インフィニット・ストラトスinアイアン…マン? 作:高橋ヒナタ
主人公ちゃんの部活パート
簪ちゃんとの機体開発パート
+αの三本立てでございます。
──部活動。
人によっては学業よりも真剣に取り組む事もある
学校生活の中での癒しあるいは趣味の時間とも言える
学校教育活動の一つである。
そしてそう、IS学園にも部活動は存在していて
たとえば箒ちゃんは剣道部、セシリアちゃんはテニス部
鈴音ちゃんはラクロス部──といったように
学園生は皆どこかしらの部活に所属している。
この私、アイアンマンこと篝火ヒナタもね。
「──さて…今日の活動を…始めましょうか」
『…おや、僕の顔に何か付いてるか?』
「付いてるというか…顔が隠れてるというか…」
今日のテーマは初夏のスイーツということでね
私がメイン材料として用意してきたのはこちら。
長野から取り寄せたブルーベリーとそのジャムだ。
今日のためにわざわざ信州から取り寄せた
「森のサファイア」。中々に値が張る高級品だが
倉持技研第二研究所のメカニックになって
本格的に正式なお給料が入るようになった今
金銭面で困るような事態にはならなくなったのでね。
『ほらどうした?皆手が止まってるぞ?』
まずは作るスイーツ──ブルーベリーチーズケーキの
生地になる部分から作っていく。
前日に寝かせておいた生地を持ってきているので
サクッとカップの底に合うよう型抜きする。
ジュピターも色々手伝ってくれるから
並行作業も思ったほど苦じゃない。
「………うん、すっっっごい違和感」
「ね。スーツ自体はカッコイイんだけどね」
おや、アイアンマンスーツの良さを分かってくれるか。
嬉しいねぇ。君には見込みがありそうだ。
……え?違う?
「篝火さん。流石にソレは脱いだら?」
『そうだな。今脱ぐよ』
まぁそうだよな。ここ「料理部」にアイアンマンは
あまりにも不似合いだよな。
クラス対抗戦で私がアイアンマンであると公表して
わざわざ秘匿する必要が無くなったから
気が向いた時なんかには意味もなくスーツを着て
篝火ヒナタではなくアイアンマンとして
学園をぶらつくようになったんだが
流石に指摘を受けたら脱ぐくらいはするさ。
まぁそれはそれとして。私が所属しているのは料理部だ。
…トニーは料理なんて出来ないだろって?
私はアイアンマンである以前に15歳の女の子だぞ。
オシャレやお菓子作りにだって興味があるのさ。
「よっ…と」
「わぁ〜…脱ぐ動作もカッコイイ…!」
「だろ?」
あ、スーツ依存性じゃあないです。断じて。
実際にアイアンマンスーツで戦闘をしてみて
スーツを手放さない訳が分かった気がするけども。
「よしJ.U.P.I.T.E.R.、次はチーズケーキ部分だよ。
レシピのスクロールをお願いね」
『了解』
「うわー何そのメガネ!チョー便利じゃん!」
「でしょ。作るの大変だったけどね」
眼鏡に投影させたウェブサイト上のレシピを
ジュピターが逐一スクロールしてくれるので
ただでさえ狭くなるキッチンにレシピ本を広げたり
わざわざ手を伸ばしてページめくりする必要も無い。
日々アップグレードを繰り返しているジュピターは
私生活でもこの上なく役に立つ良い子なのだ。
お買い物の値段計算からペンタゴンのハッキングまで!
冗談抜きで出来ますよ。ジュピター君は。
「さぁ〜て、ブルーベリージュレを入れたなら──」
『冷蔵庫で一晩冷やしましょう』
とりあえずこのチーズケーキは明日の活動まで
冷蔵庫で冷やしておく必要があるので
残り時間でちょっと遊ぼうか。
「~♪~♪~♪」
「お、アイシングクッキーも作るんだね」
「やってみたいなーって思って始めたんだ」
アベンジャーズのテーマソングやらを口ずさみながら
アイシングクッキーを作って暇を潰す。
描くのはもちろんMCUの登場キャラクターだ。
アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルクetc…
カラフルで描きやすいキャラクターを中心に
デフォルメした顔のイラストを描いていく。
「う〜ん…もうちょっと分かりやすくしないと…」
「これってスパイダーマンと…誰?」
「俺ちゃん」
「………俺ちゃんって誰さ?」
「デップー。知らない?」
スパイダーマンとデッドプール。
どちらも顔が"赤い覆面"で似通っているせいで
デフォルメする時は特徴をしっかり掴まないと
見分けがつかなくなってしまいそうだ。
スパイダーマンには蜘蛛の巣状のラインを入れて
デッドプールは目の黒い部分を大きく──と。
あぁそうか。デップーがぶっ込んでくるネタが
あまりにもアレだからか、映画「デッドプール」って
15歳未満視聴不可なんだっけ。そら知らんわな。
「あ、そうだ!篝火さんにお願いがあるの!
