インフィニット・ストラトスinアイアン…マン?   作:高橋ヒナタ

16 / 21

シャルル君&ラウラちゃん転入+‪αです。



第16話

 

 

 

「今日はなんと転校生が来ますよ!しかも2名ですっ!」

 

「「「ええっ?!」」」

 

山田先生のその台詞で、1年1組に凄まじい衝撃が走った。

 

転校生だというだけで騒がしくなるというのに

IS学園は転入試験がもの凄く高難度なので

こんな時期に転校してくる生徒となると

かなりの大物である事が殆どなのだ。しかもそれが2人。

 

そうなれば生徒たちが大興奮なのも必然といった感じで

その転校生2人を連れてきているからなのか千冬さんが

ここにいないのも相まって大騒ぎになる。

 

(真耶ちゃんじゃ千冬さんのようにはいかないよね)

 

昨日もクラスの皆から「まーやん」とか「やまぴー」とか

色んなあだ名で呼ばれてたし、親しみやすさはあっても

統率力やカリスマ性のようなものは無いんだろう。

私も面と向かってでなければ「真耶ちゃん」呼びだし。

 

 

「入れ」

 

少しして千冬さんが転校生達を連れて教室へ入ってきた。

 

入ってきた瞬間スンッと静かになった辺りから

千冬さんの統率力やカリスマ性が分かるな。

キャプテン・ジャパンでもやれるんじゃないか?

ムジョルニア持てるかは…ちょっと分からんが。

 

 

「……………」

 

「失礼します」

 

「2人とも専用機を持っている代表候補生なんですよ〜!

仲良くしてあげて下さいね!」

 

2人の転校生を真耶ちゃんが紹介する。

 

1人はどこか見た事のある銀髪に左目へ眼帯をした

寡黙と言うよりは厳格な雰囲気を身に纏う小柄な少女

ドイツIS軍特殊部隊「黒ウサギ隊(シュヴァルツェ・ハーゼ)」隊長にして

国家代表候補生「ラウラ・ボーデヴィッヒ」。

そしてもう1人は貴公子然とした雰囲気を身に纏う

後ろで束ねられた金髪と紫色の瞳が素敵な"美少年"

フランスの大手IS装備開発企業デュノア社の御曹司にして

同じく国家代表候補生の「シャルル・デュノア」。

 

 

「フランスから来たシャルル・デュノアです。

僕と同じ境遇の方がいると聞いて転入してきました」

 

そう、美少年。なんとシャルル・デュノアは

織斑一夏に次ぐ2人目の男性IS操縦者なのだ。

 

これにはもう1組の生徒たちは千冬さんがいるというのに

黄色い声をあげて騒ぎ始めた。

イケメンというより美少年や貴公子という言葉が似合う

一夏君とは違うタイプの美形男子なだけあって

多感な年頃の少女達にはたまらないだろう。

 

 

 

──とそれっぽく言ったけどさ。

 

「J.U.P.I.T.E.R.。彼の素性をチェック」

 

『了解』

 

あれで男の子って思うヤツいるの?

 

第二次性徴期が極端に遅いという可能性も0じゃないけど

体格や顔つき、髪質、細かな仕草に至るまで

あちこちに女の子らしさが見え隠れしてる。

私みたいに原作知識で彼の正体を知っていなくても

女の子なら分かるだろと思うんだが…。

 

 

『…彼の経歴に偽造された形跡を発見しました。

およそ4ヶ月前、織斑一夏様のIS適性発覚より前の経歴は

全て偽造されたもののようです』

 

「…他には何か分かる?」

 

『彼の発見とほぼ同時期に消息不明となっている

デュノア社社長アルベール・デュノアの愛人の娘

『シャルロット・デュノア』と特徴が一致しました。

シャルル・デュノアとシャルロット・デュノアは

同一人物と見て間違いは無いかと』

 

「うわぁ…そんなすぐ分かるんだ」

 

『これらの情報から、彼の目的は織斑一夏様と接触し

個人情報やISの稼働データを奪取する事と思われます』

 

「だろうと思った」

 

ジュピターに探らせればこんなに埃が出てくるんだもの。

フランス政府があれこれやらかしてるんだろうね。

いつぞや前世のパリで開催されたオリンピックも

誤審まみれだの飯が不味いだのロクな噂を聞かなかったが

こっちのフランスも同じってことかよ。

 

多分父親に命令されたとかそんな形なんだろうけど

バレないよう頑張ってるシャルロットは健気だなぁ。

 

で、ドイツの方はというと──

 

 

 

「…ボーデヴィッヒ、挨拶をしろ」

 

「はい、教官」

 

千冬さんが声掛けるまで微動だにしていなかった。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

「………あの…他には?」

 

「以上だ」

 

いつぞやの一夏君そっくりな、名乗りだけの挨拶だな。

千冬さ〜ん?その出席簿落とさないんですか?

一夏君が抗議の視線を向けてますよ?

