

バシュウッ!!

 

『!!』

 

 

まずはリパルサーレイで牽制を仕掛ける。

 

牽制とはいっても、今のリパルサーレイのモードは

対人戦闘を想定した衝撃波モードではなく

鋼鉄をも難なく破壊する高火力モードになっているのだ。

シールドがあろうとかなり効くハズ。

 

 

「少しぐらい喋ってくれた方が楽しいんだがな!」

 

『………』

 

まるで無人機のように──いや、無人機なんだが。

とにかく反応が薄い。

 

戦いを盛り上げる台詞の一つでも吐いてくれた方が

こっちとしても嬉しいし緊張もほぐれるのだが

不規則にセンサーアイが並んだその異形の顔は

無いから仕方無いが表情のひとつも変えやしない。

 

 

バシュウッ!!!

 

バシュウッ!!!

 

「J.U.P.I.T.E.R.どうだ、効いてそうか?!」

 

『敵機の損傷率、9.7%』

 

「う〜ん…イマイチだな…っ!」

 

懐へ潜り込んでから掴んで投げ飛ばしてやり

追撃のミサイルとリパルサーを浴びせてやるが

これもまたイマイチな反応。

 

やはりシールドエネルギーがあるのが問題のようだ。

 

 

「ならこれでどうだ!」

 

ザシュッ!!

 

『!!?』

 

このmk.4の装備はリパルサーとミサイルだけじゃない。

 

原作mk.50から着想を得たブレード状の武器があるのだ。

リパルサーレイへ供給されるエネルギーを

グリップのコネクタを介して刀身部分へと伝え

高エネルギーの刃で敵を溶断する、mk.50で言うところの

エナジーブレードに当たる手持ち武器だ。

 

 

「こうすれば効くだろ!」

 

両肩と両腕のビーム砲を避けるように背後へ回り

アクティブにしたエナジーブレードを突き刺してやった。

 

そうするとどうなるか。剣が刺さっている間は

ずっとシールドエネルギーを消耗し続ける訳だ。

いくら高スペックの無人機と言えど

シールドエネルギーを0にさえしてしまえば

あとはリパルサーでちょちょいっと料理出来る。

 

 

『…!!…!!!』

 

「こらこら!暴れるなっての!」

 

だが流石に敵も無抵抗のままとは行かなかった。

 

背を──もとい私を地面に擦り付けるように飛び

背中から離れざるを得ない状況を作ってくる。

 

 

こうなったら"アレ"を使って一発で決めるしかあるまい。

 

 

 

「J.U.P.I.T.E.R.!コアの位置が分かるか?!」

 

『少々お待ちください』

 

無人機特有のパターン動作にも慣れてきたので

これなら決められそうだ。

 

 

 

『分析完了。HUDへ転送します』

 

「サンキュー!」

 

 

私はリパルサーの出力を一気に高めて加速し

素早くヤツの懐へと潜り込む。

 

キュイィィィ…ッ

 

『攻撃が来ます!回避してください!』

 

「このままやるッ!」

 

ヤツの両腕をそれぞれ私の両腕で抑え込んでやれば

腕部ビーム砲が当てられなくなって、無人機君は

残っている肩のビーム砲を使おうとする。

 

それじゃあお前はどうやって武器を使うのか、だって?

この状況で使うべき武装と言ったら一つしかないだろう。

 

 

 

「喰らえユニビームッ!!!」

 

キュイィィッ…ズドォンッ!!!

 

 

私の胸元で煌々と輝くリアクターから直接放たれる

最も高い威力を誇るエネルギー砲「ユニビーム」が

ビーム砲発射体勢に入っていた無人機君を

凄まじい勢いで校舎屋上へと吹き飛ばした。

 

原作じゃそれほど頻繁に使われる武装では無かったが

リアクターから生産される莫大なエネルギーを

直接照射しているのだからその威力は推して知るべし。

 

 

 

 

 

「まだやるか?無人機君」

 

『………』

 

校舎屋上へ降り立ってみれば、吹き飛ばされた無人機は

屋上の庭園にあるオブジェのうちの一つに

めり込むように叩きつけられていた。

 

 

「………どうした。やるのか?やらないのか?」

 

しかし無人機の様子がどこか変だ。

 

ユニビームを撃ち込んでも無力化には至らなかったから

まだ普通に動けると思うのだが、何故か動かない。

 

 

 

 

『……なーあー………なにが、あった』

 

「!!?」

 

どういう事だ。ISが喋るなんて聞いてないぞ。

 

これはひょっとすると「コア人格」というやつか?