織斑くんを料理部に誘ってくれないかしら!?」
「一夏君を?」
「そう!幼なじみって聞いたから…!」
とまぁ、こんな風に皆それぞれ部活を楽しんでいる訳だが
唯一の例外は学園唯一の男子生徒織斑一夏君だ。
「それは私でも難しいな…他の部活が黙ってないからね」
「やっぱりそうかぁ〜…そうだよね〜」
彼のネームバリューが凄まじすぎるために
ほぼ全ての部活から何らかの形で勧誘が来ており
所属先を決めかねているのが織斑一夏君の現状。
一夏君は料理が得意だから私が勧誘をかければ
料理部に所属してくれる可能性はありそうだけど
仮にそれをやったら残り全ての部活から恨まれるし
確か彼は後々生徒会入りするはずなので却下だ。
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で、部活動が終わったら整備室へ向かう。
「どう?ミサイルのプログラムは役に立った?」
「凄く分かりやすかった。これなら完成させられそう」
やるのは簪ちゃんの機体開発の手伝いだ。
特に完成が遅れていた打鉄弐式のメインウェポン
48連装マイクロミサイルユニット「
アイアンマンの肩ミサイルの制御プログラムを参考に
さらっとプログラムを完成させたようで
簪ちゃんも見違えるようにニッコニコしている。
「スーツはどう?自動キャッチは難しそうだけど…」
「そうだね〜…何もかも小さいからね」
私は私でアイアンマンスーツの改造に勤しんでいる。
次のスーツに組み込む機能は原作mk.42が持っていた
自動キャッチ機能だ。
とはいえ、流石にこれは苦戦に苦戦を重ねている。
あのスーツは分離した状態でも1,000km飛べるというが
ロクな機能も積めそうにないサイズのあのマスクを
どうやって1,000km飛ばせというのか。
日本で言うなら、東京駅にマスクを置いて飛ばせば
札幌駅まで届けられるくらいの距離感。
「こいつが…試作の超小型リパルサー」
「小さっ!?」
「一応飛ぶんだけど──」
「これでも十分じゃない?」
一応マスクに収められるサイズの機器は作ってみたが
あまりにもスペック不足で頭を抱えたくなったよ。
一応最高速度は一般的なジェット旅客機と同等だし
東京から宇都宮までくらいなら飛ばせるんだけど
どうせ作るなら原作と同じスペックは確保したい。
まだマイクロリピーターも埋め込んでないから
仮に動かしても肝心のキャッチが自力だし。
『アップからワイドで撮れ。日付入れて。
mk.42、自動キャッチ型スーツのテストを行う──』
「トニーはどうやってこれ作ったんだろうね…」
「マイティ・ソー/ダーク・ワールドが作中の時間で
2013年だから、mk.7から1年掛かってないんだよね」
実際にタブレットでアイアンマン3を繰り返し見ながら
案を練っているが…中々良いアイデアは思い浮かばない。
…に対してトニーはアベンジャーズから3までの数ヶ月で
mk.8からmk.41までのアイアンレギオンを作りつつ
mk.42を完成させたというんだから驚きだ。
「……………ん?………あれ?これひょっとして…」
「何か出来たかい?」
そんな中簪ちゃんが気分転換でなんか作ってた。
IS用の武装らしいが──
待った。見た事あるぞその機構。
「………出来ちゃった…!」
「簪ちゃん…マジか!」
リパルサーレイ再現とはやるじゃないか。
言ってしまえば単なる掌部ビーム砲なんだが
特に精密なマニピュレーター部分に武装仕込むとなると
サイズやら耐久性やらの問題が噴出する事になるんで
並の技術力じゃ作れないモノのハズだ。
けど簪ちゃんはそれを見よう見まねで作ってみせた。
「…ねぇ、全身装甲って可能だと思う?」
その天才エンジニア簪ちゃんは自分が作ったモノを見て
なにやら面白そうなアイデアを口にした。
ISにはバリアシールドや絶対防御が存在するため
装甲が防御力にもたらす影響はかなり薄い。
それどころか装甲を積めば積むだけ重量が増して
パワーウェイトレシオや燃費、操作性などが悪化するので
現在ISの全身装甲化は殆ど研究されていない。
それでもなお簪ちゃんが全身装甲の実現を目指す理由は
言うまでもないだろう。
「ふむ…ちょっとやってみますか!手伝うよ」
「…ありがとう!」
そう、アイアンマン(ISver.)in簪ちゃんを作るって訳だ。
「色は青と銀にしたいかな」
「お、レスキューカラーって訳だね」
「武装はmk.50を参考にしてみる」
「いいねぇ面白そうだ…!」
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───唐突ですが私、誘拐されました。
なんかね、体力作りとして続けてるジョギング中にね
どこからともなく出てきた誘拐犯に攫われました。
「やぁやぁ、神社で会った以来だねぇ〜♪」
まぁその犯人は目の前の
チョッキ着て巨大な懐中時計持った着ぐるみのウサギが
突然目の前に現れたら混乱して何も出来ないって。
んであっという間にニンジン型ロケットに詰め込まれて
こうして世界のどこにあるかも分からない彼女のラボに
ご案内されたって訳だ。
「いっくんと箒ちゃん最近どう?イチャイチャしてる?」
「相変わらず唐変木とツンデレ娘してますよ…!