 

そんな中身の無い挨拶をしたラウラちゃんは

誰かを探すように周囲をキョロキョロと見渡し始める。

彼女の生い立ちが原作通りであるならお探しであろう

織斑一夏君は君の目の前にいるのだが──

 

 

「この中に篝火ヒナタという者が居ると聞いたのだが?」

 

「…私?」

 

あれ?私これビンタされちゃう?

私もあの時誘拐されたもんね?

 

 

「………お前が…教官の母なのか?」

 

「へっ?」

 

千冬さん!この子に一体何吹き込んだの?!

 

私の目の前までやって来たラウラちゃんは

頭のてっぺんからつま先まで穴が空くほど眺めると

おもむろに私の胸に顔をうずめてきた。

 

「……………」

 

「…ラウラちゃん?」

 

「なるほど…とても…落ち着く」

 

なんか孫娘のように可愛く見えてつい頭を撫でていたが

満更でもない様子で、先程までまるで抜き身の刀のように

冷たく鋭い雰囲気を纏っていたラウラちゃんが

可愛らしい小動物のようになってしまった。

 

「教官はお前の事を母の様な不思議な人と言っていたが…

これが…母性というやつなのか…?」

 

千冬さんからの評価ってそうなってたのか。

確か千冬さんの両親は一夏君が物心つく前に

どこかへ蒸発したとの事だったが…。

 

 

「……………すぅ………すぅ………」

 

「あの…ねぇラウラちゃん…?」

 

寝始めちゃったよこの子。

 

 

「織斑先生…どうしたら?」

 

「………第二グラウンドまで運べるか?」

 

「…ちょっと難しいです」

 

「なら起こすしかあるまい」

 

ラウラちゃん小柄だし細身だから病的に軽いと見せかけて

軍人らしく筋肉でもあるのか意外としっかり重さがある。

健康的なのはいい事だが流石に抱えて運ぶのは辛い。

この状態じゃどっちのスーツも着れないし。

 

「お〜いラウラちゃ〜ん起きろー」

 

「…う〜…むにゃむにゃ…」

 

 

 

╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌╌

 

 

 

「遅いですわよ一夏さん」

 

「スーツ着るだけだってのに何してたのよ」

 

コイツ(シャルル)は客寄せパンダなんだよ。分かるだろ?」

 

私達がIS用スーツに着替えてグラウンドに着いてから

しばらくして、ようやく男子2人が顔を出した。

 

シャルル君転入の噂は学園中に広まっているだろうし

物凄い数の生徒が押しかけてきたんだろうね。

着替えている最中にも、出ていった2人を追いかけて

廊下をバタバタと駆け抜けていく音が聞こえたもの。

 

「ふわぁ…っ」

 

ちなみにラウラちゃんはまだちょっと眠たそうだ。

 

 

「──では、本日より実戦訓練を開始する!」

 

今日から行うのは基本的な機体操縦から一歩進んで

実際に武器を使って行う戦闘の訓練。

IS用の武器はちょっと扱いを間違えただけでも

大惨事になる可能性がある危険物でもあるため

千冬さんの語気はいつもの5割増しになっている。

 

比較的サイズの小さい防御用短刀の「茜」でさえ

足にでも落っことそうものなら大怪我するからね。

より大きな「葵」を生身で振り回せる千冬さんが

あまりにも規格外過ぎるってだけだ。

超人血清とか打ってる訳じゃないのにそんなだから

実際に持ってもらった時は正直目を疑ったよ。

 

 

「凰!オルコット!」

 

「模擬戦ですか?鈴さん、受けて立ちますわよ」

「ふふん!返り討ちにしてあげるわ!」

 

まずは代表候補生がお手本を見せろ、ということで

セシリアちゃんと鈴音ちゃんが指名された。

 

先程まで一夏君にあれこれ絡んだ結果出席簿を喰らい

やや不貞腐れていた2人だったが、千冬さんに

「一夏にいい所をみせてやれる機会だぞ」と煽てられ

見事にやる気をコントロールされている。

だからチョロインとか言われるんだぞセシリアちゃん。

 

 

「慌てるな馬鹿ども。対戦相手は──」

 

 

 

キィィー…………ン

 

 

 

整備室のある棟の方角から一機、ISが飛んでくる。

 

カスタムウイングとシールドで構成された四枚羽が特徴の

ダークグリーンの機体、ラファール・リヴァイブだ。

パイロットは学園随一の愛され教師、我らが1組副担任

山田真耶ちゃん。

 

まっすぐこちらへ飛んでくる真耶ちゃんを

私達に次いで一夏君も見上げる。

 

 

「………あ」

 

おっと、真耶ちゃんの様子が…

 

「どうしたんだ?」

 

「…スーツを着ろ」

 

「スーツ?ISスーツなら着てるぞ?」

 

ええい察しが悪いヤツめ。

お前だって映画アベンジャーズは見てるだろう!?

 

もう一度空を見上げても事実は変わらなかった。

IS学園の教師である以上しっかりしていて欲しいんだが

何故か真耶ちゃんはフラフラと不安定な飛行のまま

こっちへ突っ込んできていた。

 

 

わあぁ〜〜〜っどいてくださぁぁぁいっ!!!