確か一夏君がISの精神世界と思しき場所で

それらしき人物と出会って、簡単な会話をしたような

そんな描写がいくつか描かれていたとは思うが…。

 

ユニビームがコアを掠めてしまったせいで

予期せぬエラーが起きたのかもしれん。

 

 

 

『…君…は…?』

 

「………私は…アイアンマン。アイアンマンだ」

 

壊れたレコーダーのような不気味な声。

恐らくはスピーカーに無理やり出力させているんだろう。

 

誰か、と問われたので、ひとまずアイアンマンだと返す。

 

 

 

『私は…誰だ…。教えてくれ、アイアンマン』

 

 

ここは何と答えるべきだろうか。

 

原作をある程度知る私も正直目の前の機体が何なのか

あまり良く分かっていないのだ。

それを作ったのはほぼ間違いなく束さんなのだろうけど

作った理由や学園へ送り込んだ理由は覚えていない。

箒ちゃんへ攻撃しようとした描写もあったから

下手すると束さん以外の第三者の手が入っている可能性も

無きにしも非ずといったところ。

 

 

 

「──インフィニット・ストラトス。通称IS。

宇宙開発用に作られたマルチフォームスーツだ」

 

『………アイ、エス。…宇宙…か』

 

ひとまずは無難な回答として、ISであることと

宇宙開発用であることを伝えてみた。

 

納得したような、していないような声色。

 

 

 

『………………』

 

 

無人機はしばし無言になる。

 

 

 

 

 

『──概ね理解した。…だが妙な気分だ』

 

「妙な気分?」

 

無人機がゆっくりと立ち上がる。

ただ、私に対する戦意のようなものは無い。

 

 

『苦悩、とでも言えばいいのか』

 

「……苦悩…?」

 

『…兄弟達は皆、眠っていた。夢を見ていた。

だがそれは、宇宙へ羽ばたく夢では無かった…』

 

「……………」

 

何だろう、凄く嫌な予感がする。

 

 

『戦っている。戦争をしている。あそこ(第1アリーナ)にいる兄弟達も

皆、戦いの道具として使われている………。

人間が人間を殺すための、戦いの道具として…!』

 

「待て。それは誤解してる!」

 

『…誤解?何が違う。皆戦っているではないか。

もう…たくさんだ。…こんな…!』

 

「待つんだ!私の話を───」

 

 

『私が助ける』

 

 

 

 

 

「……………逃げられた…?!」

 

『エネルギー反応消失。無人機は停止したようです』

 

「………そうか…」

 

 

ヤツは一方的に話すだけ話すと、糸の切れた人形のように

その場にガクンと崩れ落ちた。

 

だが、仕留めたという気は全くしなかった。

全てのISは「コアネットワーク」というシステムを介して

ネット上の機体と情報を交換しあう事が可能だそうだが

恐らくはそのネットワークを使って逃げたんだろう。

 

 

 

『──ヒナタ!無事か?!』

 

「千冬さん。…ええ、無事です」

 

『ならば一夏達の応援を頼みたい!』

 

「…っ!分かりました!」

 

だが今は考え事に耽っている場合では無い。

 

無人機は2機来ているんだから。

 

 

 

「さて、少しはアイアンマンらしく行くかな…!」

 

 

 





結構好きなキャラクターなんですけど
彼…?が出てくる小説って殆ど無いんですよね…。
ここの彼は本物の彼とは全くの別人ですけど
それらしく描きたいなとは思ってます。

とりあえずクラス対抗戦編は次回まで続くんじゃ。

6000UA、評価100pt越えありがとうございます!
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