大体束さんなら直接見れるでしょう?」
「モチのロ〜ン♪箒ちゃんのことはスリーサイズまで
バッチリ分かっちゃうんだから!」
「…はぁ…全くこのシスコン姉は…」
で早速話が脱線していく。
まさかミリ単位でスリーサイズの変動を記録されてるとは
箒ちゃん夢にも思ってないだろうね。
仮にそれ知ったら木刀じゃ済まなさそうだけど。
「もちろん!ひなちゃんのスリーサイズも
バッチリ記録してあるよ〜っ♪」
むぎゅっ!
「ひゃあっ?!こらっ!やめなさいっ!」
手付きがいやらしいぞこの篠ノ之姉ェ…。
うちの部屋の盗聴器や盗撮カメラの類は
ジュピターにも手伝って貰って全部潰したはずだけど
さすがにこのウサギを出し抜くのは無理だったみたい。
「いっくんの"アレ"のサイズもね!」
「…おい」
「あははっ冗談だよ!冗談!」
「貴女の場合冗談が冗談に聞こえないんですよ」
「………箒ちゃんのこと見ようと思ってカメラつけたら
…その…ね、見えちゃったの///」
「はいはい。自業自得自業自得」
「そんなひどいっ!」
流石にそんな光景が見えちゃうような位置のカメラは
外させておかないとな。
「──束様、いつまで待たせるつもりですか?」
おや、クーちゃんじゃないか。
黒い花の髪飾りを付けた綺麗な銀髪が特徴の少女
「クロエ・クロニクル」ちゃんだね。
私の記憶との齟齬やバタフライエフェクトが無ければ
束さんがどっかの研究所から攫ってきた実験体の少女で
今は束さんの助手をしてる子なハズだ。
隣の部屋で色々と準備を進めてたみたいだったけど
束さんが余計なことしてたせいで待たせちゃったみたい。
「ごめんごめん、そろそろ本題に入ろっか」
「で、本題って?」
「この前学園でクラス対抗戦があったでしょ?
その時にね、コアネットワークからいなくなった子が
3人ほどいるんだ」
「いなくなった…?」
「そ。私が作ったコアは必ずこのネットワークに
接続されてるハズなんだけどね…」
やはりどこかへ逃げたアイツを認識していたらしい。
しかし予想外だったのは、逃げたと思っていたアイツが
コアネットワーク上に居なかった事だ。
一夏君が零落白夜で破壊してしまった方のコア人格は
データをサルベージして蘇生することが可能らしいが
私がユニビームで覚醒させた方のコア人格は
そういったデータの残骸が一切残っておらず
文字通りネットワーク上から消えてしまったらしい。
「ひなちゃん何か心当たり無い?」
「………流石に分かんない」
「だよねぇ…」
あの無人機──ゴーレムⅠの2号機のコア人格が
コアネットワークから行方不明になるのと同時に
3号機のコア人格の行方も分からなくなったらしいが
いくら私といえどその行き先を予想するのは難しい。
ヤツがもし…"MCUから転生してしたウルトロン"とか
そういう存在だとしたら、今頃世界中のインターネットや
ロボット工学のラボなどが荒らされていそうだが
そういった事例も今の所確認されていないそうだ。
どっかの街が宙に浮いたなんて話も耳にしてないし。
プルルルルッ…プルルルルッ…
おや、電話だ。誰からだろう?
[発信者:千冬さん]
「はい、私です」
『ヒナタ!!無事か!?今どこにいるッ!?』
「あー、"ウサギさん"のラボにいます」
『……………ヤツに変われ』
はいどうぞ、束さん。死刑宣告でございます。
「ひぃっやだっ!でたくないぃっ!」
「はいはーい大人しくお話聞きましょうねぇ〜」
チョークスリーパーしつつ電話を耳に押し当ててやる。
こうでもせんと振り払われてしまうんでな。
『今すぐにそいつをこちらへ帰らせろ。
さもなくば次会った時は…お前を殺す…!』
「え〜もうちょっとイチャイチャしたかっ──」
『そうか分かったそこで待っていろ今殺しに行く』
「冗談!冗談だってば!今帰すから!」
『全く…貴様は毎回毎回面倒事を持ち込みよって…』
「じゃ、学園のグラウンドに落としておくからね〜」
待って?なんでニンジン型ロケットに乗せるんだい?
これめちゃくちゃ揺れて酔うしやめて欲しいんだが…。
え?ここから帰る方法はこれだけ?
「ほいじゃあポチッとな♪」
「うわあぁあぁあぁ〜〜〜っ?!」
次回からはシャル&ラウラ編かな。