 

い゙っ?!

 

これがラブコメ主人公の宿命とでも言うかのように

バランスを崩した真耶ちゃんはまっすぐ一夏君目掛けて

落下してくる。

 

そして──

 

 

 

ドォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

「ギリギリで白式を展開出来たぜ…」

 

真耶ちゃんは凄まじい音を立てて激突したが

一夏君の白式展開が本当にギリッギリの所で間に合った。

 

激突の勢いで派手にグラウンドを転がった一夏君は

白式を量子化して起き上がろうとするが

ここで彼のパッシブスキル「ラッキースケベ」が発動

地面に着くはずだった彼の右手が吸い込まれるようにして

真耶ちゃんのたわわに実ったスイカへ。

 

むぎゅっ!

 

ひゃんっ!…織斑くん…もう少し優しく…っ」

 

「うわぁっ!?」

 

お互いに顔が真っ赤になる一夏君と真耶ちゃん。

 

彼にとってあのスイカはやっぱり猛毒だったようで

その右手は真耶ちゃんのスイカに吸い付いたままだし

顔を逸らしつつも視線はしっかりスイカをロックオン。

こりゃあヒロインズから制裁が飛ぶ訳だ。

 

「セシリアちゃんステイステイ!鈴音ちゃんもステイ!」

 

 

「こ、困りますよ織斑くん…こんな場所で…!

あぁいえ場所もそうですけど他にも色々と!

あでもこのまま行けば織斑先生が義姉(ねえ)さんって事に──」

 

今にもスターライトmk.3を一夏君の脳天目掛けて

ぶっぱなしそうなセシリアちゃんを制止しつつ

双天牙月を一夏君の首目掛けてぶん投げようとしている

鈴音ちゃんを何とか止めようとしていたら

真耶ちゃんの方から何やら妙な会話が。

 

あれ?真耶ちゃんが千冬さんに好意持ってるのは

何となく知ってたけど、こんなに重いものだったっけ?

ひょっとして彼女も一夏君のヒロイン候補?

 

 

「──ダメですよ山田先生、そんな伝え方じゃ」

 

「篝火さん?」

 

「一夏君は女の子の想いに鈍感なんですから。

ここは大胆に『結婚して下さい』って言わなくちゃ!」

 

「けけけ、結婚っ?!?!」

 

鈴音ちゃんの双天牙月投擲を防ぐのも兼ねて

近寄ってカマをかけてみたら大当たりだった。

千冬さんに対して特別な感情を持つ真耶ちゃんにとって

その弟である一夏君という男は"アリ"なんだろう。

 

「い、いけませんよ篝火さん!生徒と教師でなんて…!」

 

あ、あんな事言ってたけど教師としての倫理観は

最低限残ってるのね。さすが真耶ちゃん。

 

 

「早くしないと千冬さんの出席簿が飛んできますよ。

ほら、2人とも立って!」

 

「すまねぇな」

「………ありがとう…ございます」

 

とりあえず2人を引っ張り起こしてやる。

いつまでもおっぱじめる寸前みたいな状態で

グラウンドに転がしといたら可哀想だし。

 

 

 

「ところで山田先生。何故あんなミスを?」

 

「…だって…この歳でコレは恥ずかしいですよぉ

 

なるほど。真耶ちゃんらしい原因だな。

 

着るだけでISの操作性などを向上させるこのスーツだが

何故かスクール水着のようなデザインになっている。

しかも何故か水抜き穴に似た意匠まであるとかいう

デザインしたヤツのこだわり(性癖)が感じ取れる形状なのだ。

もし首周りがタートルネックじゃなかったら

完全にスクール水着だった。それも旧式の。

 

現役時代ならともかく、20歳の真耶ちゃんにとっては

とっても恥ずかしいシロモノなんだろう。

 

「…分かります。かなり恥ずかしいですよねコレ」

 

「分かってくれるんですか!?嬉しいですっ!」

 

私も正直言うと恥ずかしい。

もう何年も前の話とはいえ、元男には効くのだ。

漁火ヒカル少年は…旧スク派だったから…。

 

でもなぜかクラスの皆は気にしてないのよね。

あのブランドが良いだのこのブランドが良いだの

性能を重視したいだのデザインを重視したいだの

どちらかというとお洒落の一環のような感覚らしい。

一夏君にもスーツに関する話題を普通に振っていたから

むしろ彼に可愛く見られたいという想いの方が

羞恥心よりも強かったりするのかもしれない。

 

 

 

「それに、体型も維持しなきゃならないですし」

 

「分かります!油断出来ないですよね…」

 

ほんと、"スーツ"は体型がモロに響くからね。

胸が苦しくてmk.3が着れなくなった時は正直焦ったよ。

 

 

 





評価200ptありがとうございます!

2期の要望がかなり多かったので
設定を少しずつまとめはじめております。
それと、3期(MCU入り)も一応計画中です。
まぁ3期はまたそのうちアンケ取るかと。

次回と次々回辺りは日常パートになるかな…
本格的な戦闘はまだ少し先になります。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。